プロの阿波踊り集団「寶船(たからぶね)」の米澤渉(よねざわ・わたる)さん、米澤陸(よねざわ・たかし)さんがお届けする、ラジオ大阪「踊る阿呆の無礼講!」。
記念すべき第1回は、プロの阿波踊り集団とはどんな活動をしているのか、なぜラジオを始めたのか、阿波踊りとラジオの意外な歴史的つながりまで。さらに、昨年体験したSNSでのショート動画1,300万再生についても、たっぷり語ります。
(執筆:東田たま緒 編集:廣瀬翼)
※本記事は2026年7月7日のラジオ大阪の放送を元に構成しています
※この番組は、「結果のわからないチャレンジャーを応援する」FIRST DOMINO株式会社の提供で放送されています。
【目次】
まずは自己紹介から

渉
さあ始まりました、「踊る阿呆の無礼講!」。この番組は日本初にして唯一の阿波踊り集団リーダー米澤渉と——
陸
おなじく米澤陸でお送りします。
渉
はい、ということで始まりましたけども。
陸
始まりましたね〜。
渉
まずはね、みなさん「はじめまして」ということで、僕たちがどんな人間なのか自己紹介をしていきたいと思うんですけども。まず、陸君からいきましょうかね。
陸
皆様、はじめまして。阿波踊り集団「寶船」の米澤陸と申します。
僕、阿波踊りを30年以上やってるんですけれども。巷では“金髪の異端児”なんて言われて、阿波踊り業界の異端児としてやらせてもらってるんですけど。
普段、金髪でメイクしてショート動画とかで結構人気出てるということで、頑張ってます。
渉
もしかしたら、知ってる人もいるかもしれないですよね。
陸
もしかしたらラジオで僕の声を聴くっていうのは、ほとんどの人はないと思うんですけど。動画でね、Instagram、TikTokとかで見たことある人いるかもしれないんで。ぜひね、お願いします、今後とも。
渉
そうですね、人間性を知ってもらうっていうのもいいですね。
続きまして僕ですね、米澤渉と言います。僕はですね、今「米澤」って名前一緒だったんですけど、陸と兄弟なんですよ。
寶船というグループは、プロで阿波踊りをやっているグループなんですけれども、今までに世界30カ国、いろんなところでプロとして阿波踊りを踊ってきまして。その寶船というグループをもともとつくったのが僕らの父親だったので、メインメンバーが米澤姓を名乗っていると。
だからラモーンズみたいに……ラモーンズ、わかりますかね?
陸
ロックバンドですね。
※ラモーンズ(英語:Ramones):1974年結成の、アメリカのパンク・ロック・バンド。2002年『ロックの殿堂』入り。メンバー全員が「ラモーン」という姓の芸名を名乗っていました。
渉
みんな「ラモーン」を名乗んなきゃいけないとかじゃないんですけど。
陸
米澤姓が多いとね。
渉
実は姉の萌(めぐみ)もプロメンバーでバリバリ一緒にやってまして、阿波踊り三兄弟・米澤を名乗っておりますので。
「プロの阿波踊り集団」って何をしているの?

渉
まずですね、初めての人に阿波踊りのプロって何ですかっていうところをちょっと説明したいんですけど。
陸
そもそも、そこがよくわかんないですもんね。
渉
そうなんですよ。阿波踊りのプロって何でお金稼いでるのって思うかもしれないんですけど、めちゃめちゃわかりやすい説明で言うと、和太鼓グループさんってプロいるじゃないですか。
陸
はい、はい。
渉
いろんなところで劇場公演とかをされていて、ヨーロッパツアーやったりとかされてるプロの和太鼓集団いっぱいいらっしゃるんですけど、それの阿波踊りバージョンって感じだと思ってもらえればいいと思うんですよ。
海外の、例えば日本のポップカルチャーのフェスみたいなものにも出てますし。音楽フェス、それから企業イベントとか学校公演までね。いろんなところで踊っておりますと。
陸
そういうことですね。プロでやってるのはあんまりいないですからね。僕らぐらいなんじゃないですか。
渉
ね! 特に、関西のラジオじゃないですか。阿波踊りって言っても、徳島が近すぎて、大阪エリアの方々は逆に阿波踊りを知らない方が多いらしいんですよ。
陸
そっか、そっか。
渉
認知度が低いっていうことで、踊りじゃなくて声でね。僕らの人間性ですとか、阿波踊りの魅力をね、伝えていきたいんですよ。
陸
この番組は阿波踊りの魅力を伝えていくっていうことが、1個役割ですね。
渉
でもラジオに慣れてなさすぎてね。俺たち初めてのことだらけだから。
陸
そうね、そうなんですよ!
