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株式会社ほぼ日 代表取締役社長 小泉絢子さん【ラジオ大阪】田中泰延のシャチョーとシュチョー(2026年1月26日〜28日放送)

田中泰延


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田中泰延が、日本を支える・日本を変える会社の社長をゲストにお迎えし、大いに主張していただき、お話を伺うラジオ大阪の番組「田中泰延のシャチョーとシュチョー」。

「街角のクリエイティブ」では、その放送をまとめてお届けします!

今回は2026年1月26日(月)〜28日(水)の放送の様子。

ゲストは、株式会社ほぼ日 代表取締役社長 小泉絢子さんです。

小泉絢子さん(撮影:田中泰延)

コピーライターの糸井重里さんが1998年に創刊したウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」(現在は「ほぼ日」)を運営している株式会社ほぼ日。インタビューやコラムなどの読み物コンテンツを毎日更新しているほか、大ヒット商品である「ほぼ日手帳」は2026年版が販売部数100万部を突破しました。

2025年11月に糸井重里さんから引き継いで社長に就任された小泉さんは、ほぼ日手帳の立ち上げ期にも関わってきたひとり。フレッシュな立場から語られたのは、変化を続けながらも、変わらずに持ち続けている、ほぼ日の文化と姿勢でした。

(執筆:稲本琢仙、編集:廣瀬翼)

小泉絢子(こいずみ・あやこ)
株式会社ほぼ日 代表取締役社長

1978年生まれ。慶応義塾大学在学中からほぼ日(当時:東京糸井重里事務所)でアルバイトとして働き、主力商品である「ほぼ日手帳」の立ち上げなどに携わる。大学卒業後、2001年に入社。事業支援部長やほぼ日商品部長(現・商品事業部長)を経て、13年6月に取締役、23年11月に副社長、最高執行責任者(COO)、25年11月より現職。3児の母。
株式会社ほぼ日 Web サイト:https://www.1101.com/

商品ではなく“提案”をつくる会社。新社長・小泉絢子が語る、ほぼ日の自己紹介(1月26日放送より)

“フレッシュな社長”の誕生

なんと、今日は東京から来ていただいております。ご紹介いたします、株式会社ほぼ日 代表取締役社長COO小泉絢子さんです。よろしくお願いいたします。

小泉と申します。よろしくお願いします。

小泉さんが、ほぼ日の社長に就任された!

そうなんです。

ほぼ日といえば、みなさんが一番よくご存じなのは「ほぼ日手帳」。たくさんの方が使っていて、僕もずっと愛用しております。

小泉さんはいつ社長に就任されたんでしょう?

2025年の11月29日の株主総会の後、取締役会で就任いたしました。

なるほど。ということは、去年の暮れに社長になられて、まだまだ新人社長のような感じ。

あっ、もう本当にそうです。だいぶフレッシュですけども、ずっとフレッシュでいたいです(笑)。

ほぼ日というのは糸井重里さんがはじめられた会社で、ずっと社長を務められていたけれども、糸井さんは代表取締役会長にならはったと。で、小泉さんが社長という立場で。

はい。

ほぼ日は“コンテンツをつくる会社”

僕さっき手帳が有名でと話しましたが、社長である小泉さんからほぼ日を自己紹介するとしたら、どんな会社?

ほぼ日は、一言で言うと「コンテンツをつくる会社」ですね。

コンテンツというのは、一般的には映像や読み物のことを言うと思うんですけど、私たちは手帳のような商品もコンテンツって呼んでいます。

商品も、コンテンツ。

はい。イベントもコンテンツ。すべてがコンテンツになるという。我々は単に商品をつくっているのではなく、コンテンツをつくっている、という意識でやっています。

なるほど。コンテンツということは、つまり中身が、何か提案することがあるってことですよね。

そうですね。同じ手帳でも、これまでの手帳をそのままつくるのではなくて、我々なりの新しい手帳の提案を考えて世の中に出したのが、ほぼ日手帳となりますね。それを「コンテンツ」という呼び方をしています。

「1日1ページ」でたっぷり書ける、ほぼ日手帳

それがね、すごく不思議で。手帳って、いっぱい手帳の会社とか、老舗の手帳屋さんがあったわけじゃないですか。大昔から、それこそ明治時代とかから。

そのなかで、ほぼ日手帳っていうものが生まれて、それを「コンテンツ」とおっしゃる。何が新しかったんでしょう? 「これはええ!」ってみんなが思って、「こっち使おう!」となる。その“なにか”っていうのは、なんなんでしょうね。

