田中泰延が、いま会いたい人・話したい人と、聞きたいことを語るラジオ大阪の番組「田中泰延のふたりごと」。「街角のクリエイティブ」では、その放送の様子を記事化してお届けします。
今回は2026年1月3日(土)の放送の様子。1月の放送のゲストは、株式会社 闇 代表取締役社長CEOの荒井ジョースケさんです。

ひろのぶと株式会社から刊行されたネット怪談『つねにすでに』の著者でもある、株式会社闇。実は、荒井さんと田中泰延はそれ以前から交流がありました。出会いはベートーヴェンの『第九』なのだとか。
さあ、荒井ジョースケさんと田中泰延の“ふたりごと”を、ちょこっとのぞいてみましょう。
(構成・編集:廣瀬翼)
【 ゲストのプロフィール 】

荒井ジョースケ(あらい・じょーすけ)
株式会社闇 代表取締役社長CEO
1996年 毎日放送入社。同事業局事業部プロデューサーとして、『梅田お化け屋敷シリーズ』『ウメダ☆アイスリンクつるんつるん』、京都岡崎音楽祭『OKAZAKI LOOPS』などを企画。過去には『サントリー1万人の第九』などもプロデュースした。2019年6月より株式会社闇 代表取締役社長CEO。
X(旧Twitter):@jyosukearai
株式会社闇 Webサイト:https://death.co.jp/
ホラーから『第九』まで
【今夜のお話】
株式会社闇とひろのぶと株式会社
田中
みなさん、あけましておめでとうございます。
「田中泰延のふたりごと」、今年(2026年)初めての放送。
今日のゲストは、株式会社闇 代表取締役社長CEO 荒井ジョースケさんです。ようこそ、いらっしゃいました。
荒井
おめでとうございます。お正月ですね。
田中
もうね、お正月のおめでたい1回目の放送に、株式会社「闇」。
荒井
ちょっと、いいんですかね〜?
田中
闇ですよ(笑)。
荒井
あまりにも、めでたくない感じの社名で恐縮です。
田中
(笑)。
あのね、「闇」って、ラジオなのでお伝えしますと、一文字の、門がまえに音って書く、暗闇の闇。あれが、会社名なんですよ。株式会社闇。どういう会社なんだっていうことなんですけど。
実は、株式会社闇さんは、私の出版社・ひろのぶと株式会社から、『つねにすでに』という本を出していただきまして。
荒井
はい。たいへんお世話になっております、ありがとうございます!
田中
たいへん売れまして、ありがとうございます。
荒井
ありがとうございます!
田中
その話もまた追い追い(お聞きしていく)なんですが。
ホラーをエンタメのメインストリームに。「闇」は怖いことを考える会社
田中
僕も全体像がわかっていないところがあるんですけど、株式会社闇。どういう会社なんですか?
荒井
これはですね。とにかくホラーで、どこまでいけるのかということを、チャレンジしている会社です。
田中
とにかくホラー!
荒井
ホラーって実は、世界的には人気のあるジャンルなんですよね。
田中
うん、うん。
荒井
なんですけど、日本ではちょっと違うかなというか、サブカル的に見られがちなジャンルだったりとか。好きな人はすごく好きなんですけど。
田中
ええ、ええ。
荒井
ただ世界に行けば、本当にエンタメのメインストリームで。圧倒的な、多くの方が見るエンタメなんで。
僕らとしても、もっと日本でもホラーが市民権というか、当たり前に楽しめる環境になったらいいなと思いつつ、とはいえとんがった物をつくっていこうということで、日々、怖いことを考えています、という会社です。
田中
怖いことを考える。具体的なアウトプットというか、怖さのできたものっていうのは、どういうものがあるんですか?
