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2026年5月21日「街角diary」上田豪がお届けします。

上田 豪


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ちょいと気になる㊱

おはこんばんちは。
広告探偵の上田豪です。

はい、みなさん。
今週もうっかり木曜日がやってまいりました。

ちなみに今日5月21日はね、「探偵の日」なんだって。
日本で初めて探偵業の広告が新聞に掲載されたからなんだそうです。

そんでもって探偵といえばやっぱりこのドラマですよね。


このドラマはね、もう何度観ても飽きないね。名作すぎる。
ちなみに出演している松田優作や成田三樹夫はもちろんですが、アントニオ猪木ファンとか抜きにしてもやっぱり倍賞美津子、最高です。

あ、倍賞美津子のいい女っぷりが観られるといえばこれも最高。
サプライズに猪木が狼狽えてるとこが微笑ましい。


それとね、
今日はなんと、あの「ボン・ジョヴィ」の日でもあるんだって。


ボン・ジョヴィといえば、日本のバラエティ番組で書かされたジョン・ボン・ジョヴィ直筆の書が高値で落札されたり、


また、近年はボン・ジョヴィの曲で盆踊りをする「盆ジョヴィ」なんて冗談みたいなイベントもあるくらい、みなさんお馴染みのスーパーロックバンド。


でね。冗談みたいなイベントといえば、なんの脈絡もなくいきなり告知になるわけなんだけど、またしてもあのトークライブをやるみたいです。まさかの第3弾。

「コンプライアンスなんてぶっ飛ばせ 3」
日時:2026年7月14日(火)19:30〜 
場所:阿佐ヶ谷ロフトA
出演:よけいおじさん(オケタニ教授・上田豪)
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/355246

普段サシ飲みで二人で話しているあんなことやこんなこと(格闘技、野球、特撮、昭和ドラマなどなど)を生暖かい目で覗き見するようなトークイベントです。配信なしだからできる大っぴらに話せない内容を現場で目撃してください!きてねー。


というわけで、今日も「いま何を読まされたんだろう」という読後感を味わえる木曜日。

例によって今週も見切り発車で着地点の見えない旅へ。


*****

さて。


みなさんは「暗殺者のパスタ」をご存知だろうか。

映画や小説のタイトルなどではない。
れっきとした料理の名前なのである。

インパクトの強い名前のついたこのパスタは、いわゆる普通のパスタの作り方とは違うわけ。

主な違いは以下の3点。

●麺を別茹でしない。つまりひとつのフライパン(ワンパン)でつくる。
●麺をフライパンで焼く。
●トマトソースを吸わせながら焦がす。

ひとことで言えば
「フライパンで焼き殺すように作る、殺人的に辛く、血を連想させる濃い赤が物騒な雰囲気を醸し出すトマトソースのパスタ」ということになる。

ついでにその作り方をざっくり言うと、

①熱したフライパンにオリーブオイルをひき、刻んだ大蒜と輪切りにした唐辛子を炒める

②大蒜がきつね色になったら刻んだ玉ねぎを投入し炒める

③トマトソースをうっすら入れる

④そこに乾麺のスパゲッティを二つ折りにし投入

⑤トマトスープを少しずつ足しながら麺を焦がすように焼く

⑥さらにトマトスープを足し麺がパリパリ&モチモチになるまで水分を飛ばしたら完成

最大のポイントは、焼きながら煮る調理法。焼き焦がした麺の表面はカリッとしつつ、中は芯が少し残った独特の食感になっちゃう。

この焼き焦がした苦味のある麺とソースのコクを楽しむ暴力的な香りのするパスタは、不意に食べたい衝動に襲われる時があるのだ。


*****

数日前。

いつものように終電での道すがら、俺は帰ったら何を食べようか考えていた。

食べたいものを作るための食材が冷蔵庫になければ駅前の西友で調達する必要があるので、最寄駅に着くまでに何を作って食べるかを決めなければならない。これは俺の毎晩のルーティンなのだ。

