田中泰延が、いま会いたい人・話したい人と、聞きたいことを語るラジオ大阪の番組「田中泰延のふたりごと」。「街角のクリエイティブ」では、その放送の様子を記事化してお届けします。
今回は2026年1月24日(土)の放送の様子。株式会社 闇 代表取締役社長CEOの荒井ジョースケさんがゲストの第四夜です。
株式会社 闇の細部へのこだわり。ホラーに特化した会社がつくられた経緯。闇のこれまでとこれからをたっぷり語った15分。
さあ、荒井ジョースケさんと田中泰延の“ふたりごと”を、ちょこっとのぞいてみましょう。
(構成・編集:廣瀬翼)
【 荒井ジョースケさんゲストの回 】
▶︎ 第一夜(1月 3日放送)
▶︎ 第二夜(1月10日放送)
▶︎ 第三夜(1月17日放送)
▶︎ 第五夜(1月31日放送)
【 ゲストのプロフィール 】

荒井ジョースケ(あらい・じょーすけ)
株式会社 闇 代表取締役社長CEO
1996年 毎日放送入社。同事業局事業部プロデューサーとして、『梅田お化け屋敷シリーズ』『ウメダ☆アイスリンクつるんつるん』、京都音楽祭『OKAZAKI LOOPS』などを企画。過去には『サントリー1万人の第九』などもプロデュースした。2019年6月より株式会社 闇 代表取締役社長CEO。
X(旧Twitter):@jyosukearai
株式会社 闇 Webサイト:https://death.co.jp/
これから闇が目指すホラーの世界
【今夜のお話】
名刺の色まで変わる?! 隅から隅まで怖い「闇」
田中
株式会社 闇。もう毎回言いますけど、漢字のあの暗闇の「闇」一文字の会社で、ホラーを手掛けてらっしゃると。
「闇」って、なんでついたんですか、そもそも?
荒井
これは、頓花っていうファウンダーがいましてね、この会社の。
田中
この会社をつくった、頓花聖太郎(とんか・せいたろう)さん。
荒井
彼がとにかくホラーの仕事がしたいということで、周りの反対を押し切ってつくった会社なんですけど。
田中
反対を押し切って(笑)。
荒井
その時から「闇」っていうのは、つけたかったみたいです。ロゴひとつとっても、ものすごくこだわってつくってます。「闇」という書体、普通の明朝体みたいに見えるんですけど、全然違うんです。
田中
全然違いますよね。
田中
そしてね、闇さんは特殊な名刺っていうのもあって。お会いして名刺交換すると、真っ黒な名刺。で、いただくじゃないですか。手で触れていると色が変わってくる。
闇の!名刺が!完成しましたーーー!
— 株式会社 闇 (@death_co_jp) July 3, 2015
生きている人間の手で触れると、真っ黒な名刺にじんわりと赤い血が滲んでくるホラー名刺です。闇メンバーと直接ご挨拶の機会がある方は、ぜひお渡しさせてください。 pic.twitter.com/p1OIE1A0jr
荒井
血の色になってくっていう、ものすごく高い紙を使っていまして。
田中
めっちゃかかるでしょ、あんなん、お金(笑)。
荒井
本当に高くて困っていますし、結構特殊な紙なので、在庫がなくなってってるっていう話もあるので。
田中
そう、いま紙ね。僕も出版社をやっているでしょ。紙、なかなか手に入らないみたいなんですよ。
でも、闇さんはそんな隅から隅まで「闇」なんですよ。いろんなところが怖い、ホラーな仕掛けがあると。
闇が掲げるホラー×テクノロジー「ホラテク」
田中
頓花さんは、そもそも会社組織としてホラーをやるということは、昔からおっしゃっていたんですか?
荒井
そうなんです。頓花がデザイン会社に務めていたんですけども、その中で社員旅行のような機会に、ちょっとホラーイベントみたいなようなことをやったら、すごく喜んでくれたと。
なんですけど、「お化け屋敷に行こう」というと、越えられない壁があったみたいなので……。
田中
うんうん。
荒井
じゃあ! ということで。これから、どんどんどんどん。もう、10年以上前ですね。
テクノロジーも好きな男なので、ホラーとテクノロジーを掛け合わせると新しい体験ができるんじゃないかと、「ホラテク」っていうワードをもとに数人で始めたというのがスタートなんですよ。
田中
「ホラテク」。なるほど。
荒井
だから、おっしゃっている通りで、技術、テクノロジーだったりデザインだったりというのは、すごく大事にしてこだわっていますね。
田中
いやぁ、それがね、MBS毎日放送で「1万人の第九」のプロデューサーだった荒井ジョースケさんが、「闇の代表取締役をやることになりました」って、僕もう、びっくりしたんですけど。
荒井
本当にね、わからないです、何が起きるかは。思い通りにはいかないなぁって。
でも、本当にすごく楽しくて。若い世代が楽しんでいるエンタメをちょっと横から見られるっていうのは、こんなに幸せなことないなと思っていますし。日々日々、新しい発見があるので、すごく刺激的ですね。
Jホラーよ、アニメにつづけ!
