社会というピッチでも価値を発揮できるはず。二人がセカンドキャリアに起業を選んだ理由(1月14日放送より)
女性に対する固定観念にも問いを立てたかった
田中
このね、wagamamaさんがつくっておられる「OPT」の、女性の生理の問題に着目した、なんていうんですかね、特殊な……その特殊さを、何て名付けてらっしゃいましたっけ——「ノーリミットウェア」。
これね、ラジオ聴いてる人はどうかな? この真っ黒なショーツなんですよ。ショーツ、これなんですかね、トランクス?
お二人
ボクサーパンツですね。
田中
ボクサーパンツ。いろんな言い方あるな。まあでもそうやね、ボクサー型のパンツ。で、真っ黒なんですよ。
田中
この真っ黒というところもやっぱり女性の生理のお悩みに応える?
内山さん
そうですね。「女性=やっぱり可愛らしいものが好きだよね」っていう固定観念にも問いを立てたくて。かっこいいデザインってところはかなりこだわって、つくっている。
なので、カラーとしてもブラックってところで。シンプルにどんな時でも履きやすいようにって形になっているし。デザインとしてもボクサーパンツ型。
特にメンズボクサーパンツ型にしているみたいなところもあって。足の付け根のところまで少し丈があるので、激しく動いたとしても漏れづらいっていうところも、機能性としてはかなりこだわってつくっています。
田中
なるほど。また黒っていうのも、まぁまぁ目立ちにくいだろうなという心理的な気持ちもありますよね。
下山田さん
それはよくユーザーさんからも言っていただけますね。
田中
なるほど。
スポーツの激しい動きに対応できるから、日常のどんな場面にも適している
田中
サッカーのゴールキーパーの動きにも対応できるように考えてって。でも、そこまでのこと考えたら、アスリートだけじゃなくて、普段着として、普段の生理の時にも使いたいという女性の方、多いんちゃいます?
下山田さん
多いですね。いろんなお仕事をされている女性の方からコメントいただくんですけど。
例えばお医者さんでずーっとオペのとき立ってなきゃいけなくて、トイレに行けないっていう方に履いていただいていたりとか。
田中
はい、はい。
下山田さん
あとは学校の先生とか幼稚園の先生とか、それこそ生徒に合わせて運動しなきゃいけなかったり。あと自分自身の時間なかなかつくりづらい職業の方もめちゃくちゃ愛用いただいてますね。
田中
一番過酷なことを想定してつくったものって、僕とかミリタリーオタクなんで、ミルスペックってあるじゃないですか。軍隊で使用されてるウェアだよとか道具だよっていうのは、普段使いめちゃくちゃ丈夫に決まってるじゃないですか。
そういう何か流用できる思想というかね。
内山さん
同じ発想かもしれないですね。
トップアスリートが「いいよね」って言っているってことは、もう日常生活、どんな場面でもいけるよねっていうので、働く女性とか、そういった方にも使ってもらってます。
アスリートのセカンドキャリア問題は「社会の縮図」
田中
そんなwagamamaのお二人が、この辺ちょっとね、聞いてみたいんですが。女子サッカーのプロ選手としてヨーロッパで活動されていたと。
で、その中でサッカー選手同士の時はやりとりあったんですか?
内山さん
何回かありましたね。
田中
ドイツと?
お二人
ドイツとイタリアです。
田中
遠いね、ドイツとイタリアも結構。
下山田さん
1回、来てくれたんですよ、ドイツまで。
内山さん
はい。1週間ぐらいいたかな。
下山田さん
なんか、ちょっとめんどいなと思いましたけど。面倒見ましたよ。
内山さん
お家に泊めてもらいながらね、同じチームの練習にも参加させてもらって、ドイツの文化を堪能しました(笑)。
田中
なるほど。その後ね、お二方でいま会社をはじめて、セカンドキャリア。まさにセカンドキャリアですけど。
アスリートのキャリアとか、セカンドキャリアのいろんな流れとかあると思うんですが、その辺の悩んではる人いるなとか、そういうのはありますか?
下山田さん
うーん、めちゃくちゃ悩んでますね、みんな。
田中
悩んでる?
