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ゲスト糸井重里さん 第三夜【ラジオ大阪】田中泰延のふたりごと(2月21日放送)

田中泰延


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田中泰延が、いま会いたい人・話したい人と、聞きたいことを語るラジオ大阪の番組「田中泰延のふたりごと」。「街角のクリエイティブ」では、その放送の様子を記事化してお届けします。

今回は2026年2月21日(土)の放送の様子。株式会社ほぼ日 代表取締役会長・糸井重里さんがゲストの、第三夜です。

田中泰延も観に行ったほぼ日主催のコンサート「はじめてのシャンソン」の話から、次第に話題はほぼ日的発想へ。糸井さんの音楽に向き合う姿勢も垣間見えました。

それでは、引き続き糸井重里さんと田中泰延の“ふたりごと”を、ちょこっとのぞいてみましょう。

(執筆:稲本琢仙、編集:廣瀬翼)
※ 本記事は、ラジオ収録を元に再構成しています

糸井重里(いとい・しげさと)
株式会社ほぼ日 代表取締役会長

1948年生まれ、群馬県前橋市出身。1971年にコピーライターとしてデビュー。西武百貨店「不思議、大好き。」「おいしい生活。」など数々のキャッチコピーで一世を風靡、また作詞やエッセイ執筆、ゲーム制作など、幅広いジャンルでも活躍。1998年に毎日更新のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」創刊。『ほぼ日手帳』をはじめとする生活関連商品や、AR地球儀『ほぼ日のアースボール』、「人に会おう、話を聞こう。」をテーマにお届けする『ほぼ日の學校』などさまざまなコンテンツの企画開発を手がける。2017年東京証券取引所JASDAQ市場(現・スタンダード市場)に上場。著者に『インターネット的』(PHP文庫)、『すいません、ほぼ日の経営。』(川島蓉子さんとの共著、日経BP)、『生まれちゃった。』(ほぼ日)など多数。2025年12月、株式会社ほぼ日の社長を退任し、会長に就任。

X(旧Twitter):@itoi_shigesato

※ この番組は、「結果のわからないチャレンジャーを応援する」FIRST DOMINO株式会社の提供で放送されています。

「はじめての」音楽の話

また来ました

さて、今日のゲストです。株式会社ほぼ日 代表取締役会長 CEO 糸井重里さんです。

また来ました。よろしくお願いします。

たびたび大阪まで足をお運びいただき、この土曜日の夕方。本当に忙しいのにね。ありがとうございます。

コツがあるんですよ。

コツがあるんだ(笑)。

枠組みをとっぱらう、ほぼ日の「はじめての」シリーズ

あのね、前回のラストで、糸井さんが作詞された、前川清さんの「雪列車」をかけたんですけど。「ほぼ日と音楽」というものがあると思って。

僕、前川清さんは、もちろん子どもの頃からテレビとかで見ていたけど、「はじめての前川清」というほぼ日主催のコンサートに行って、もう、すごい感動したんですよ。

あの歌のうまさ。「生で聞いたらこんなんなんや!」っていうのがあって。

そしてさらに、つい最近は、なんとシャンソンのコンサート。 えーっ!?って思って。しかも歌ってらっしゃるのが、いわゆるシャンソンの方じゃなくて……。

演歌歌手の。

はい。お名前が神野美伽(しんの・みか)さん。本来は演歌歌手だけど、シャンソンを。コンサートに僕も伺って、めちゃくちゃ感動してね。

2025年11月15日(土)に開催された「神野美伽さんが歌うはじめてのシャンソン」
▶︎ほぼ日 開催の様子の記事はこちら

糸井さんは昔から音楽と深く関わってきたと思うんですけど、「音楽とほぼ日」というのも、なにか一つテーマがあるんでしょうか?