渉
聴いてるみなさんに一緒に育ててもらうっていう気持ちでやりたいと思うんですよ。
陸
冒頭の方とか、普通に台本読んでるだけですからね(笑)。
渉
僕、ラジオの収録初めて過ぎて、スタジオで打ち合わせして「さあ、これからラジオだ」って時に飲み物としてコーラ持ってきたんですよ。そしたらラジオの収録でゲップが出やすいコーラ、1番向いてない。ウプってなるじゃんっていう(笑)。
陸
あと開けるたびにプシュって(笑)。
渉
今お茶に変更しました。そのぐらい、わかってない。ぜひね、皆さんにもかわいがっていただいて、長い長寿番組目指していきたいと思いますので……それでは!
アヤットサー!
陸
ヤットヤット!
渉・陸
「踊る阿呆の無礼講!」
ラジオが、自分たちのホームになったらいい
渉
ということで始まりました「踊る阿呆の無礼講!」。初めてのスタジオで、初めてのレギューラジオ収録。陸君どうですか?
陸
いや、ドキドキ・ワクワクですよね。
渉
緊張が伝わってくる(笑)。
陸
ラジオ番組、しかもレギュラー番組で、パーソナリティやるっていうことが生まれて初めてじゃないですか。
聴いてる人にもちょっと考えてほしいんですけど、今まで人生で1回もやったことないことを、ある日突然任されるときのどうしていいかわからないソワソワ感ってありますよね?
渉
思った以上に、スタジオの中が無音なんですよ。だから、自分たちのこの呼吸とか椅子の音まで聞こえる。
陸
そうそうそう、そうなの。
渉
もう独房に入ってる感じ。
陸
独房ではないけど、なんにも悪いことしてないけど(笑)。
渉
そのくらいの孤独感を感じるくらい。
陸
普段のステージとかだったら、例えばパフォーマンスのときのイメージトレーニングとか、自分の振り付けの練習とか、なんか準備ができるんですけど。ラジオって、しかもフリートークとかそういうことって、準備とかじゃないじゃないですか。
渉
でも、きっとこれ続けていくとですよ、ここがホームになるっていう。
陸
いや〜、していきたいですね。
渉
芸人さんとか芸能人の方で、「ラジオが自分のホームだ」みたいな。いろんな活躍してもラジオに帰ってきて、ここで本音を喋れるみたいな。そんなラジオにしていきたいので。
陸
だから大事なこととかここで発表するとかありますよ。
渉
ありますよ。
陸
芸能人の結婚報告とかね。
渉
ありますよ。
陸
まあ、結婚はしてますけど。
阿波踊りを全国に広めたのは、ラジオだった
渉
というわけでね、僕、ラジオがなんで楽しみかって話していいですか?
陸
はい、はいはい。
渉
阿波踊りって、知らない方も多いと思うんですけど、徳島っていうところで始まった踊りなんですよね。
徳島で450年ぐらい前に蜂須賀家政っていう人が、「お城つくったから、みんなで無礼講だー!」って言って、騒いで身分関係なく楽しもうっていうのがルーツって一説で言われてて。
※蜂須賀家政(はちすかいえまさ):戦国時代から江戸時代前期にかけての武将・大名。名将・蜂須賀正勝の嫡男。父の代わりにあわ国の大名に命じられ徳島藩祖となり、徳島城を建築するなど、活躍しました。
陸
そうですね、はい。
渉
で、地域のお祭りだったのが全国的に人気になったきっかけがあって。それがね、お鯉さんっていう人が阿波踊りのレコードを昭和7(1932)年に発売したんですね。
※お鯉さん:阿波踊りのおはやし「阿波よしこの」の歌い手。
陸
昭和7年?!
