田中泰延が、日本を支える・日本を変える会社の社長をゲストにお迎えし、大いに主張していただき、お話を伺うラジオ大阪の番組「田中泰延のシャチョーとシュチョー」。
「街角のクリエイティブ」では、その放送をまとめてお届けします!
今回は2025年11月24日(月)〜28日(金)の放送の様子。
ゲストは、株式会社サークルチェンジ 代表取締役 高野信人さんと、CDOの安田瑞希さんのお二方です。

東京を中心にマルシェの運営を行うサークルチェンジ。2023年の創業ですが、その起業の経緯は波瀾万丈で……?!
なぜ起業されたのか、マルシェの魅力やサークルチェンジのDXの取り組み、一次産業への想い、そしてこれから目指すことを伺いました。
(構成・編集:廣瀬翼)
【目次】
【 プロフィール 】

高野信人 (たかの・のぶひと)
株式会社サークルチェンジ 代表取締役社長
1973年新潟県生まれ。勤めていた企業でカフェやセレクトショップ型マルシェの立ち上げに従事したことをきっかけに、全国の生産者と出会う中で食の面白さに目覚め、交通会館マルシェの運営を担う銀座農園株式会社(後にGINZAFARM)に転職。2023年4月、株式会社サークルチェンジを立ち上げ、代表取締役社長に就任。現在は、銀座・有楽町にある東京交通会館をはじめ、日本橋、大手町の3拠点でマルシェを運営している。
株式会社サークルチェンジ Web サイト:https://marche.circlechange.biz/

安田瑞希(やすだ・みずき)
株式会社サークルチェンジ 取締役CDO
1981年福岡県生まれ。公認会計士、シリアルアントレプレナー。2014年、先端農業に係わる全ての分野を手掛ける株式会社ファームシップを創業。年間数十億円の収益を生む企業へとグロースさせた後、2021年、SaaS事業とともにソフトウェア&事業開発支援を行うフレンズ株式会社を立ち上げ、20名超のグローバルエンジニアチームを率いる。活動の中でGINZAFIRMと出会い、2023年サークルチェンジの立ち上げを支援。CDOとしてマルシェ運営に関わるIT周りを一手に担う。実家は農家。好きな言葉は「異文化×相互貢献」。
* * *

田中泰延(たなか・ひろのぶ)
ひろのぶと株式会社 代表/コピーライター
1969年大阪生まれ。株式会社 電通でコピーライター/CMプランナーとして24年間勤務。2016年退職し「青年失業家」を自称し執筆活動を開始。2019年、文章術を解説する初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を上梓。16万部突破。2020年、印税2割スタート・最大5割の「累進印税™︎」を掲げる出版社「ひろのぶと株式会社」を創業。
生産者と直接のコミュニケーションを。サークルチェンジの運営する「マルシェ」とは?(11月24日放送より)
シャチョーとシュチョー初の2人出演
田中
今日お迎えする社長は、株式会社サークルチェンジ 代表取締役 高野信人さん。
高野さん
はい、よろしくお願いします。
田中
そしてもうお一方、株式会社サークルチェンジ 取締役CDO 安田瑞希さん。
安田さん
よろしくお願いします。
田中
今日はね、初めてのお二方来ていただくと。
安田さん
光栄です。
田中
偉いさんが2人ということでね。
高野さん
(笑)。
安田さん
(笑)。
田中
安田さんね、取締役“CDO”って何ですか、これ? 僕、CDプレイヤーは分かるんですけど。
安田さん
気づいちゃいました?
チーフ・デジタル・オフィサー(Chief Digital Officer)の略で。会社のデジタル化、IT周りを一手に担っていくという重責を担っています。
おまけっぽいけど、大事。
田中
なるほど、大事。
高野さんが社長で、安田さんはそのデジタル部門を仕切っておられるということで。
「マルシェ」とは?
田中
サークルチェンジというお名前の会社ですけど、お伺いしたところマルシェを運営すると。
高野さん
はい。
田中
そもそも、「マルシェ」って何ですか?
高野さん
すごく分かりやすく言うと、生産者さん、つまり自分たちで何か農産物をつくっている人が、ある商業施設なりのスペースで、自分でつくったものを自分で売りに来て一般のお客様に直接自分の想いを伝えながら販売する場所です。
田中
なるほど。「マルシェ」って、「市場」って意味ですよね。
高野さん
そうですね。フランス語の「マルシェ」からきていますね。
田中
いわゆる生産者さんが直接売りに来るというのは、フリーマーケットとかバザーとは違う。
高野さん
はい。
田中
どういう形態(の違い)なんですか?
高野さん
一応、いろんな定義があるみたいなんですけど、うちが考えているマルシェの定義は、まずは先ほど申し上げました、生産者さんが直接自分でつくったものを売りに来る。
田中
農家さんとか。
高野さん
そうですね。キャベツとかね、そういうものを。これがまず一つ。
それと、同時に生産者さんが、複数一緒に出る場所。
田中
その場所でたくさんの生産者さんが集まる。
高野さん
そうです、そうです。
もう一つあるのが、単発ではなく、定期的に。
田中
定期的、つまり1日限りとか、その週末だけとかではないやつ、という。
高野さん
はい、そうですね。
なので、その3つの要素の条件をクリアしたものを、僕らはマルシェと考えています。
田中
このサークルチェンジさんがやってらっしゃるマルシェという形態は、いつぐらいから広がったんですか?
高野さん
マルシェ自体の歴史は2009年からといわれていまして。
そこで国の政策*で、いわゆる生産者さんが直販する場所。スーパーマーケットさんとかに商品を卸すという形ではなくて、直接生産者さんが販売するという国の施策もありまして。
それがスタートしたのが、2009年になりますね。
※2009年7月にスタートした農林水産省による助成事業「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」。同年11月、事業仕分けによりマルシェ・ジャポン・プロジェクトは廃止となりましたが、このプロジェクトをきっかけに各地でのマルシェは継続して開催されるようになり、全国にマルシェが広がっていきました。
田中
僕ら、その前から農家さんや生産者さんの顔がちょっとずつ見えるようになってきたじゃないですか。
高野さん
はい、はい。
田中
バナナにも写真が貼ってある、キャベツにも写真が貼ってあるみたいなことがあるけれども。
マルシェの場合は、お客さんと「会われる」ということですよね。
高野さん
そうですね。本当に自分の商品を買ってくれる人に直接接点を持つ、ということですね。
サークルチェンジのマルシェの会場
田中
どんな場所でやってはるんですか?
高野さん
今、私どもサークルチェンジの会社としては、常時行っているマルシェは3つあるんですけど。
主なところは、東京の銀座と有楽町の重なっているエリアにある、「東京交通会館」という商業施設。
田中
みなさんこれ、大阪の方、知ってます?
有楽町の駅を降りたら、真っ白い建物で、上に丸い展望台が付いていて。あれ、グルングルン回っているんですかね?
高野さん
今は、回ってないんです(笑)。
田中
回らせたい、あれを! 回ってほしい(笑)!
でも、すごく特徴的な建物で。