田中
ジャパニーズホラーが海外進出。もう日本だけじゃなくてね。
この「ふたりごと」でも、僕ら、ジャパニーズホラーは煮物のようにジワジワと怖いという話をしていましたが。
このあいだ、YouTubeでホリエモンこと堀江貴文さんと荒井さんとが話してらして、海外にジャパニーズホラーはジャンジャン輸出できるエンタメじゃないかっていう話で盛り上がっていました。
荒井
ほんと緊張したんですけど。とても楽しく、堀江さんも大ノリでしゃべっていただきました。
実はホラーのエンタメで日本を背負って出ているっていうのはあんまりないというところで、冗談半分に「ブルーオーシャン、レッドオーシャンじゃなくてブラックオーシャンです」みたいなことを言ったら、すごくウケていただいたんですけども。
田中
ブラックオーシャン(笑)!
荒井
特に「NIPPON」っていうブランドだと思っていて。海外の方たくさん来ますし。
ただ、日本の文化では今アニメがすごく出てってるんですけど、他にもあるよっていう時に1番言えるのは、実は恐怖文化・恐怖エンタメだなっていうふうに思っているので。
ぜひぜひエンタメの本場の、ひょっとしたら映画なのでハリウッドなのかとかいうところで勝負をしたいなっていうのが、今年の大きな目標ですね、 僕らとしては。
田中
映画でね、一度日本のホラーっていうのがかなり輸出されて、海外でも話題になった時期あったじゃないですか。その時の怖さと、いま闇さんが目指しているものに違いってあるんですか?
荒井
ちょっと変わってきているのかなと思うんですけど。ただ、ベースはやはり、日本のフォークロア(Folklore)、民話みたいなことろからだなと思っています。
田中
ええ、ええ。
荒井
なので、それをどうアップデートできるか。 我々の中ではやっぱり、令和版ではないですけども。2000年代になってどんどん進んでいく時代の中で、昔のものを懐かしんで引っ張り出すだけではなくて、どうアップデートできるんだろうかっていうところがすごく大事なテーマになってくると思うんです。
とにかくクリエーターの皆さんは、どうやれば人を怖がらせるんだろうっていうのを考えるのがすごく楽しいらしくて。いろんなアイデアを持ってきてくれるんですよね。
だから、この領域はクリエイティブの残された最後の領域かなと思っていて。泣かせる・笑わせるは意外と、方程式がね、あるなっていうふうになってるようにも聞くんですけど。
田中
はい、はい。
荒井
ワーッと大きな声で驚かすのは怖いしびっくりするんですけど。やっぱり日本の“Jホラー的”な文脈はそうじゃないところも掘ってってるんだろうなと思ったときに、それの発明を探してるいろんなクリエイターは、本もそうですし、映画もそうですし、おもしろいこと考えてますね、皆さん。
エンタメを生み出すのに「真面目」は必須
田中
このあいだ、闇さんの周年記念パーティーに僕もお伺いしたのですが、いろんなクリエイターの方が、例えばAIを使ってとか、あるいはゲームの領域とか。そこに闇さん独自のホラーをつくっていこうとされている。
荒井
AIは先ほど言った頓花がとにかくテクノロジーが好きなので、いまも日々日々、AIとお話しをし続けてるんですけど。
田中
頓花聖太郎さん、好きそうですよね、AI。

荒井
いろいろ話題になった生成動画のアプリだったりとかあると思うので、闇としてはAI企業をもう少し目指してみるか、みたいなことは頓花と言ったりしています。
ただ、いろんな方がクリエイティブなことができるツールなので、先ほど言った通りで、新しい才能が出てくる可能性があるなと思っているので。そういう方たちと組んで。
できれば、AIになればますますボーダレスになってくると思うので、海外も含めたグローバルな展開に日本のホラーを背負って勝負に出たいなと思っていますね。
田中
あの、僕ちょっと今アイデアあるんですよ。ほら、IT系の企業で、あの海外の超大手で「オラクル」ってあるじゃないですか。その事業部「ホラクル」っていうの、どうですか?
