関西出身、歴史好き、現代文講師、会計士——すべてがハイブリッドにつながった作家活動(6月18日放送)
『OBCブンブンリクエスト』にハガキを送った学生時代
田中
山田先生。会計、それから税務のことの専門家でいらっしゃるんですが。そして作家、YouTuberでもあるということで。
そして、このラジオ大阪OBCにもちょっとご縁があるというか、昔から聴いていただいてたということで。
山田先生
もう一方的なリスナーですね。まあね、阪急ブレーブスファンでしたので。
田中
はい。
山田先生
それで『近鉄バファローズナイター』を聴き。かつ、1980年代後半から90年代ですかね、夜は『ブンブンリクエスト』という番組をOBCでやってまして。
※ブンブンリクエスト:正式名称は「OBCブンブンリクエスト」。通称「ブンリク」。1986年6月から2001年9月にかけてラジオ大阪で放送されていた、深夜番組。スタート2年目までに中学生・高校生の年齢層ではトップの聴取率を記録した人気番組。放送終了後も、復活特番が組まれることがあるなど、今なお根強い人気を誇っています。
田中
ブンリク。ブンブンリクエスト、これはねぇ……!
今日ね、あのあちらにスタジオに、ラジオ大阪 上野慶子社長もお見えになっているんですが、すごくうれしそうな顔をされてますが。

山田先生
本当にブンリクリスナーでしたんで。
これもね、みんなが阪神ファンの中、阪急ブレーブスファンっていう、若干マイナーな立場。みんなが『ヤンタン』聴く中、僕はもう『ブンリク』だったんで。
※ヤンタン:『MBSヤングタウン』。1967年からMBSラジオで放送されている関西の深夜番組。
田中
MBS(毎日放送)じゃなくて、OBC(ラジオ大阪)を聴いていた。
山田先生
はい。
田中
わかるわぁ。
山田先生
この頃は、立原啓裕さんとか。モンスター前塚さんとか、ハイヒールモモコさんとか出てらっしゃいまして。あとね、中井(雅之)アナウンサーってね、当時のアナウンサーが。
田中
中井アナウンサー、うん!
山田先生
その時は、もうずっとハガキ出してましたね。
田中
ハガキ、ハガキを出してた!
山田先生
ま、基本、なんでしょうね。当時ね、ネタハガキっていうよりは、『ブンリク』なんで、音楽のリクエスト番組ですので。
田中
ですよね。
山田先生
出してやってましたね。そんな学生でした。
田中
いや、すごいうれしい。そのね、山田先生が今日はOBCにご出演ということで。
阪大文学部で学んだ歴史×会計士の知識で出した本も
田中
それで、OBCを聴きつつ、受験生。山田青年は、なんと阪大文学部、大阪大学の文学部に進まれるということですが。
山田先生
はい。
田中
そもそもやっぱり、作家・文筆家になりたいと思ってらっしゃった?
山田先生
いや、それは歴史ですね。
田中
あっ、歴史。
山田先生
歴史系が大好きで。で、歴史が勉強できるところっていうことで、大阪大学文学部の日本史専攻ですね。日本史研究室に入ってやっておりましたね。
田中
すごい、今のお仕事とハイブリッドの。学生時代の興味専攻とハイブリッドのご著書もあって。
すごいですよ。『経営者平清盛の失敗』。

田中
これすごいでしょう? 歴史好きと公認会計士としての仕事が合わさった一冊ですよね。そういうこともやってらっしゃる。
山田先生
ちょうどね、僕、神戸出身っていうのもあって、神戸の港を造ったのが平清盛でしたので。で、平清盛が大河ドラマになった時期がありまして。
※大河ドラマ『平清盛』:2012年1月8日〜12月23日に放送されたNHK大河ドラマ第51作。
山田先生
そのタイミングで、なんか僕もやっぱ歴史の本を一冊書きたいなっていうので、出版社に言って出させてもらった感じですね。講談社さんでしたね。
田中
講談社さん。すごい。
公認会計士・税理士を目指したきっかけは、挫折からだった
田中
山田先生といえば、ご著書を積んでいけば天井にいくぐらい、本出してはるんですけど。その阪大文学部で歴史大好き青年が、なぜこの公認会計士・税理士に? 前ちょっとお伺いしてね。
山田先生
そうですね。
田中
その学校(TAC)に梅田で行かはったと。
山田先生
はい。で、あの専門学校(TAC)で会計士の勉強をしていくんですけど。結局その前の時点で、歴史でやっぱ食っていくには、難しいというか。
田中
はい。
山田先生
ちょうど僕が大学卒業するのが1999年、(就職)氷河期のタイミングですね。なので、本当は僕、歴史で社会科の先生になるのが1番いいなと思ったんですけど、社会科のそもそも募集がほんとあんまないっていう感じなので。大学残るほど、なんでしょうね、真面目な生徒でもないというか。
結構、バイトで予備校講師をやってまして。予備校で当時現代文、古文、漢文を教えてたんですけど、そっちのほうが楽しくなって。で、予備校講師になろうって、関西から出て東京行きまして。
田中
はい、はい。
山田先生