下山田さん
はい。サッカーの話になっちゃいますけど、男子みたいにトップレベルのリーグでやってても、いっぱいお給料をもらえるわけでは全くないですし。それこそ、なでしこリーグってアマチュアのリーグになると、昼は働いて夜はサッカーみたいな。
田中
アマチュアですもんね、そっちはね。
下山田さん
そうですね。……ってなってくると、もう本当に自分にこう自己投資する時間すらなくて。
気づいたら歳を取って、ベテラン選手になり、引退したらもう何も選択肢がないっていう同年代の選手たち本当にたくさん見てきたので。
田中
はい。
下山田さん
結構いろんな深刻な問題あるし、そこにもアプローチしていきたいなって気持ちはすごくありますね。
田中
その、なんていうかな、スポーツ界の問題? 今の仕事——僕もね、会社辞めちゃったら、次はなかなか普通仕事ないんですよ。 ハローワークとか行っても、「え、そんな選択肢ないの?」とか、「え、そんな給与は下がるの?」とか。
つまりスポーツ界で起こっていることの課題、そのセカンドキャリアの問題っていうのは、実社会やと40代・50代とかで直面することが、20代とかで早めに直面しちゃうと思うんですよね。
下山田さん
なるほど。
田中
だから、その課題の、スピーディーな縮図みたいなものを乗り越えてきはったんちゃうかなと思うんですけどね。
下山田さん
確かに。
始めたばかりは、周りが「大人」に見える
田中
それで、お二人で、日本で話し合って、これやろうかと。このお仕事をはじめようかというところ、ちょっとお伺いしたいんですけども。
株式会社にして商品を作るぞって、最初に——最初は、社名も違った形で。
内山さん
そうですね。2019年の10月に会社としては設立してるんですけど、その時は社名が株式会社Rebolt(レボルト)って名前から始めて。
当時はまさに、「なぜ株式会社にしたの?」ってよく聞かれるんですけど。正直なこと言うと、他を知らなかったみたいなところもあるし。
田中
うん。
内山さん
とはいえ、やっぱり、いま話したようなキャリアのところでいうと、まだまだ女性アスリートがセカンドキャリアで悩んでいるってところもあったので。
一つ自分たちとしても他のフィールドでも同じように輝けるよねと。サッカーのピッチだけじゃなくて、社会のピッチの中でも自分たちの価値発揮ってできるよねってことを示したかったっていうところもあって。
一つ組織を立ち上げ、それを大人のみんなにも信頼して巻き込んでいけるようにって覚悟を見せたくて、株式会社ってまず箱を作ってみたっていうのが正直なところですね。
田中
わかるわ。 僕なんか50歳で初めて会社はじめたでしょ。
そしたら、さっきね、内山さんがおっしゃった「大人のみんな」っていうの、同じなんですよ。50歳でも僕と同世代か、場合によったら年下の会社を経営してはる人は、大人に見えるんですよ。
だってそれまでもね、プロサッカー選手は社会人じゃないですか。
内山さん
確かに!
田中
でも、会社はじめるってなったら、なんか初めて社会人やるような。
下山田さん
本当に、そう。
田中
僕だってそうですよ。会社員24年やってたけど、辞めて自分で会社を始めるんだったら、なんか社会人1年生みたいな気しましたよ、それは。
下山田さん
おもしろい。
内山さん
同じだ!
ドイツ・イタリアで感じた“我がまま”であれる世界
田中
それで、下山田さんは本も書いてらっしゃる。
下山田さん
そうですね。
田中
『女子サッカー選手です。 そして彼女がいます』
田中
これぜひね、偕成社さんから出てるんで、皆さんにも読んでほしいんですが。
いろんなこのご自身の悩みもあったり、共通する悩みもあったり。やっぱり社会問題を解決したいというような気持ちはあったんですかね。
下山田さん
そもそもなんですけど、やっぱりドイツとイタリアでプレーした時に、同じチームのチームメイトたちがすっごい“我がまま”で。日本だったらそんなの変だよとか、当たり前だよって言われるようなことも、「でも自分はこっちの方がパフォーマンス出せるんだ」って表現してる姿にめちゃくちゃ心動かされたんですよ。
田中
あぁ……。
下山田さん
逆に、日本でプレーしている私たちもそうですし、女性アスリートって自分に自信がなかったり、仕方がないって思っていることたくさんあるから、それを解決したいよねっていうところからこの会社ってはじまってて。
田中
まだまだ、やっぱり日本人はその“我がまま”さが少ないというか、出せてない?
下山田さん
特に女性はやっぱ社会構造の問題もあるので、その中でギュッと押し込めてることがたくさんあるなとは思っていますね。
田中
なるほど。

放送:隔週 月〜金曜日 15:40ごろ〜
田中泰延
映画/本/クリエイティブ
1969年大阪生まれ。株式会社 電通でコピーライター/CMプランナーとして24年間勤務。2016年退職し「青年失業家」を自称し執筆活動を開始。2019年、文章術を解説する初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を上梓。16万部突破。2020年、印税2割スタート・最大5割の「累進印税™︎」を掲げる出版社 「ひろのぶと株式会社」 を創業。