荒井
先ほどあった本(『つねにすでに』)もそうですけど。
今は、体験。コロナ禍も終わったのでね、リアルなことをやっていこうということで、展覧会のイベントをたくさんやったりしていますし、お化け屋敷もつくったりもしますしということで。
ちょっと今は、実際にお客さんと直接、接せられるような場をどんどんつくっていって、お客さんのキャーキャー言っている姿を見るのが楽しいかな、という感じですね。
近年のホラーに見られる2つの“怖さ”
田中
展覧会ね、私も2つお伺いしまして。
荒井
ありがとうございます。
田中
「行方不明展」。それから、直近だと「恐怖心展」。
田中
これがね、めちゃくちゃ怖いんですけど、ものすごく知的な怖さなんですよね。なんか、ギャー! とか怖がらされるじゃなくて。
荒井
そうなんです、そうなんですよ。
田中
よく展示物の説明を見て、よく見ると、これはジワジワと恐ろしいという。
荒井
そうですね。僕らがやりたいホラーってやっぱり、2つくらいあるかなと思ってるんですけど。
1つはわかりやすく、業界では「ジャンプスケア」っていう言葉があるんですけど。
田中
ジャンプスケア。
荒井
大きな音が鳴ったりとか、衝撃的な映像だったりとか。
田中
「ウギャ〜ッ」ってやつですよね。
荒井
っていう、わかりやすい。まあ、お化け屋敷とか楽しいですよね。遊園地だったらジェットコースター的な領域だなと思ってるんですけど。
田中
はい。
荒井
もう1つ最近すごく人気があるのが、少し考えると「あれ?」って思ったりとか、「あれ、こういうことじゃない?」みたいなことを、みんなでワイワイやりながら。
自分の脳みそを、僕らはよく「脳みそを暴走させる」って言うんですけど。
ユーザーの方が勝手に怖がると言ったらアレ(ちょっと違うん)ですけど、そこにそれぞれの解釈だったりとか考えが入ってきて、それをまた共有するという楽しみ方。っていうのが、提供しているもう1つの価値かなと思っていますね。
田中
なるほど。
荒井
ただこれ、なかなか難しいんですけどね。
田中
ただその後者の、すごく知的な冒険としての怖さって、今SNSがあるから。
荒井
そうですね。
田中
「この怖さ、みんなわかった?」っていう共有が、結構盛り上がるっていうか。
荒井
そうです、そうです。
だから、つくったほうと、まったく違う意図で広がったりとか。「あ、そんなふうに感じるのね!」みたいなことがあるっていうことを、担当のプロデューサーとかよく言っていますね。
田中
なるほど。
荒井
それはそれで、おもしろいと思うんですよね。答えは1個じゃないと思いますし。
MBS毎日放送の局員でもある荒井さん
田中
荒井ジョースケさんは株式会社闇の社長なんですが、実は今日これOBCラジオ大阪から放送していますが。なんと、MBS毎日放送の方でもいらっしゃる。
荒井
はい。本当にいいのかなと思って、一応会社(MBS)にも「出るよ」と言ってきたんですけど。
田中
はい(笑)。
荒井
先ほどご紹介いただいた株式会社闇は、実は今MBSのグループ会社になっています。
ということで、サラリーマン的に言うと、いわゆる出向という形で僕は今、闇の社長をしているんで。
田中
ええ。
荒井
ちょっと久しぶりに会う方とかは「もうMBS辞めたの?」と言われちゃうんですけど、全然辞めてなくてですね、MBS LOVEなんですけど。
ちょっと変わった形のサラリーマン生活をしているという感じです。
田中
なるほど。
でも、さっきね、怖さにいろいろあって「ジャンプスケア」っておっしゃいましたけど。
僕は、荒井ジョースケさんがMBS時代にプロデュースされたお化け屋敷にご招待を受けて。
荒井
そうでしたね。
田中
もうね、誰よりも叫びましたからね。あんな怖い思いをしたのは……(笑)。もう、今でも思い出せますよ。
荒井
もう、最高のお客さんでしたね、泰延さんは。
田中
お化け屋敷の外から僕の叫び声が聞こえたっていうんですから(笑)。
怖がることは、気持ちがいい
荒井
あの体験、僕自身もベースですよね。
お客さんが怖いことを体験して、どういうふうに思われるかなと思ったんですけど。
泰延さんを筆頭に、みなさん終わったあと、笑顔で出てくるんですよね。
田中
はい、そう(笑)。
荒井
なにかすごいことをやり遂げたかのようなね。
田中
なんかね、大きい声も出すし。怖がると、気持ちがいいんですよね。
荒井
うん、うん。なので、爽快感もあってっていうことで。
「あ、こんなに喜んでもらえるんだ」という部分が手応えとしてあったのが、今でもやっている一つの理由かもしれないですね。
田中
なるほど〜!
荒井
いいことしてるかなとすら、思ってますね。
田中
わかる〜!