当時はですね、予備校っていうのは衛星予備校といいまして、東京で収録したやつを全国に流すという、そういうのが流行った時期。で、その大手の東進ハイスクールに行って。
田中
東進に。
山田先生
はい。行って僕も一旗揚げようと思ったら、やっぱ現代文のですね、当時トップが林修先生という。
田中
ああ、「今でしょ!」の。
山田先生
「今でしょ!」の。林先生とかがいらっしゃって。そういうのを間近で見て、「ああ、これ無理だな」と。
田中
おおぉ。
山田先生
「あそこの位置までいくのは、うん、やっぱね、なかなか難しいな」っていうので。あと、まあ若いんでね、挫折しまして。
で、とぼとぼ関西に帰ってきたっていうので、そこで近くの学校TACに行くという。で、会計士資格を教えてもらうって話だからですね。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は「探偵!ナイトスクープ」
田中
そう、それが挫折とか言うてて、人間次の道を選んだら、もう何がどうなるかわからんというか、まさかそれが大成功の道って思わへんじゃないですか。
山田先生
そうですねぇ。
田中
それが公認会計士・税理士になってから、日本の出版史に残るね、ベストセラー。本当に、だって日本のここ何十年のベストセラー10冊挙げてたら絶対入る『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』。
田中
今、165万部突破。そのうちこれWミリオン、200万いくと思うんですけど。こんな本を出せたきっかけっていうか、なんか出会いっていうのはあるんですか?
山田先生
最初その小説のほうが『女子大生会計士の事件簿』って、会計士を舞台にした。いわゆる「お仕事小説」っていうのがまだ当時あんまなかったので。特に会計士主人公ってなかったので、それが角川書店さんのおかげで売れまして。
山田先生
それでいろいろオファーいただいた中で、なんか会計の疑問から解き明かすっていうのを。
これはだから、関西の人しかほんまは伝わらへんのですけど、『ナイトスクープ』のノリなんですよ。
※ナイトスクープ:テレビ番組『探偵!ナイトスクープ』。1988年から放送されている、朝日放送テレビ制作の視聴者参加型の深夜バラエティ番組。関西地区の放送で、現在は各地方局でも放送されています。
田中
あ、『ナイトスクープ』。解明してみましょうっていうやつ。
山田先生
まあまあ、ですね。『ナイトスクープ』で、いわゆる疑問があって、探偵して、で「調べてみてどうでしたか」っていうフォーマットっていうのは、きっと本でも使えるよなってことで。
さおだけ屋さんって、よくドラマとかね、昔話で、「竹屋 竿だけ」って見るけど、あれなんで潰れへんのやろうと。買ってる人見たことないのに。
田中
ない。
山田先生
っていうのを調べてみましょうって、まさに『ナイトスクープ』の探偵のノリなんですよね。
田中
あぁ〜。
山田先生
そのフォーマットっていけるなと思ったのが、この本のつくり方ですね。
田中
そうか、なるほど。
山田先生
関西じゃなかったらもしかしたらできなかった。
田中
ああ、『ナイトスクープ』のノリと。
山田先生
見てなかったらできなかったかもしれないですね。
小説には、予備校講師の経験が生きている
田中
でね、最初にこう取り組んだっていう『女子大生会計士の事件簿』も、これもシリーズで100万部突破してるわけですけど。
その阪大文学部で、まあある意味文学青年じゃないですか、歴史好きといっても。
山田先生
はい、そうですね。
田中
その人が、会計士の知識を得て小説家になったっていう、それどうですか? 気分としては。
山田先生
ね、「まさかこうなるとは!」っていうことですね。特に文学部では別に小説の書き方習わないんで。
ただ、現代文を教えたのはすごく。現代文って結局ね、小説の書き方を構造的に分解するのが現代文の試験なんで。
田中
はい。
山田先生
そういう意味では、予備校講師時代の、実は現代文の講師が役に立ってるかなっていうのは、すごく思いますね。
田中
なるほどね。いやぁ、ひろのぶと株式会社の、顧問の会計じゃなくて、本当はうちの作家をやってほしいんですけれども。いろいろお世話になっています!
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放送:隔週 月〜金曜日 15:40ごろ〜
田中泰延
映画/本/クリエイティブ
1969年大阪生まれ。株式会社 電通でコピーライター/CMプランナーとして24年間勤務。2016年退職し「青年失業家」を自称し執筆活動を開始。2019年、文章術を解説する初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を上梓。16万部突破。2020年、印税2割スタート・最大5割の「累進印税™︎」を掲げる出版社 「ひろのぶと株式会社」 を創業。







