日本社会と外国人の関係は? 現場を支援する当事者の森社長に聞く(12月11日放送より)
関西弁は3年目から
田中
森興産さんは外国人のスタッフさんが多いということですが。最初、森社長に話を聞いた時に、大阪の方やのに大阪弁ちゃうやん、でもちょっと急に大阪弁出るやんと思っていたのですが。
外国人スタッフが多い環境の中で、基本的に標準語で接してはる?
森社長
そうですね。これは私も関西人なので、関西人が、関西人以外の人とがですね、関西弁をしゃべったときの……圧ですね。
田中
(笑)。あれ、なんでしょうね。
森社長
なんでしょうね(笑)。でも、それも理解をした上で。
そういう環境の中にいると、関西弁がやっぱり、ものすごく移ってきてしまうんですね。
田中
ええ。
森社長
でも、学んだ日本語をより正確に相手に伝えていこうと思ったら、まずは共通語。
相手はやっぱり鏡なので、自分自身が伝えたこと、伝えたニュアンス・イントネーション、それでこう返ってくるわけですよ。
だから、返ってくることの正確性をより高めていこうと。それで、自らの関西弁を封じ込めようと。
田中
封じ込め(笑)。関西弁でいつも話しかけていたら、やっぱそれは、違う情報のニュアンスが出てきますもんね。
森社長
なので当社に入ると、入社してから約2年は、関西弁を話しません。
3年目になってからは、関西弁を社内でも、本人にも直接伝えるようにします。
これ、だんだん3年目になっていくと、お客様のところへ行ったり、対外的に人と会うことが増えていくんですね。そういったときに、相手が使う関西弁に耐えていかないといけないので(笑)。
田中
耐えていく(笑)。
森社長
それを慣れていただくためにも、社内でも関西弁を使っていくと。スピードもどんどん、上がっていきます。
田中
なるほど、スピードも上がっていくんや(笑)。
森興産が掲げる「志の定着」
田中
森興産さんでは、ずっと「志の定着」ということを言われている。
森社長
はい。
田中
これを、おうかがいしたいんですが。
森社長
何か事業をやるときは想いを持って、当然みなさんやられていると思うので。我々も、やっぱり未来を考えたときに、グローバルな社会づくりとか、次の世代(を考える)。
いま、我々3世代目なんですね、創業者からすると。でも、ここから4世代目、5世代目、さらにそこから5世代先と考えたときに、何を残せるかと考えるとですね。
やっぱり我々の方向性とか考え方。これは残せるだろうと。
田中
はい。
森社長
ただ、残すものの同じ方向性が、日本だけである必要はないよなと。それぞれの想いを持った人たちが、それぞれの国に帰るということがあり得るので。
やっぱり母国にお父さんお母さんもいますし。そうすると、いつかは「帰ってきなさい」とか、「帰ってきてほしい」とかですね。
田中
ええ。
森社長
そこを、日本という地に止めるという「土地の定着」というよりはですね、「想いの定着」をつくっていけば、仮に日本の中の会社は辞めて母国に戻ったとしても、つながっているので。現地で同じような事業を展開していただいたらいいですし。
田中
うん、うん。
森社長
今も、私が行ったときにですね、もうフルコースでアテンドしてもらえると(笑)。
田中
なるほど(笑)。
森社長
そういったところ(想いが共有できている状態)へいくと、お互いの国境を越えたとか、言語を越えた、文化を越えたというのは、いくらでも広げられるわけで。
なので、志をいかに定着をさせるか、そこに共通点を持っていけるかというところが、重要だと思っています。
田中
メリットじゃなくて、志を同じく。それが定着すれば関係はつづくし、大きな目で見たらビジネスになっていくかもわからないし、ということですよね。
森社長
はい。
田中
じゃあ、帰国された方とも、すごくお仕事とかお付き合いとか含めて、つづいているケースが多いと?
森社長
そうですね。
仕事にすべてがつながっているかというと、そこまでではないかもしれません。ただ、「ここに、いついつ行くよ」とかですね。
あとは反対に日本に。家族ができて、家族を連れて日本行きますとかいう子も、遠慮なく訪問もしてくれますし。もう、その子供は、なんかまるで自分の子供のような感覚で。グローバルに広がる。
田中
なるほど!