テーマはないんですけど、好きですよね。

いわゆる一般論的な枠組みで捉えられていてもったいないものを、「そうでもないよ」というのが、僕らの好きなことなんです。

「はじめての」シリーズは、最初「はじめての落語」から始まったんじゃないかな。「はじめての落語」「はじめてのジャズ」とやってきて、ひさしぶりに先日の「はじめてのシャンソン」をやりました。

歌い手の中では、ジャンルはぶっ飛んでいる

今って、イヤホンとかヘッドホンで音楽を聴くようになったでしょう。そうすると、昔のオンエアで聴いていたよりも、バックの演奏がよく聞こえるんですよ。

なるほど。

歌謡曲も腕のいいミュージシャンがバックをやっているわけで。ドラムが良かったり、ベースが良かったりしているんですよ。それをもっと味わってほしいなという思いが僕の中にあったんです。

前川さんのことは以前から見ていたので、これは前川さんにも通じる話じゃないかなと思って。泰延さんもいらっしゃった「はじめての前川清」のバンドは、ほとんどロックバンドの方でしたから。

それが一緒にリハーサルをして、あれだけのものをつくって、前川さんも気持ちよかったって言ってましたね。もともとプレスリー(エルヴィス・プレスリー)をやりたかった人ですから。

ほぼ日「はじめての前川清」告知ページより

そうなんや! へ〜!

神野美伽さんもシャンソンはずっと馴染んでいたはずだし。演歌歌手だけど、ロックやハードロックの人とか、実はいっぱいいますからね。

だから、歌い手の中ではジャンルって、ぶっ飛んじゃってる。それをお客さんがもっと一緒に楽しめたらいいのになと思っていて。

ほぼ日的な音楽のつかい方は、そういう発想かな。

今ね、糸井さんおっしゃった中で、「ほぼ日的」っていう言葉。

「みんなはこう思ってるかもしれないけど、実はそうでもないよ」っていう。そこをピックアップすることなんでしょうね。

ああ、みんなそうかもしれないですね。

みんなが思っているよりずっと真面目

たとえば『LIFE』っていう料理本のシリーズがあるんですけど。

2009年に第1巻が発売されて以来、シリーズ累計36万部となっているフードスタイリスト飯島奈美さんの料理本『LIFE』。2023年、7冊目となる『LIFE 12か月』が刊行。

料理って適当でいいんですとか、ここは目分量ですとかっていうのが料理の根本だって言う人はいっぱいいるんだけど、いやいや、時間や分量をきっちり守ったら、まったく同じものがつくれるよっていう本が『LIFE』シリーズなんですよ。

料理をしている飯島奈美さんが、自分で「ここはもう1グラム必要だったな」というのを何回も試して、数字でパチンと出して。まずはこれでやってみてくださいと。

本当はみんなが嫌がることなんですけどね、うるさいなって。

だいたいでつくったらいいじゃないってなりがちだけど、そうじゃないと。

じゃない。これで一回つくると、飯島さんが美味しいと思っている料理ができる。

そこからいろいろ適当にしてもいいから、という。

なるほど。

飯島さんは映画のフードスタイリストもされている方なので、『LIFE』でカチッっとしたレシピを覚えて、お客さんが来たときにそれをつくるのよ、とかいう人も多いです。

なおかつ、最初の『LIFE』の本が出た時の表紙は、おにぎりです。

あ、おにぎり。

LIFE』発売初期のカバー(画像出典:ほぼ日)

(凝った)料理じゃなく、ただのおにぎりを出してますっていう。それは今言ったの「ほぼ日的」なやり方ですよね。

集中すると、人は見えなくなる

聞いてください、ラジオ聴いてる人。

この間、糸井さんと矢野顕子さんのコンサートに行ったの。そしたら僕の隣が飯島奈美さんで、飯島さんは俺越しに糸井さんに結構話しかけてるけど、糸井さんずっとステージを見てるから気がつかないの。

