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練習するほどダメになる? 自由自在を目指す阿波踊り上達の本質【踊る阿呆の無礼講!】

米澤渉


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「阿波踊りは、練習すればするほど不自由になることがある」

そう話す、NEO阿波踊り集団「寶船」の米澤渉(よねざわ・わたる)さんと、米澤陸(よねざわ・たかし)さん。その真意とは……?

米澤渉×米澤陸で贈る、ラジオ大阪「踊る阿呆の無礼講!」の第4回。今回は、阿波踊り上達のために大切な考え方や、親孝行について、さらには世界中にある課題までトークは膨らみます。それでは今週もまいりましょう、アヤットサー! ヤットヤット!

(執筆:東田たま緒 編集:廣瀬翼)
※本記事は2026年7月28日のラジオ大阪の放送を元に構成しています

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大阪・住吉祭から考える「全国のお祭り」の魅力

さあ、本日、7月28日ということで、実は明後日、30日から大阪の住吉大社で「住吉祭(すみよしまつり)」というのがスタートするらしいんですね。

すごい! おもしろそう!

おもしろそうですよね。このお祭りは、毎年7月30日から8月1日にかけて大阪でやっているお祭りで、大阪三大夏祭りの1つ。

へ〜!

見てみたい。

見てみたいね。

ちょうど僕ら、画像でしか見ていないんですけど、なんかお神輿を担いで、やっている感じがにぎやかな感じ。

なるほど。

これ、大阪中をお祓いして、清める神事として古くから親しまれて、3日間で約30万人の人々が訪れる。

すっご!

いいね〜。

1日10万人ってこと? 単純計算で。

うんうん、そうだよね。

すごいっすね〜。

すごーい!

日本のお祭りって、歴史がちゃんとあるじゃないですか。このお祭りも、どういうきっかけで始まったのかとか知りたいですよね。

言っていいですか?

はいはい?

僕、実はですね。何を隠そう、日本盆踊り協会の芸術顧問なんです。

そうだ! それを言っておかなきゃいけないですね。確かに。

「なんですか?」って話だと思うんですけど。「なんですか、それは?」って話なんですが。日本中にいろんな盆踊りがありますよね。

うん。

阿波踊りであるとか、よさこいであるとか、郡上おどり、ねぶたとか、エイサーとか。ありとあらゆる、いろんな盆踊りがあるんですけど。そのいろんな盆踊りを、協力し合って、盛り上げていこうっていう「盆踊り協会」っていうのがありまして。

そうなんですよね。

それで、芸術顧問っていうね、役割をさせてもらってる。

すごいですよね。

一緒に芸術顧問をやっているのが、なんとDJ KOOさん。

日本盆踊り協会の顧問一覧。左上から、鳳蝶美成、DJ KOO、FISHBOY、米澤渉、花園直道、桜りりぃ、YOHEY
出典:日本盆踊り協会 Webサイト

すごいね。ラインナップがすごいっすね。確かに、お祭りの感じありますね、KOOさんはね。

そういう立場からも、阿波踊りも盆踊りということで、指名していただいたんですけど。そういう意味では、こういう大阪のお祭りとか、知りたい!

この番組を通して、大阪のお祭りもそうだし、全国のおもしろいお祭りを、ちょっと教えてもらいたい、みたいな。そういうの、いいんじゃないですか?

いい! いい!

実際に機会があったら、そこに足を運んで見てみるとかね。

うん、うん。

僕らちょうど阿波踊りっていうお祭りをやっているんですけど。全国で、全然阿波踊りとまったく違うお祭りもあると思うんで、というのを知っていく、というのもいいと思いますけどね。

そうだね。「私の町のお祭り、こんなですよー!」みたいな、お便りをもらえればね。

そんなコーナーもあってもいいですね。

おもしろいね。

「我が町のお祭りコーナー」みたいなね。

というわけでね、今週も始めていきましょう。アヤットサー!

ヤットヤット!

「踊る阿呆の無礼講!

【メッセージ】阿波踊りを上達させるために大切なことは?

ということで始まりました「踊る阿呆の無礼講!」

メッセージをいただいております。

ありがとうございます。

ラジオネーム「阿呆ニューワールド」さん。

いいですね(笑)、はい。

「渉さん、陸さん、こんばんは」

こんばんは。

「私は阿波踊りを始めたばかりなのですが、上達するために大切にすべきことを教えてくださいませんでしょうか。お2人の情熱的なパフォーマンスが大好きです」というお便り。

ありがとうございます。

いや〜、素晴らしい!

