「折り紙天井」に「サンシャインウォール」。“今までなかった!”をつくるモリソンの技術(2月10日放送より)
夢洲駅の「折り紙天井」
田中
森村金属さんは昭和25年からずっと、金属の分野で建材、アルミのパネルを中心に、天井とか、床とか壁とか、パネルやってはるってことですが。
具体的にね、森村金属さんの技術が活かされてるところのひとつは、昨日もお伺いした夢洲駅。
あの万博の玄関口、夢洲駅の折り紙天井。
森村社長
折り紙天井です。
田中
複雑な金属が、まるで鶴とか、ああいう折り紙みたいに。
森村社長
浮き立つような感じでね、3Dでね、つくってあるんですよ。
田中
あと波っぽいところも。
森村社長
あれは「さざ波」といってね、海の波を表現してあるんですね。
田中
ああいう技術を、どういうふうに開発していくか。その辺を突っ込んでお伺いしたいと。
森村社長
あの折り紙天井は、万博へ来られた方が、大阪メトロさんから最初に降りられる駅で、「これから万博行くぞ」という気持ちにさせたいと。
だから、日本の伝統的なものを表現したいというコンセプトを持っておられましてね。
「なんやろな?」といろいろ考えて、「やっぱ折り紙だろう」と言われたんですね。 で、「折り紙だったら、じゃあ紙か」って、「いや紙は燃えるだろうし、破れるよ」と。
田中
駅の天井、紙はないですよね。
森村社長
そうですよね。これからIRっていうね、その影響をずっとこれから何十年も続けるためには、やっぱり金属だということで。
じゃあ、金属の折り紙天井なんて今まであるか?って、「いやないよね、どこにも」と。
じゃあどこができる? こんなのやってもらえるようなところはどっか……あるな、モリソンやな、と来たわけです。
※ IR:統合型リゾート。(Integrated Resort)の頭文字から。大阪IRは国際会議場や展示場、ホテル、エンターテインメント施設、カジノなどで構成され、2030年秋頃の夢洲での開業を目指して準備が進んでいます。
田中
おお、森村金属、モリソンさんのところにやってきた。
森村社長
うちは、なんでもそういうの好きなんですよ。まったくやったことない、まったく知らないものをつくるのが、すごく好きでね。
田中
やったことないことをやる。
森村社長
そうなんです。 またそれが得意なんですよ。
「折り紙天井」はネジも釘も使っていない!
森村社長
で、私のところに話が来ましてね。 設計の方といろいろ話ししながら。折り紙っていうのは、ポッと浮き上がってる、天井から。そういうものに仕上げないかんと。
となると、ネジとか釘とかね、そういうもので留めたら困ると。 確かにそうやなと。
「(折り紙が)ネジ、釘で留まっとるやないか」、これじゃ話にならん。 浮き上がるってことは、それじゃ留めない。
じゃあ私はネジ、釘使わないで留めようと。
田中
ネジ、釘、使ってない?
森村社長
使ってないんです、あれ。で、天井の下地に工夫がありまして、その下地にパチンとはめてあるんですよ。
田中
僕、家族で万博行ったときに、後で写真見るじゃないですか。そしたら夢洲の駅降りて、まずあの天井の写真撮ってましたわ。
森村社長
やっぱり。
田中
やっぱり。
森村社長
撮ってくれはった。
田中
最初に目に入るところに、夢のあるものを、やったことない技術で実現すると。
森村社長
そうですね。
天井裏を見せよう! 仕組みが見える夢洲の「折り紙天井」
森村社長
ですから、(折り紙天井は)そのままパチッとはめこんでてあるんですね。どっからでも取れるんですよ。それで、メンテナンスも効くんですけれども。
あの下地の仕組みがね、非常におもしろいという評判がありましてね。
元々のデザインは、イタリアのほうのデザイナーなんですけども、やられた方が「その天井裏を見せようやないか」と言われたんです。
田中
はあ〜。
森村社長
そんなん、裏の下地まで見せるのおかしいやん。
今度ね、もし夢洲行かれたら、通路両サイドの8メートル、天井全部開いてるんです。そこから、ぜひご覧になってください。
田中
見れるんや!