終わったあとに飯島さんいたの? って言って(笑)。

実は、昨日も飯島さんに会って(笑)。

もうね、すごい。こっちに集中したらまるで目に入ってなくて。

そういうこと、あるんですよ。隣に立川志の輔さんがいて。帰ってから、僕は娘と行っていたんだけど、「志の輔さんいたね」って娘が。

それはひどい(笑)。

すごくでかい男がいると思ってたんだけど(笑)。志の輔さんも気づかなかったらしい。

ああ、そうですか。

ひどいですね、それは。

だから矢野顕子さんのコンサートでも思ったけど、糸井さんは音楽を聴くときも、やっぱり集中しているんですよ。

そういうときも、ある。

ときもある(笑)。

あるんじゃないかなぁ。意識がばらける人なんでね、もともとは。

一個の仕事を集中してやる時間は、秒単位で短いんじゃないですかね。絶えず余計なことを考えてる(笑)。

そうか。

その意味では、しゃべるのは、文節が途切れるから、まとめて考えるいい機会なんだと思います。しゃべってると、違う話しすると、気づくからね。

はい、はい。

だから一人でほっとかれたときのほうが、意識がばらけてるんじゃないですかね。

おしゃべりすることの不思議

しゃべるって、本当に。今、ラジオで二人でお話ししてますけど、しゃべっていると何かの議題について話しているようで、ふとした瞬間、「あれ、頭真っ白になってるな」とか。

自分でしゃべり始めたけど、「これは噛み合ってないことをしゃべり始めたな」とか。これって会話の難しいところだけど、おもしろいところでもあるなと。

なんで出ちゃうんですかね、言葉が。「私は」って言ったときに、「今日お天気が」とは言わないじゃないですか。

はいはい、はい。

なんかごまかすにしても、言えちゃうじゃないですか。

そうなんですよ。

こんなに頭のいい生物は、他にいないですよ。

とりあえず、言えてしまう(笑)。

犬にはできないですよね。

できない、できない。

今日の曲紹介| 玉置浩二「メロディー」

今日はもう、最初の話がなにかもうまったく忘れてましたけど、歌が上手い人の話だったんですよ。そんな歌の上手いといえば、究極の。

今日の糸井さんからのリクエスト曲、玉置浩二さんの「メロディー」

この人はなんていうか、この言い方どうかわかんないけど、「歌バカ一代」でしょ。

それをみんなに気づかれていない時代があるんですよ。

そっか〜。

僕は玉置浩二を応援し続けているんですが、今はみんなが認めちゃって。今度は逆に、いつ行ってもコンサートは混んでてしょうがない。

混んでて(笑)。

30歳くらいの時に「僕、最近バラードを歌えるようになったんですよ」って自慢しに来たことがあるんですよ。

それまで歌えてないと思ってたわけ? って聞きたいぐらいすでに、上手かったのに。だから彼の中では、段階を踏んで上手くなっていってるんでしょうね。いいですよね。

聴いてもらいましょう。玉置浩二で「メロディー」。

おまけのトーク

歌い出しからいいもんね。

いきなり、上手い。

僕とほぼ日の山下さんは、これをカラオケで取り合いしてます。

カラオケで? 難しいでしょう、この曲は。

いくつもバージョンがあるんですよね。配信されている曲には。

田中さんもこれ持ち歌にしたくなるでしょ。

そうね。

取り合いですよ。

これ、確か詩も自分(玉置浩二自身)じゃないかな?

ああ、そうですか。

玉置浩二「メロディー」おわり♪

いやー、いい歌やなぁ。上手すぎでしょう。

ということで、玉置浩二「メロディー」を聴いていただいたところで、本日のゲストは糸井重里さんでした。

さみしいです!

今日はね、今日のところはこの辺で勘弁したろかっていうことで。

絶対また来ます。

ありがとうございます。


LIFE

LIFE
飯島奈美|ほぼ日ブックス


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    1969年大阪生まれ。株式会社 電通でコピーライター/CMプランナーとして24年間勤務。2016年退職し「青年失業家」を自称し執筆活動を開始。2019年、文章術を解説する初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を上梓。16万部突破。2020年、印税2割スタート・最大5割の「累進印税™︎」を掲げる出版社 「ひろのぶと株式会社」 を創業。