アレルギーっ子がつくるフリーマガジンプロジェクト
こんにちは、こんばんは、おはようございます。
水曜の「街角diary」担当の廣瀬翼です。
突然ですが、こちらの動画をご覧ください。
……みなさん、みつけましたか?
廣瀬がおります!
日曜日、アレルギーっ子がクリエイターと一緒に自分たちで食物アレルギーの情報誌をつくるプロジェクト「アレハピ」の第1回ワークショップへ行ってきました。
今日は、ひろのぶと株式会社でも街クリでもラジオ大阪とも違う、そんな私個人の活動のお話です。
「アレハピ」とは?
「アレハピ」は、「アレルギーがあってもみんなハッピー」というメッセージを込めて、小学5年生の女の子がつけた名前。
食物アレルギーのある子どもたちが、自分たちの食べられる商品をつくっている企業やお店、商品について、大人たちと一緒に調べて、聞いて、フリーマガジン「アレハピ」をつくる活動です。構成も、文章も、大人スタッフと協力しながら自分たちで考えてつくっていきます。

「COLOMAGA project」という、こどもがつくるローカルマガジンプロジェクトの一つで、通常は地域の情報誌ですが、「アレハピ」は「食物アレルギー」にフォーカスしています。
今回は、2027年2月に発行する第2号をつくる、「第2回アレハピ」です。
そこに私も大人スタッフとして加わっています。
当事者の子どもたちが本当に知りたい情報って?
2025年2月に発行された創刊号では
- ◎卵不使用のマヨネーズ「エッグケア」を製造・販売するキユーピー株式会社
- ◎「森永 アレルギー“だから”がないLabo」のある森永製菓株式会社
- ◎「カレーの王子さま」はじめ、アレルゲンフリーな商品を複数展開するSB食品株式会社
- ◎グルテンフリーラーメンを販売するケンミン食品株式会社
- ◎卵・乳・小麦不使用の「豆乳アイスSoy」を製造・販売するクラシエ株式会社
に子どもたちが取材し、記事をつくっていました。
おもしろいのが、必ずしも食物アレルギー対応にだけにフォーカスした記事をつくっているわけではないこと。
例えば、森永製菓のページでは、一人の社員さんにフォーカス。彼のキャリアや仕事への想いが中心の記事でした。それが読みやすいし、より食物アレルギー対応について真摯に感じられる。きっと、大人だけが集まって「食物アレルギーに関する情報誌をつくるぞ!」と息巻いていたら生まれない記事だなぁと思います。
他にも、S&Bのページではオリジナルの「スパイス&ハーブソルト」をつくれるワークショップのレポートや「S&B杯ちびっ子健康マラソン大会」についてのコーナーも(ちなみに、「S&B杯ちびっ子健康マラソン大会」は、私も小学4年生の時に参加したことのあるマラソン大会。スタート時に足が引っかかってズッコケて下から2番目で競技場を出て行った思い出です)。
改めて、食物アレルギーがあるからといって、それだけが知りたい話ではないこと。子どもはもっと自由で多彩で多様で、“普通の楽しい情報の中に、食物アレルギーについての必要な情報も入っている”ことが大切なんだなと、初めて創刊号を見た時に感じました。
企業取材の他にも、防災イベントの取材、特定原材料28品目不使用のクッキー生地「Coloridoh」の紹介、乳・小麦・卵不使用のスイーツのあるお店「hal okada vegan patisserie」の紹介などのページも。子どもが自ら「ここに取材したい」と行ったところもあるそうです。
アレルギーっ子が感じていること
一方で、子どもたちがつくった記事には、日頃から周囲に感じていることやメッセージも詰まっていました。
防災イベントの取材記事がとても強いので、そのまま引用します。
食物アレルギーを持たない人へ
僕たちからのメッセージ
BOUSAIキャラバンのお客さんの中には、食物アレルギーを「自分には関係ない」と思っている人がたくさんいました。実際、僕たちアレハピメンバーの小学校の一部では食物アレルギー対応の防災食が常備されていませんでした。
身内や自分がアレルギーの人は防災食に興味があるけれど、アレルギーがない人や知らない人は興味がないのだと考えさせられました。
最近は災害が多く大きな地震がいつきてもおかしくないので、アレルギーの人は防災食も食べられる物が限られてしまうという事をもっと知ってほしいです。
被災地ではアレルギーの人が支援物資や炊き出しが食べられず困っていたと聞きました。
BOUSAIキャラバンは皆にアレルギーのことを伝えられる場所だと思います。なので、これからも積極的に参加していきたいです。
約8年ぶりに帰ってきた、食物アレルギー対応の世界
私は新卒で入ったお仕事が、食物アレルギー対応の旅行を運営する会社でした。
旅行って、3食すべてが外食。アレルギーがあると、知らない地でどんな食事があるか分からない旅行はハードルが上がってしまう。かといって、旅行なのに家からレトルト、あるいはいつものチェーン店というのも、ちょっと寂しい。