田中
東京交通会館のロゴマークを見たんですよ。そうしたら、全く建物と同じマークが、そのまま印刷物になっていて。「そのまんまやん!」みたいな。
高野さん
そうですね。
東京交通会館という施設は、今年60周年を迎えていましてですね。60年前は最上階がグルグル回る展望レストランだったんですよね。
それが建物としての年数も経ってきたので、今は回らなくなっちゃったという。
田中
でも、建物自体は白くて綺麗で、全然古い感じはしないですけどね。
高野さん
そうですね。
でもやっぱり、昭和の建物なので、マルシェという中でいくと、懐かしい感じの建物の軒先で展開しています。
田中
その有楽町近くの、東京交通会館で1カ所やってはると。
その他は?
高野さん
その他はですね、東京の飯田橋というエリアなんですけども。
もしかしたら(大阪の方も)聞いたことあるかもしれないのが、すぐ隣が神楽坂。昔の東京の花街といわれてね、料亭とかオシャレなお店が並んでいるエリアのすぐ隣。
田中
神楽坂(飯田橋)でも常設でマルシェがあると。
高野さん
そうですね。
田中
あと1つは?
高野さん
あと1つは大手町といってですね、いわゆる金融の会社さんがいっぱい集まっている。
田中
東京のビジネス街ですよね。
高野さん
はい。ここは完全にオフィスワーカーの方々が集まる場所なので、そこでオフィスワーカーの方に向けてのマルシェというのがあります。
田中
なるほど。大手町ね、これ関西の方、分かります? 「大きい手の町」と書いて大手町なんですけど。
僕、最初東京に行った時に「ダイテチョウ」と読んでしまって。どんな町やねんって感じすよね。
高野さん
そうですね(笑)。
マルシェの運営が行うこととは?
田中
その3カ所で常設のマルシェがある他に、イベントとしてのマルシェもある?
高野さん
たまにですね、やっぱりありますね。これは不定期で開催するんですけれども。
例えばですね、日本橋とかですね。
田中
はい、大阪の日本橋(にっぽんばし)とはちゃいますよ。東京の日本橋(にほんばし)です。
高野さん
そうですね(笑)。
あと、少しニュースにもなりましたけど、オリンピックの選手村がそのまま住居になった晴海というエリア。ここでも単発でやらせてもらった実績はありますね。
田中
そのマルシェを運営する方法というか、どういうふうにサークルチェンジさんは関わってらっしゃるんですか?
高野さん
マルシェの仕組みとしては、商業施設さんだったり土地保有をしている方、大きく集客したいとかいろんなニーズがある建物・スペース所有者さんからスペース的にはごそっとお借りをしてですね。
そのスペースの中にブースといってですね、コマですね。
コマ割りして、そのコマを生産者さんたちに販売していくという形になっていますね。
田中
「ひとコマ買おうか、ここで農産物売ろうか」みたいな感じで、集まって来はると。
高野さん
そうですね。

放送:隔週 月〜金曜日 15:40ごろ〜







