「いい人」と、「混ざる」ということ。ほぼ日が語る“人”の話(1月30日放送より)
ほぼ日の「いい人募集。」
田中
ここまでの話でね、小泉社長が会社の経営者としての僕に、一番大事なことを教えてくださいって言ったら、「人」とおっしゃった。
小泉さん
はい。
田中
これ、すごく大事な話。
ほぼ日さんね、「いい人募集。」っていうのをずっとやってこられて。2015年に、「いい人募集。」、それから2017年、「いい人、もっと募集。」と。

田中
つまり、人っていうものに、来てもらう、出会う、一緒に働く。(社員のことを)乗組員ってほぼ日さん言うけど、乗り組んでもらう。
小泉さん
はい、そうですね。
田中
これはちょっとほかの会社と違う。人への想いがあるなと思うんですけど。
小泉さん
私たちどちらかというと、機能で人を探すってことはほとんどしてこなくて。「いい人募集。」っていうのも、糸井が名付けたタイトルなんですけれども。
なんて言うんでしょうかね……ちょっとあの人の力を借りたいなとか、この人ここにいてくれたらいいのになとか。よく糸井が言うのが、何もしなくてもいてくれたら、その場がちょっとよくなるみたいな人もいますし。
人って必ずしも、いわゆるすごく仕事ができるからいいかどうかって、一概に言えないっていうところに「いい人」っていう総体としての名付けがあったと思うんですけど。あんまり機能では、うちは採用しないですね。
田中
人を機能で分けるんじゃないと。
小泉さん
はい。やれる人は何でもできますね。
田中
あ、そっか。
糸井さん
あはは、身もふたもなく言えば、そうですね。
その時持っている機能だけでは、すぐ尽きてしまう
田中
そっかそっか。いい人だったらこれを一緒にやろうよって言ったら、それなりに頑張れるもんだしね。
小泉さん
あと未経験のことでもなんとかしますね。そういう人ってやっぱりいますよね。
田中
僕それだけはね、小泉さんにも糸井さんにも「いい人と会社やってるんだよ」「いい人がそばにいます」って、それだけは自信持って言えます。ほんまに幸せ俺はいま。
小泉さん
ああ、よかった! それは本当にすごいことだと思います。
糸井さん
(ひろのぶと株式会社の様子)見てますよ、見てますよ。
田中
聞いてるか? 加納、廣瀬、豪さん、聞いてるか〜?! ……(放送を)私物化してどうする(笑)。
糸井さん
明らかに育ってますよね。
田中
あぁ、本当に。
小泉さん
本当に、それが何よりも財産だと思いますね。
糸井さん
大学で、4年間ナニナニについて研究してきましたとか、勉強してきましたって、理科系のタイプのことはまた別だけど、一般的には2年しかやってないんですよ。
で、2年大学で先生に教わりながらやってたことっていうのに匹敵することは、実践しながら2年やったらもっと上手になるんですよ。
田中
ああ、そうかぁ。
糸井さん
そう考えたら、機能で入ってきた人なんかが、すぐ寿命尽きちゃうんですよ、その時に持ってる機能だけだったら。
田中
そうね。人間って種類に分けて利用するものじゃないはずじゃないですか。
小泉さん
はい。
田中
そっかそっか。いやぁ、ええ話聞いてしもたなあ。
デジタルとアナログは、混ざっている
田中
そんなね、会長と社長で役割をこれから(分担して)もっともっとやっていくお二人ですけど。
ほぼ日の、これから。アイデアがいっぱいあると思うんですけど。
最近だとね、手帳をずっとやってきたほぼ日が、「ほぼ日手帳アプリ」。これスマホのアプリで僕も入れているけど。
糸井さん
はい。
田中
これ、一周回って(手帳からデジタルというのは)どういうことでこれが? 糸井さん。