荒井
どっかから怒られそうで怖いですけど(笑)。
田中
怒られる、絶対怒られる(笑)。
荒井
なんで、いろんなことができるなと思ってるんですけど、どこに絞っていこうかってときに、僕らはやっぱり今の技術とホラーを掛け合わせることで、他がやれない価値を生み出せるんじゃないかなと思ってるってとこですかね。真面目な話ですいません。
田中
いやいやいやいや、怖い話は、真面目な取り組みから怖さがね。
荒井
そうなんですよ。
田中
それが、エンタメであるという。
エンタメって僕らほらずっと、CM作ったり番組つくったりして、ホラーつくったり本つくったり。結構現場はめっちゃ真面目。
荒井
ほんと、そうなんですよね。だから「こんなことに」って思うようなことにこだわっていくし、それが大事なんだなと思うので、そこはリスペクトですね。本当に。
今日の曲紹介| Dead Or Alive「Something In My House」
田中
なぜか荒井さんからのリクエストの曲は毎回 80年代。僕たちね、これしゃべってる二人 50代なんですが、しゃべってる二人がもう熱く青春を燃やした曲ばっかりなんですよ。
なんと、Dead Or Aliveの「Something In My House」なんですが、これタイトルとアーティスト名がなぜかホラーっぽい。
荒井
そうですよね。中学生ぐらいのときに聴いてて衝撃受けた曲なんで、その時はまさか自分がこういう成れの果てになるとは思ってなかったんですけど。
今思えばきっかけかもしれないですね。
なにかが家にいるかもみたいな歌で変な歌ですけど、ちょっとハマっちゃってましたね、当時。
田中
別にこれね、グループ名が 「Dead Or Alive」で「Something In My House、誰か家にいる」って言っても別にホラーの曲じゃないんですよ。
荒井
そうなんですよ。ただ、ちょっと今自分の立場から見ると、ああ、そういう運命だったかなっていう風に遡ってみたりするような。しみじみしてます。
田中
はい。しみじみしてるけど、ユーロビートの激しい曲です。聴いてもらいましょう。Dead Or Aliveで、「Something In My House」。
おまけトーク
♪Dead Or Alive「Something In My House」再生中♪
荒井
ご陽気(な曲)でいいですよね。
田中
ご陽気。もうみんなね、踊ってました。D.D.HOUSEの「MAHARAJA(マハラジャ)」とか。ありましたね、D.D.HOUSE。
※大阪・梅田の商業施設「D.D.HOUSE」に、かつてはバブル時代の高級ディスコ「MAHARAJA(マハラジャ)」が入っていた。
荒井
(笑)。
田中
それから、ヨーロッパ通りの「MAHARAJA WEST(マハラジャ・ウエスト)」。それから、道頓堀「KING&QUEEN」。懐かしいなぁ。
※ ヨーロッパ通り:周防町通りの堺筋・御堂筋間を「ヨーロッパ通り」と呼ぶ。石畳と街灯がつづく街並み。対して、御堂筋を挟んで西側はカジュアルな若者の街である「アメリカ村」。
※ KING&QUEEN:1986年〜1991年、大阪・道頓堀で有名だったディスコ。「マハラジャ」をワンランクグレードアップさせた店で、正式には「マハラジャ・サルーン・King&Queen」。
荒井
やっぱり、クラブみたいなのとは違うんですもんね。ディスコってことですよね。
田中
ディスコ! ほんと、ディスコ。クラブとは違う。
荒井
文化も違うだろうし。
♪Dead Or Alive「Something In My House」おわり♪
田中
陽気な80’s。
荒井
元気が出ますね。
田中
ユーロビートが流れたところで、来週も株式会社 闇 代表、荒井ジョースケさんにお話をうかがっていきたいと思います。ありがとうございました。
荒井
ありがとうございました。
<来週も引き続き荒井ジョースケさんをゲストにお迎えします>
【 荒井ジョースケさんゲストの回 】
▶︎ 第一夜(1月 3日放送)
▶︎ 第二夜(1月10日放送)
▶︎ 第三夜(1月17日放送)
▶︎ 第五夜(1月31日放送)
株式会社 闇の著書
つねにすでに
梨/闇|ひろのぶと株式会社
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放送:毎週土曜 18:45〜19:00
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田中泰延
映画/本/クリエイティブ
1969年大阪生まれ。株式会社 電通でコピーライター/CMプランナーとして24年間勤務。2016年退職し「青年失業家」を自称し執筆活動を開始。2019年、文章術を解説する初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を上梓。16万部突破。2020年、印税2割スタート・最大5割の「累進印税™︎」を掲げる出版社 「ひろのぶと株式会社」 を創業。