渉
はいこれ、歴史的な名盤なんですけど。
陸
100年くらい前ですね。
渉
その時になんで全国的に人気になったかというと、お鯉さんがその後ラジオスターになったからなんですよ。
陸
なるほどね。そこつながってくるわけだ。
渉
徳島の富田町というところの料亭の一芸者さんだった人が、なんと大阪のラジオ局でラジオを最初収録したり、レコーディングして。そこで全国区のラジオ人気。
当時まだね、ラジオって言っても出たばっかりかもしれないですよね。当時の新しいメディアだった、ラジオとレコードを使って人気になった。だから、ラジオをこうやって持つっていうのは、ちょっと愛着があるというか。
陸
じゃあ、阿波踊り業界にとっても、ラジオっていう文化が結構大事なんですね。
渉
そうなんですよ。
阿波踊りは「最先端」と出会ってきた文化
陸
でも確かに、当時、昭和初期って今が100年弱前って、めちゃめちゃ最先端のテクノロジーだったわけじゃないですか。ラジオそのものが。
今だったら、AIを使って阿波踊りやるみたいなもんですよね、もしかしたら。
渉
そうかも。SNS駆使してAIを駆使して、新しい時代の阿波踊りをつくっていくっていうことかもしれない。
陸
だから結構、阿波踊りって、これも割とみなさん誤解あると思うんですけど。古くからの、昔からのことをずっと同じようにやってるっていう風に思う人も多いんですけど、歴史調べると、その時々の最先端と結構コラボレーションしたりしてるんですよね。
渉
自由に若者が楽しめるものなんだよっていうのは、伝えたいかも。
陸
確かに。結構阿波踊りって、堅苦しいイメージがあるから、そこをね、そうじゃないんだよって言っていきたいっていうのありますよね。
渉
ある。めちゃくちゃある。だから寶船もいろんな曲で踊ったりしてるじゃないですか。
陸
世界的に有名なポップスソングとかでね、踊ったりしますからね。
渉
そうなんですよ。一緒に曲をつくってヒップホップのアーティストとコラボしたりとかしてるんですよ。
陸
そうなんですよね。
渉
なんか、ラップミュージックって、阿波踊りの囃子唄とかにも近いじゃないですか。
陸
なるほどね〜。たしかに。
渉
韻を踏むっていう文化も、日本に結構あったんだって。
陸
そうなんだ!
渉
「♪踊る阿呆に 見る阿呆 同じ阿呆なら 踊らにゃ損損♪」。
言葉遊びっていうと、「一かけ二かけ三かけて、四(し)かけた踊りは止められない」とか、掛け言葉ですよね。
陸
なるほど〜。日本のヒップホップは阿波踊り! 最初は。
渉
そういう解釈もできるよね。
陸
なるほどね〜、おもしろいな〜。
渉
だから、いろんな意味で、ヒップホップの中にもダンスの中にもエンターテインメント、いろんなところに阿波踊りの要素があるのかもしれない。
陸
阿波踊り、いろいろ楽しみですね。紹介できるのが。
【曲紹介】 T-STONE「騒〜ZOMEKI〜feat. 寶船」
渉
ここで曲を紹介したいんですけど。
陸
いきますか!
渉
俺たちがヒップホップのアーティストで、徳島出身の男の子とコラボして楽曲をつくってリリースしてるんですよ。その子が“レペゼン徳島”をすごい言ってくれてて。
陸
かっこいいよね、最高だよね。
渉
「ど真ん中の阿波踊りの曲を寶船さん一緒につくりましょう」と言ってくれて、つくった楽曲があります。ぜひ聴いてください。
T-STONEで「騒 ~ZOMEKI~ feat. 寶船」です。どうぞ!
※T-STONE:徳島出身のラッパー。ヒップホップを軸に活動し、地元・徳島の文化や阿波踊りを取り入れた作品も多数発表。寶船とのコラボ楽曲「騒〜ZOMEKI〜」も話題となった。
▶︎ 次ページ:1,000万再生バズ体験に、緊張をコントロールする方法は?
米澤渉
文化/起業/対談
NEO阿波踊り集団「寶船 」連長/株式会社アプチーズ 代表取締役。 1985年東京都生まれ。パフォーマー全員が赤い衣装をまとい、派手なメイクを施して激しく踊る独自スタイルの「NEO阿波踊り」で演者と観客が一体となる熱狂を生み、多数の海外ツアーも敢行。2025年までに世界26カ国で活動を展開してきた。2024年Forbes JAPANが選ぶ「カルチャープレナー(文化起業家)」30組の一人として選出された。2025年、初の著書『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)を出版。同年10月、父より引き継ぎ連長就任。