糸井さん
わはは。あの、デジタルとアナログって分け方をすると、アプリはデジタルで、(手帳のアナログと)反対じゃないかって思うんだけど。
自分の生活考えればわかるんですけど、自分がデジタルでやってることとアナログでやってることは混ざってるんですよね。
田中
はい。
糸井さん
たとえば人間が存在すること自体、デジタルではないじゃないですか。でも何か知識を受け渡したりすることはデジタルでできますよね。
でも、たとえば思いやりだとか、あの人に愛されたとか。それはデジタルじゃない。
田中
ええ。
糸井さん
(人間にはデジタルとアナログが)ものすごく入り組んで混じっていて、ある一部分をデジタルに任せてもできることが、どんどん増えていっているのが今なんで。
その意味では、アプリ、デジタルでできることは、アナログのほぼ日手帳の役に立つんですよ。
田中
なるほど!
糸井さん
黙って何にも見なくても、1日に一回だけ、今日は何だっけなって見れるものがあれば、そこからまたほぼ日手帳を書くことができるし。
ということで、どっちかだけじゃなくて。「あんなのいらないよ」って言わないで、手伝い合えるんですよね。
それを今、「汽水域」っていう言い方をしていたりします。
田中
汽水域。
※ 河口から流れ込む淡水と海水が混ざり合った「汽水」が占める水域。栄養が豊富で、ウナギやシジミなど多くの魚介類にとって重要な「保育場」となる。
糸井さん
あるいは水と油、サラダドレッシングをつくるときに乳化させるでしょう。
田中
はい、混ざらせて。
糸井さん
「乳化」っていうのをキーワードにして、今デジタルとアナログを(考えています)。
生きて死ぬこと自体が、アナログ
糸井さん
それこそ、地方に何かをしに行くっていうのは超アナログですし、そこと通信で連絡するのはデジタルですし——みたいに、あらゆるものを乳化させているんですよね。
田中
別に、赤城山と狼煙を上げて連絡してるわけじゃないもんね。
※ 赤城山には「ほぼの駅 AKAGI」があります。
小泉さん
ふふふ。
糸井さん
そうそう、そうそう。
田中
場所はアナログで自然で地方だけど、デジタル(を活用すること)でやってるんだから、それは、溶け合いますよねってことか。
糸井会長
そう。で、AIは足を持っていないんです。AIは歩いていかないんですよ。
田中
絶対行かない(笑)。
糸井さん
それから、誰かを好きになったからって、つけ回したりしないんですよ、AIは。でも人間は、近所に引っ越したいとか。
田中
そっか、そっか。
糸井さん
いろんな、しようがない環境の中に自分が置かれているってことを前提に、生きているんですよね(人間は)。
それ(アナログとデジタル)は当然混ざっていくべきだと思うんで。
田中
今ある環境じゃなくて、(別の場所の)空気吸いに行きたいっていうのも、そうですもんね。
糸井会長
それもありますよね。生きて死ぬこと自体がアナログなんで。
田中
ああ、間違いないですよね。
人は“街”のようなもの
田中
そんなお二方に来ていただいて。
ここはせっかく二人なんで、会長として新社長に、この場を借りてちょっと言っておきたい、みたいなことはありますか?
糸井さん
えっ……ああ、今の質問困るな(笑)。本当はないよ。
田中
本当はない?
糸井さん
だって、ずっと見てるからね。で、この人ひとりが社長をやってるわけじゃないんで。
もっと言えば、泰延さんに相談すれば、泰延さん“社長の憑依”じゃないですか、そういう時には。
他人の考えも全部入れての社長だから。
小泉さん
うん、うん。
田中
そうですね、それは。
糸井さん
「街」みたいなもんだから、人って。だから、リーダーとしてどうだとかっていうのは、もう古いんだと思いますね。
田中
そっか。糸井さん前から言ってたもんね。「人を一人採用するってことは、もう工場をぶっ建てるようなことだ」と。
小泉さん
そうですね、はい。
田中
それぐらい、人間ってのは、集積されたものであると。
糸井さん
そうそう。
ぜひ、また来てください
田中
いやいや、そんなね、小泉さんが新しい世代を(担っていくと)。楽しみですよ。
で、ちょっと僕ね、もう本当困ってるんですよ。あのー……儲からないし。儲からないってラジオで言ってどうするんだ。
でも出版社、理想があって、やりたいことがあって、でもちゃんと稼がないとみんなどうやって食うんだっていうことがあるから。本当に勉強させてほしいなと思って。ちょっとインターンで(ほぼ日に)行ったりするかも(笑)。
糸井さん
わはは(笑)。
小泉さん
ふふふ、ぜひ。おもしろいですね。
糸井さん
あなたより、廣瀬さんとか加納さんを出せばいい。
小泉さん
そんな(笑)。泰延さんも、ぜひ。

田中
本当に。なんかね、いいこと学んで帰ってきて、さらにパワーアップしてくださいよ(加納・廣瀬)、本当に。
ああ、なんぼでもほぼ日さんの話聞きたいのに、今日で(ほぼ日のお二人にお話を伺う放送回は)終わりやん、もうびっくり。
糸井さん
もう二度と来ないかもなぁ〜(笑)。
小泉さん
私は来たいです(笑)!
田中
いやいや、小泉さんぜひ。
そして糸井さん! 僕ね、もう一個番組(「田中泰延のふたりごと」)あるんでね、そっちにも糸井さん、来てくださいよ。
糸井さん
……わさりません!
田中
どっちや(笑)!
糸井さん
舌がもつれた(笑)。
田中
ええ、来てくれると思います!
ということで、お話を伺いました。株式会社ほぼ日 代表取締役社長 COO 小泉絢子さん。そして代表取締役会長 CEO 糸井重里さん。お二人のお話、本当にありがとうございました!
お二人
ありがとうございました!

▶︎ 小泉絢子さんにお話を伺った 1月26日(月)〜28日(木)の放送回はこちら
■ 株式会社ほぼ日
人々が集う「場」をつくり、「いい時間」を提供するコンテンツを企画、編集、制作、販売している会社。1998年にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」(現「ほぼ日」)を立ち上げて以来、インタビューやコラムをはじめとした読みものや、文具や雑貨・衣類・食品等の商品、書籍、イベント、動画に至るまで、「いい時間」を提供するコンテンツを形やジャンルを問わず提供しています。特に多くのお客様に親しまれている「ほぼ日手帳」は、2026年版の販売部数が100万部を突破しました。
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田中泰延
映画/本/クリエイティブ
1969年大阪生まれ。株式会社 電通でコピーライター/CMプランナーとして24年間勤務。2016年退職し「青年失業家」を自称し執筆活動を開始。2019年、文章術を解説する初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を上梓。16万部突破。2020年、印税2割スタート・最大5割の「累進印税™︎」を掲げる出版社 「ひろのぶと株式会社」 を創業。