森村社長
見れるんです、その仕組みが。
田中
これは楽しみ。是非。
森村社長
黒く全部色を塗ってあるんですけどね、やっぱりカッコよく見せてあるんですよ。それが、ちゃんと取り付いてるのが見えるんです。
田中
これね(夢洲駅)、一般の人、 IR ができてよく通うようになるまではなかなか行かない。
森村社長
行かないですね〜。
田中
楽しみですね。その時がね。
森村社長
ぜひね。
新大阪駅の天井にも、モリソンの技術
田中
そして、昭和25年からやってはる森村金属・モリソンさん。
あの東海道新幹線の新大阪駅も、その昔、手掛けてはった。
森村社長
そうなんです。今もね、あのままなんですけど。
田中
全然変わらないですよね。
森村社長
変わらないですね。
新大阪駅のリニューアルはね、いろいろ話がありましてね。あの新大阪駅というのは、実はね、ビルの屋上に新幹線走ってるんですよ。
田中
そうですよね。
森村社長
だから、雨がどんどんどんどん、新幹線の軌道に降りますよね。それがだんだんビルの下にね、水漏れがあったんです。
田中
ああ。
森村社長
で、なんとか水漏れ止まらんかということで、「じゃあ、屋根つけようか」って言われたらしいんですけど、「天井に屋根っていうのもね」といろいろあって。
なんか天井で塞がれへんかということで、また森村金属に話が来たわけです。「何か森村さん持ってるで」と 。
田中
その時代からずっと、「これちょっと難しい問題やな」みたいなことあったら相談に来られる。
森村社長
そうなんですよ。
お風呂にも、オフィスにも「サンシャインウォール」
田中
B to C の分野でも、僕びっくりしたのは、こちらです。
森村社長
「サンシャインウォール」ですな。

田中
お風呂とかオフィスでも、中からは外が見えるし光も入るけど、外からは影も見えへん。
森村社長
シルエットも映らないですよ。
これはもう、(開発に)2年以上かかったんですけどね、いろんな工夫をしましてね。
うちのアルミと、それから樹脂ですね、プラスチック。
樹脂もね、透明感を出さないようなものを開発していただいて。うちはプラスチックできないもんですから。 そことうまくタイアップして、「外から見えない」というものをつくったんです。シルエットも見えないっていうのを。
田中
これが不思議でね。
森村社長
風も通るんですよ、これ。
田中
風通りますよね。目にした人も、街中で多いと思うんです。
森村社長
おかげさまでね。今、もう楽天ショップで、毎日売れてます。
開発完了から、社長の鶴の一声で……?!
田中
これ、お伺いしたところによると、開発にだいぶ時間かけて、外から見えへんようにした。
「はい、できました!」
なのに、社長が……
森村社長
鶴の一声で、「これ中から見えるようにしろ」と言ったんです(笑)。
田中
そんなん、だって普通「隠す」言うたら、どっちからも見えにくいというのが基本じゃないですか。
森村社長
ですから2年かけてね、「できた! みんなで乾杯しようか!」っていうところに、私が「ちょっと待ってくれ」と。
「外から見えないのはできたけど、中から見えるようにしたらもっとええで」って言うたんですよ。
ほんなら、みんなそこでグラス置きましたね。
田中
乾杯が止まった(笑)。
森村社長
そう、止まったね(笑)。
田中
だってそんな工夫をどうやってやるか想像もつかない。
森村社長
そうでしょ? でも、できたんです。
田中
でもできた(笑)。
森村社長
できました。
▶︎次ページ:「やったことない」に挑戦するモリソンの組織風土

放送:隔週 月〜金曜日 15:40ごろ〜
田中泰延
映画/本/クリエイティブ
1969年大阪生まれ。株式会社 電通でコピーライター/CMプランナーとして24年間勤務。2016年退職し「青年失業家」を自称し執筆活動を開始。2019年、文章術を解説する初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を上梓。16万部突破。2020年、印税2割スタート・最大5割の「累進印税™︎」を掲げる出版社 「ひろのぶと株式会社」 を創業。