森社長
そういったのは、すごく見ていてもうれしいですし、なにかそういった広がりをつくっていけているということ自体が、我々の活動としては、すごく価値があるなと思っています。
今、世界から見た日本の魅力は?
田中
最近、僕がよく見聞きするのが、日本がかつてに比べて、「行ったら結構稼げるいい国だ」ということが下がってきている現状があるんじゃないかっていう。
森社長
ええ、ええ。
田中
そこは、どうですか? 今の直面している問題として。
森社長
これは、日本の魅力という話だと思います。
やっぱり今の円安は、海外から日本に「働きに来る」という視点では、かなり厳しい。
田中
はい。
森社長
海外から日本に「学びに来る」は、今度は学費が安くなるので。
田中
あぁ〜、あと観光ね、インバウンドは最高じゃないですか。
森社長
そうですね。
田中
でも、働きに来たら、儲からないぞと。
森社長
そうなんですよ。
1ドル100円から150円となると、これは反対に見れば、それだけ安くなっているわけで。もらっている給料がまったく同じにもかかわらず、目減りしてしまっている。
田中
はい。
森社長
これはやはり、母国からすると魅力が落ちているのは、間違いないです。
現地側に行って話しをしても、日本に行くのをちょっと躊躇するのは、今までの価値よりも下がってしまう(という声を聞く)。
田中
うーん。
森社長
でも、それでも外国人は増えているんですね。中長期滞在者というのは増えていますし、外国人労働者というのも増えていると。
これはなにかというと、日本には違う要素もありまして。
田中
はい、はい。
森社長
もちろん、お金は重要です。
ですけど、お金以外のところでやはりあるのが、安全とか安心できる社会がすでに、世界の中でも有数の都市の中身としてつくられていると。
ここ、非常に大きいです。
ご本人もそうですし、ご本人の家族からしても、どこに息子・娘に行ってもらうかといったときの日本の選択の中に、大きな要素として入っている、残っているという状況だと思います。
田中
なるほど。
交流して歩み寄れば、イメージも変わっていく
田中
一方では、ちょっとシビアな質問になりますが、今の日本では外国の方が日本に来て定住されるということに、多少なりとも疑問を持っている方もいらっしゃる。
それに対して、外国人を支援している森興産、森社長としては、実際の現場からのご意見としては、どんな感じですか?
森社長
我々も、我々が提供しているメディア「WA.SA.Bi.」においても、違法な外国人は支援しないということを明言しているわけで。
これは当然のことだと思うんですね。当然のことですし、法律を違反するような人をそもそも入れないという、国も今そういう政策だとは思いますけども、そこに反対することも、まったくありません。
田中
ええ。
森社長
やっぱり、その社会にはルールがあります。これは我々が海外に行っても同じ話で。そこのルールに従っていくと。
田中
はい。
森社長
なので、ルールを守るということを大前提とした上で、我々が支援していくのは何かというと。
いま、いろんなご批判をいただく方々にもお話をうかがっていくとですね、やはりその方と外国人の接点がまだまだ少ないというのはあると思うんです。
田中
ええ、ええ。
森社長
普段、例えばコンビニに行く、居酒屋に行く、ドラッグストアに行く。いろんなところで会う(外国人の)人たちが増えてきていますけども、これは都心部に限った話で。
地方部ではまだまだ、そういった出会いすらなかなかないんですね。
だから、どうしてもイメージとしては、凝り固まってしまっている部分というのは、まだまだあると思います。
我々がもっとやわらかくしていって、理解をしていくという、そういった歩み寄りをしていく場。これが一つの交流だと思うんですけれども。
田中
うん、うん。
森社長
こういったことをもっとしていくと、こいついい奴だ、と。出身どこだ、と。どこどこの国だ、と。やっぱりその国はいいんじゃないか、というような、そういった方向に持っていくことはできるというように思っています。
田中
なるほど。
いや、僕本当に、現場の、現場で直面している方のお話をうかがいたかったんですよ。
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