阿波踊り、始めたての人。なんですかね、僕1個あるとしたら、阿波踊りをやるとなると、日々稽古があるじゃないですか。踊りの練習があると思うんですけど、踊りの練習のときに、ただ形を練習するのではなく、お祭りとか、ステージとか、本番の頭の中でイメージをしながら「今は、自分はどういうお祭りに出ているんだろう」っていうことを想像する練習は絶対に必要ですね。

あー。これ、なんにでも言えますね。

そうなんですよ。そこは1個、上達する……

本番の景色を想像してる?

景色! だから寶船で言うと、海外ツアーのでっかいステージで踊る機会が例えばあったとしたら、ここに向けて、もう稽古場でもイメージして。そのステージの大きさから、客席の見え方、景色とか、想像しながら。同じ演目だとしても、やっぱりイメージするだけで全然違うので、上達の仕方がね。

確かに。

そこは1個、アドバイスとしてありますね。

ホントそう。これって、なんでイメージが大事かって言うとですね。例えば目線をどこに持っていくかというのも、会場がイメージできてると、遠くを見るのか、手前にお客さんがいるのか、顔の向き1つも変わってくるよね。

確かに。

例えば、大谷翔平さんとかでも、同じバッティングでも、グラウンドでバッティング練習もあると思うんですけど、素振りを100回しても、ただ筋肉が付くだけじゃなくて、例えばドジャースの、この試合のときにとか、向こうニューヨークヤンキースで、何回の裏で「ここで点入れないと、この試合がどうなるかわかんない」というところをイメージをするとか。

なるほど、なるほど。

そういう感じの具体的にイメージしてやるっていう。これ1個ありますよね。

確かにそうすると、その場に立ったときの説得力が違うというか。あるかも。やっぱ技術的なことに頭がいっちゃうし。

「自由」と「自在」は違う。技術を磨く本当の意味

他にありますか? 始めたての人。

あります。あのね、僕らは、よく言っているんですけど、まずなんでもそうかも知れないですけど、特に阿波踊りは練習をすればするほど“不自由”になっていく人がいるんですよ。

なるほど……深いね。

どういうことかって言うと、「結局踊りなんて自由だぜ」っていうことに、最終的な境地ではたどり着かないといけないんだけど、だんだんだんだん、踊り方とか型を覚えたり、ステップを覚えたりすると、それにどんどん閉じこもっちゃうから。

まず、結局なんで技術が必要かと言うと、「自由自在になるために、技術は必要なんだ」って思って始めた方がいいと思う。

確かに。それは大事だなぁ〜。

この“自由”と“自在”って言葉はさ、実は2つ違う言葉じゃん。“自由”になることと、“自在”になることって違うじゃん。

そうか、似てるようで違う言葉か。

そう。“自由”は、例えばピアノの鍵盤が前にありましたってときに、「自由に弾いてください」って言われたら、どんな子どもでもがむしゃらに、無我夢中にやったら、いろんな自由に弾けると思う。それは心地いい音楽じゃないかも知れないけど、叩きつけるようにかも知れないけど、不協和音でも弾こうと思えば、自由になれる。

でも、「自在に弾いてください」って言われたときに、自分が思っている感情とか弾きたい音楽を“自在”に弾くのってやっぱ、技術が必要。

技術がないと、そこにいけない。

いけない。悲しい気持ちを表現したいとか、楽しい気持ちを表現したいときに、やっぱそこの“自在”になるためのトレーニングは必要なのかなーと思っていて。

そう、それすごい思うのは、寶船のメンバーで新人さんが入ってきて、最初に面接とかするんですけど。その時に、ある人が「僕は阿波踊りを通して、エネルギーを出すようになりたいです」と。「自分は生きてきて、スポーツとかもやってきたけど、エネルギーの出し方が、フルマックスでエネルギーを出すっていうことがなかなかできない」っていう話を受けて。「寶船のパフォーマンスでは、それをやれるようになりたい」という話を受けるんですけど。

それでね、確かに、阿波踊りの基礎的な踊り方が、まったくやったことがない人って、「エネルギー出して」「おっきい声出して」「めちゃめちゃ迫力ある踊りをして」って言っても、できないんですよね。

わかる。エネルギーを出せる技術がないからでしょ。

そう。エネルギーを出すのも1つの技術なんですよ。そこをね、結構みんなわかるといいなと思ってて。

その1番近道なのは、意外と阿波踊りの基礎練をすることなんですよね。踊り方とか、声の出し方とか、基礎的なことを、サボらずにやっている人が、最終的に、さっきの“自在”の話じゃないですけど、“自由自在”になれるっていう。ここだと思いますね。