まず大きかったのが、手帳って一般的にはスケジュール管理をベースにしたものだったと思うんですけど。

何時何分、どこに行くとかね。

はい。なんですけど、私たちは「1日1ページ、たっぷり書ける」っていうコンセプトのもとつくっています。

言ってしまえば打ち合わせのメモも書けますし、ちょっと思いついたことも書けますし。だから、スケジュール管理だけじゃなくて、自分の日々のことをたっぷり書き込める。

そこにオリジナリティがあって、既存の手帳ユーザー以外のみなさまにも手に取っていただいた要素かなと思いますね。

ユーザーの工夫がコンテンツを育てる

僕ね、大阪で開催された、ほぼ日手帳を使い込んでいる人の集まりというものを、ちょっと見学させてもらったんですけどね。

そしたら、もうすごいんですよ。もう自分の人生をガーッとそこに毎日記録して、宝物みたいにして持ち寄って見せ合う人たちがいて。びっくりですよね、いろんなものを貼って3倍ぐらいの厚さになってる人もいるし。

そうです、そうなんです。

私たちが開発したときに、みなさんがそういう使い方をするって思っていたわけではなくて。やっぱり実際に手に取っていただいたときに、お客様が想像以上の使い方をしてくださったのが大きいですね。

我々も3年目ぐらいから、これはやっぱりユーザーさんの使い方を紹介することが(大切だと考えるようになりました)。ある種のプロモーションにもなりますし。

なるほど。

すごくオリジナリティのある(使い方で)、お客様が使うことによって完成すると言いますか。

我ながらなんですけど、すごく可能性のある商品を開発したなというふうに思っていますね。

ほぼ日には、ほぼ日手帳ユーザーの使い方を紹介する「みんなの使い方」コーナーもあります。

学生アルバイト時代から手帳担当へ

そして、小泉さんがこの度社長になられた。小泉さんとほぼ日手帳の、最初の関わりはどういったことだったんでしょう。

もともとは、糸井が手帳をつくろうと考えたんです。当時私はまだ大学生で、東京糸井重里事務所という会社にアルバイトで入っていまして。

ほぼ日の前身ですね。

はい。その時に一番時間があって暇そうだった私に、糸井から「君が担当で手帳をつくりなさい」って言ってもらいました。

それからもうずっと手帳を(出しつづけている)。

僕もほぼ日手帳を使ってるけど、山ほど改良してこうなってるっていうポイントがいっぱいあるじゃないですか。

「手帳」って言っているのに、たとえば毎日の言葉が載っているとか。

これね、僭越ながら田中泰延、私も言葉を印刷していただいて。ありがたい限りです。光栄です。

こちらこそ、お世話になってます。

僕ね、あれに載ってるからね、悪いことができないんですよ。

(笑)。

毎日使う手帳に僕の名前と言葉が載っているのに、僕が変なことをして新聞やテレビに出たら申し訳ないじゃないですか。すごく、抑止力になっています。

ありがとうございます。そういう効果があるんですね(笑)。

ほぼ日手帳の“核”は、創刊から変わっていない

改良というのは、ずっと長年(されてきているのかなと)。紙一つでも全然(ほかの手帳と)ちゃうじゃないですか。

そうですね。ただ、実はほぼ日手帳の大事な肝の部分は、初年度の開発時から変わっていないんです。

変わっていない?

1日1ページも最初からですし、あと紙も「トモエリバー」という手帳に最適な紙を使っています。

あ、最初からあれなんや!

「トモエリバー」を使用した本体。辞書と同じ「糸かがり製本」という綴じ方で、180度パタンと開き、書き込みもしやすいのも特長。(画像出典:ほぼ日)

「日々の言葉」も最初の年からあります。糸井がとにかく「こういう手帳をつくりたい」っていう肝になる要素は、もう初年度に全部入っているというところが、振り返ってみると、あの時の社長、今は会長ですけど、社長すごいなって思いますね。

▶︎ 次ページ:ほぼ日の企業文化とは

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    1969年大阪生まれ。株式会社 電通でコピーライター/CMプランナーとして24年間勤務。2016年退職し「青年失業家」を自称し執筆活動を開始。2019年、文章術を解説する初の著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を上梓。16万部突破。2020年、印税2割スタート・最大5割の「累進印税™︎」を掲げる出版社 「ひろのぶと株式会社」 を創業。