僕ね、2回(荒井さんがプロデュースしたお化け屋敷に)入れさせてもらったんですけど、2回目は知り合いを連れて行って、その彼が怖がるのをわかっているから、それがまた楽しいんですよね。
荒井
いや、いいですよね。
いろんな人と何回も行けるっていうのが、実はおもしろさかもしれないです。
荒井さんと田中泰延の出会いは『第九』
田中
そんなMBSの社員でもある荒井社長が、実は田中と出会ったのは、これまたMBSの巨大イベントでもある、あの「サントリー1万人の第九」。
荒井
そうなんですよね。
年末に、12月の第一日曜日ですかね、30年以上やっているというイベントで。大阪城ホールに集まって1万人で『第九』を歌うというような、年末の風物詩です。

※サントリー 1万人の第九:MBS主催。1983年に大阪城築城400年を記念し、大阪城ホールで開催。以降毎年12月の第一日曜日に行われている。一般公募などから1万人規模の合唱団を結成し、ベートーヴェン『交響曲第9番』を演奏する。コロナ禍では、合唱団のリモート接続参加での開催もあった。初期は山本直純氏が指揮を務め、第17回公演の1999年からは佐渡裕氏が指揮者となり、「サントリー1万人の第九」の顔になっている。(画像出典:PR TIMES)
荒井
そこのプロデューサーも、7〜8年ですかね、やっていまして。その時ですよね。
田中
その時。
荒井
泰延さんが『第九』にハマっていただいて。
田中
そうなんですよ。
※ その後、田中は「田中泰延のエンタメ新党」で『歓喜の歌』を衝撃的な大阪弁訳にして解説。さらに、「ほぼ日の学校」で『第九』について佐渡裕さんにお話をうかがう機会も生まれました。
佐渡裕さんの指揮で、壮大なイベントなんですが。僕は合唱団の一員として、テノールとして参加して『歓喜の歌』を歌うんですが。

田中
その中で、MBSの荒井さんから僕に、「サントリー1万人の第九」のテレビCMとかWeb CMをつくりましょうという話で、僕当時は電通にいたので、お声がけいただいて、お付き合いが始まった。
さっき、いつやったかな〜って聞いたら、なんと、2001年。
荒井
そうですよね。最初は本当にそこですよね。
田中
もう、四半世紀(笑)。
荒井
あっという間ですね、あっという間。
田中
あっという間。
今日の曲紹介| 平原綾香「LOVE STORY 交響曲第9番 第3楽章」
田中
「サントリー1万人の第九」ということで、ベートーヴェンのメロディを、そのイベントの中でプロデューサーの荒井さんと(参加者の)みなさんでつくっていかれた。
荒井
そうですね。もう、泰延さんのほうが僕よりもはるかに『第九』についてはお詳しいんですけど。
田中
(笑)。
荒井
4つ楽章がある中で、第4楽章が大合唱のところなんですけども。
実はそれ以外にもすごく聴きどころがあるよねっていう部分で。
田中
はい。
荒井
世界一美しいメロディと言われているんですけども、第3楽章にフィーチャーして。
田中
はい、合唱団がみんな美しすぎて寝るやつ。
荒井
そうそう、そうそう。ウトウトしちゃうんですよね。
田中
ウトウトする(笑)。
荒井
そこに歌詞を付けて歌っていただこうという企画をやったのが、この曲です。
田中
平原綾香さんで、素晴らしい歌唱でベートーヴェンのメロディを歌にしてくださったということで、聴いてもらいましょうか。
平原綾香「LOVE STORY 交響曲第9番 第3楽章」
おまけトーク
♪平原綾香「LOVE STORY 交響曲第9番 第3楽章」再生中♪
田中
僕これ、佐渡さんの指揮で、城ホールで聴けてよかったですわ。これ、2011年やもんね。
荒井
そうですよね、東日本大震災の年だったんですよね。
田中
震災の。そうかぁ。
♪平原綾香「LOVE STORY 交響曲第9番 第3楽章」おわり♪
田中
いや、美しいですね。
荒井
どうですか、寝なかったですか? 大丈夫ですか?
田中
(笑)。いや、これね、平原さんの歌声だと、寝ない(笑)。
荒井
ですよね。
田中
オーケストラ、佐渡さんが一生懸命振っていても、やっぱり美しすぎて寝てしまうんですけど。
荒井
気持ちいいですよね〜、素敵なメロディなんで。
田中
いやぁ〜、いい曲。そんな荒井さんとの出会いも含めて、来週もお話をうかがっていきたいと思います。
<来週も引き続き荒井ジョースケさんをゲストにお迎えします>
【 荒井ジョースケさんゲストの回 】
▶︎ 第二夜(1月10日放送予定)
▶︎ 第三夜(1月17日放送予定)
▶︎ 第四夜(1月24日放送予定)
▶︎ 第五夜(1月31日放送予定)
株式会社闇の著書
つねにすでに
梨/闇|ひろのぶと株式会社
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放送:毎週土曜 18:45〜19:00
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