ちなみにプロのヒモを標榜している俺からすると、冷蔵庫に何がストックされているかは大体頭に入っている。

そうだ。久しぶりに「暗殺者のパスタ」でも作るか。と思いついたものの、そこでちょいと気になっちまった。

「暗殺者のパスタ」があるのなら「乗り過ごし者(もの)のパスタ」ってやつがあってもいいんじゃねえかということに。

「世の中にそれがなければ自分作ればいいじゃねえか」と決断するまでに時間は必要なかった。とはいえ、それをどう作ればいいのか。

俺が乗っている丸の内線方南町行きはまだ四谷あたりだ。考える時間はある。

具体的なレシピを考える前にゴールイメージを掴みたい。まずはその手掛かりとなるキーワードを考えはじめた。コンセプトが大事なのはデザインも料理も同じなのだ。

●深夜でも作れる
●時間の経過を感じる
●投げやり感(諦め・妥協)
●偶然性
●残り物
●苦味と辛味
●癖になる
●なぜだかしみじみ美味い

まあ、こんなとこだろう。


というわけで、

「乗り過ごし者のパスタ」を考えるにあたって一番大事なことは、「計画性のある料理に見えてはいけない」という結論に達した。計画性のある乗り過ごしなどない。それはただの旅だ。

その結論に至った時、中野坂上で乗り換えなければならないはずの俺はすでに中野新橋まで連れ去られていた。荻窪行きじゃなかった……。

乗り過ごした時は縦書きで駅名をポストするのが「乗り過ごし者」のルール。


*****

どうにか帰宅。

中野新橋からリカバリーして荻窪で中央線に乗り換え帰宅するまでの間に、結論づけた方向性に沿う形で「乗り過ごし者のパスタ」のレシピを考えた。

一瞬、「冷蔵庫にある残り物で適当に作ればいいんじゃねえか?」と思ったものの、「乗り過ごし者のパスタ」と名付ける以上は、誰でも再現性のあるレシピにする必要がある。

そして、そもそもこんなくだらないことを考えるきっかけとなった「暗殺者のパスタ」に敬意を示すことも必要だと思い、以下のように作ることに決めた。

◎「乗り過ごし者のパスタ」レシピ


①熱したフライパンにオリーブオイルをひき、刻んだ大蒜と輪切りにした唐辛子を炒める

②大蒜がきつね色になったら刻んだ玉ねぎを投入し炒める

※ここまでは「暗殺者のパスタ」と同じ

③残り物のカレーに麺つゆと水を足して適度に伸ばす

④伸ばしたカレーをうっすらフライパンに入れる

⑤そこに乾麺のスパゲッティを二つ折りにし投入

⑥カレーを少しずつ足しながら麺を焦がすように焼く

⑦さらにカレーを足し麺がパリパリ&モチモチになるまで水分を飛ばす

⑧火を止め卵黄を落として全体に混ぜたら完成

あ、そうそう。フライパンの火は強火が基本な。


*****

これがね、実際に作ってみたら美味いのよマジで。


え?なんでカレーなのかって?

そりゃあもちろん「華麗に乗り過ごす」とか、「乗り過ごしお疲れさま」とか、「私の彼は左きき」とか、ズバリいって駄洒落に決まってるじゃねえか。

……。


そもそも残り物のカレーが毎晩あるのかよとか、そもそもカレー自体が美味いんじゃないのかとか、多分みなさんのおっしゃる通りなんだけど、それはそうとよく考えてもらいたい。

残り物のカレーをリメイクすると考えた時、カレーうどんとか、カレードリアとか、カレーコロッケとか、そんなもんでしょ。

この「乗り過ごし者パスタ」は残ったカレーのリメイク問題という世界的な課題解決に一石を投じる料理なわけですよ。なので、もし残り物のカレーがあったらぜひ作ってみてください。


乗り過ごしはスタイルである。Missmystop
https://bsc.paintory.com/


どうでもいいか。どうでもいいな。

 

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  • 上田 豪 広告・デザイン/乗り過ごし/晩酌/クリエイティブ


    1969年東京生まれ フリーランスのアートディレクター/クリエイティブディレクター/ ひろのぶと株式会社 アートディレクター/中学硬式野球チーム代表/Missmystop