そこで、事前に旅行中にお出しする食事のメニューと原材料をお客様にお伝えし、お客様にご判断いただける環境を用意する。その食事も、乳・小麦・卵・そば・エビ・カニ・落花生の7品目は不使用で、調味料などの二次元材料までチェックしてお伝えする。
そんなアレルギー対応の旅行をつくり、そのお客様対応窓口を主に担当していました(その後、 食物アレルギー対応旅行の事業は私のいた会社から沖縄ツーリストに移っています)。
最初は食物アレルギーの知識も不十分でした。問い合わせの電話で「コンタミってどうなってますか?」と聞かれた時に「コンタミ」が「コンタミネーション」の話だとすぐには理解できず、「え、コンタミ分からないなら、いいです」と電話を切られ猛反省したことも(それが入社1週目の出来事でした)。
※ コンタミ:「コンタミネーション」の略。原材料としては使用していないアレルゲン物質が、製造工程や調理過程で意図せず混入してしまうこと
そんな私に分からないことを優しく根気強く教えてくれて、分からないことを責めることもなく、一緒に頑張ろうと支えてくれたのが、当時の社長と、そして各地の患者会のお父さん・お母さんたちでした。
「アレハピ」を主催・発行している「アレルギーっ子の旅する情報局CAT」の管理猫さんも、そんな当事者家族で一緒にお仕事をさせていただいた方の一人。友人としても私に接してくださって、仕事と関係なく一緒に遊びに行くこともよくありました。
そんな管理猫さんに「アレハピ」創刊号ができた時に声をかけていただいて、今年、大人スタッフとして参加することに。
でも、最初はちょっと迷ったんです。
私は、食物アレルギー対応の世界を離れた人だから。どこか、たくさん支えて教えてくれていたお母さんたちに引け目のようなものを感じていたところがありました。
それでも参加しようと思ったのは、「アレハピ」創刊号の発表会でお会いしたお母さんたちが、とっても笑顔で「以前、沖縄旅行に行った時、廣瀬さんに対応してもらいました! 楽しかったです!」とお話しくださったから。
すごく、ホッとしました。引け目を感じなくていいんだ、勝手に感じていたんだと思いました。
そんなお母さんがたのおかげで、ちょっと自分を赦せた気がします。
バラバラだったキャリアが、ひとつなぎになる
とはいえ、予想外の出来事が……。
いやぁ、「やります!」って言ったときは、まさか自分の活動拠点が大阪に移るとは思っていなかった。当時はまだ「ラジオ大阪」の「ラ」の字も(私の仕事の範囲に)出ていなかったのだから、そう考えると世の中のスピード感にびっくり仰天です。
ぶっちゃけ、しょうじき、たいへんです(笑)。
月1〜2回、東京へ。学生時代と違って移動したら移動した分だけ疲れを感じるようになってきたし、今はそもそも千手観音になりたい、いや千手観音になっても脳が複数ないとだからメデューサになりたいみたいな感じで、お仕事も手を回したいのに回りきっていないものもあって、このdiaryの後にはいろいろご連絡をせねば! がんばるんば! って感じです。
でもね、やります。
私にとって、この活動は自分自身をまるっと受容するのに、とっても大切な気がするから。
やっと、やっとこれまでバラバラだった、学生時代のキッズモデル撮影のアシスタント、ベトナムでの日本語を教えた半年、食物アレルギー対応旅行時代のお仕事、そして編集・ライターというこれまでの経験が、ひとつなぎになってくれる活動だから。
子どもたちを支える大人スタッフ——と言いながら、自分が学ぶことのほうが多いんじゃないかな、と予感しています。
これからも、ちょこちょこと子どもたちの様子など、また「街角diary」で紹介させてくださいませ!
アレルギーっ子たちの活動を応援してくれるサポーター大募集!
「アレハピ」では、食物アレルギーのある小学生〜中学生で活動しております。活動は、団体・個人様、企業様からのご協賛によって成り立っています。支援金は「アレハピ」の制作費、イベントPR費など、子どもたちの活動に充てさせていただきます。みなさまのご支援・ご協力を、何卒よろしくお願いいたします。
<詳細はメールまたはお問い合わせフォームへ>
メール: kids@childallergytrip.com
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廣瀬 翼
レポート / インタビュー
1992年生まれ、大阪出身。編集・ライター。学生時代にベトナムで日本語の先生を経験。食物アレルギー対応旅行の運営を経て、編集・ライターとなる。『全部を賭けない恋がはじまれば』が初の書籍編集。以降、ひろのぶと株式会社の書籍を担当。好きな本は『西の魔女が死んだ』(梨木香歩・著、新潮文庫)、好きな映画は『日日是好日』『プラダを着た悪魔』。忘れられないステージはシルヴィ・ギエムの『ボレロ』。