一方で、それこそ基本練習だとか、自分たちの振り付けだとか、今やっていることにのめり込んでやっていくと、どんどんどんどんやればやるほど、今度はその教科書からはみ出なくなっちゃう人もいるじゃん。

そう、これね、行ったり来たりなんですよ。

本当はもっと自由でよかったのに、クリエイティブがどんどん閉じていく感じがするっていうことも起こりがちだと思ってて。

実は名人になってくると、結局、1番最初のデビュー戦とか、子どもたちの踊りとかみたいに、何も考えずに自由に踊っている頃は、「もっと表現の幅が広かった気がする」っていうジレンマに陥ったりもするんだよね。

そうなんだよねー。

だから、そういう意味では、最初っからこれは、“自由自在”になるための、そのための練習なんだって思っておくことが、心の中の部屋を狭くしないことだとは思っていて……

そうですね。

遠くに行くために、自分という部屋を広げるために、技術とか踊り方とかはあるんだって、徹底的に思うっていうのが大事なのかも知れない。

革命は型を学んだ先にある。寶船が考える伝統と挑戦

そう意味で言うと、日々、僕らも芸歴というか、寶船を始めて30年経ちましたけど、いまだにそこで悩んでますもんね。自分たちの「“自由自在”とは何か」とか。あまりにも自分の中で、いろいろ練習すればするほど、どんどんアイデアが狭くなっていくっていうのは、日々悩んでるので。

その踊りをさ、例えば誰が見ても素晴らしい、例えば今は阿波踊りの例だから「阿波踊りのすごい徳島の有名な人たちで、踊りがうまい人たちの踊りに近づけた気がする」って思ったときに、そこから、今度は、怒られるくらいの何か業界の中ではタブーなことに挑戦してみるっていう勇気を持てるかどうかだと思っていて。

勇気って大事ですよねー。

歴史を見るとさ、そういう伝統って、革命の歴史が結構あったりするの。

そうなんですよ。

革新してるんだ。ここのときに、誰かが新しいことをやったのが一世を風靡してるとか。

阿波踊りの歴史なんて結構それの繰り返しですからね。

そうなんです。

映画とか音楽とかと比べて、アーカイブが残っていないんで。結構、映像とかを入手するのが大変なんですけど。昭和の頃の阿波踊りとか見ると、今と全然違って。結構暴れ回ったりとか、お調子者のおじさんが、すごいユーモラスな踊りを踊ったりとか。いろいろあるんですよね。そこで、いわゆる革命の歴史というかね。

そう。なんか、「自分が未熟だから踊りがうまくなりたい」というよりは、「自分自身を表現するための技術だ」って思ってもらうと、下手なことや未熟なことは隠すものじゃなくて、技術で上塗りして隠そう、「未熟な自分は隠そう」ではなくて「未熟な自分をさらけ出す技術」っていうふうに考えるといいんじゃないかな。

確かに、そうですね。

僕たちは昔、ライブハウスで阿波踊りやって。

そうですね、確かに。

そう。自分たちの露骨な未熟さみたいなものを解放して、フルマックスでやるっていう。

当時、ライブハウスで阿波踊りでワンマンライブって、なんにも歴史がなさすぎて、訳わかんない感じではありましたけど。

そう。

思い出しますよね。

【曲紹介】Louis Armstrong「What a wonderful world」

そのライブハウス時代に僕たちが、SEと言って、本番が始まる前にライブハウスにかけてた曲をちょっと紹介したいと思います。

久しぶりに聴きますか。

はい。昔、小さなライブハウスでこの曲をかけて寶船が入場してました、お聴きください。

ルイ・アームストロングで、「この素晴らしき世界」。

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    NEO阿波踊り集団「寶船 」連長/株式会社アプチーズ 代表取締役。 1985年東京都生まれ。パフォーマー全員が赤い衣装をまとい、派手なメイクを施して激しく踊る独自スタイルの「NEO阿波踊り」で演者と観客が一体となる熱狂を生み、多数の海外ツアーも敢行。2025年までに世界26カ国で活動を展開してきた。2024年Forbes JAPANが選ぶ「カルチャープレナー(文化起業家)」30組の一人として選出された。2025年、初の著書『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)を出版。同年10月、父より引き継ぎ連長就任。