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株式会社千休 代表 久保田夏美さん【ラジオ大阪】田中泰延のシャチョーとシュチョー(2025年10月27日〜31日放送)

田中泰延


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SNS、オンラインショップ、お店、イベント——千休の「抹茶スイーツの届け方」(10月30日放送より)

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ここまで、どうやって商品を開発して、抹茶にこだわってというお話をお伺いしてきたのですが。今度は、商品はできる。じゃあ、どう売るんや? というところでね。

僕も小さな出版社をやっているんですが、売り方っていうのはいつも迷う。

当初は、千休さんはショップではなく、いわゆる通販に限ってやった?

はい、そうですね。

もともと私がWeb系の仕事やっていたこともあったので、オンラインショップを立ち上げて、そこから売っていくということをやっていました。

オンラインショップって、大手のプラットフォームもあるじゃないですか。みんなが会員になっているようなやつとか。

そうじゃなくて、自社の流通なんですか?

いえ、0円でできるようなECプラットフォームが当時、流行っていて、そういうのを使っていたので。自分で作るというのよりも、すでにあるもので安いところから出していったという感じですね。

なるほど。

あとは、僕ら出版社もそうですけど、XとかInstagramとか使ってPRしていくわけですが、その辺も戦略的に使っていった?

そうですね。もう、そこしかなかったので。広告をどんとかけるわけにもいかなかったので。

とにかく当時やっていたTwitter(現X)で、商品開発の過程とか、私が起業して悪戦苦闘しているところとかを載せて。

23歳女性社長やから、そんなすんなりいったら、そんなには。大変やと思いますよ。

あはは。

そういうところをどんどん出していって、「これが大変で、つくったやつを届けたい!」という想いを、それこそブログに書いたりとか、Twitterに書いたりとかして、売っていました。

PRのヒントはアイドルから

僕も「ひろのぶと株式会社」って小さい出版社をやっていると、同じで。

今、この本の著者さんと打ち合わせしています。編集しています。悪戦苦闘しています。印刷しています。できました! みたいなことを全部見せていこうとしているんですね。

はい。

流行りの言葉でいうと「プロセスエコノミー」っていうんですかね。商品開発とか、ストーリーを見せていこうという。

それも最初から思ってはった?

そうですね。最初からやっていたし、あと、それこそアイドルが好きなので。

はい。

アイドルって、リリースするまでにチラ見せとかをよくやるじゃないですか。

はいはい、あの……

ティザー!

(笑)。そういう感じで、チラ見せでお菓子の一部を見せたり、影で見せたりして。

ああ、なるほどなるほど。

ワクワク感を募ることを、アイドルのプロモーションを見て真似してやっていました。

お菓子はエンタメ

久保田さんがどこかで言っておられたのを聞いて、ああ、なるほど! と思ったのが、「お菓子もエンタメみたいなもの」。

はい。

これも、アイドル好きの久保田さんにとって、そこは合致するところなんですね。

そうですね、そこはもう、完全に一緒だと思っていて。

やっぱり、疲れている時とかエネルギーもらうために、アイドルのライブに行ったりとか、MV見たりとか、番組を見たりするじゃないですか。

はい。

それと一緒で、疲れている時にお菓子を食べることで、元気になったりとか、癒やされたりとかもあると思うので。

そこの感情の動きって、一緒だなって思って。

なるほど。甘いものって幸せなことですからね。

いや、そうなんですよ。

だからエンタメというか。見せ方も楽しんでもらいながら、食べても楽しい。で、また好きになって、ファンになって推す、みたいなところの動きが一緒なのかなと。

推しになってもらうということですよね。やっぱりね、推してもらうとありがたいですからね。

初の店舗。催事出店も多数

今年の8月には、二子玉川(東京都)にお店をオープンされて。

はい、しました。完全に千休の常設店として、初めてオープンしまして。

ぜひね、お聴きのみなさん、二子玉川ライズ・ショッピングセンター、お越しください。

それから、大阪でも、POP UP STOREみたいな形でお店を出しておられた?

そうですね。結構定期的に、1年に1〜2回くらいは、催事っていう形で1週間とかでイベントに出ていたりしています。

今年の夏は、あべのハルカスでもやってらした。

そうなんです、あべのハルカスで「MATCHA PARTY」っていう。

コンセプトが「MATCHA PARTY」なんや。

抹茶のブランドがいろいろ集まって「MATCHA PARTY」という、いろんな抹茶スイーツをお客様が楽しめるというイベントに出ていました。

なるほど。久保田さんから見て、大阪のお客さんはどうですか?

熱狂的ですよね。

そうなんや!

熱かったです。会場も、物理的にも暑かったし(笑)。

7月やからね(笑)。

でも、お客様の抹茶への熱もすごく高くて。

普段、催事の出店もずっと都内が中心だったので、「大阪にやっと来てくれてうれしい」とか。

そこでソフトクリームを限定で出したんですよ。大阪限定だったので、むしろ関東の人が「食べられなくて悔しい!」みたいな。だから、熱がすごかったです。

以前には阪神百貨店でもPOP UP STOREやってはったんですよね。

「抹茶クリスマス」っていう……。

抹茶クリスマス!

はい(笑)。昨年の年末くらいにクリスマスをテーマに、いろんなところが20ブランドくらい集まったのかな、やりました。

そんな、エンタメ的な。それが何か、スイーツと相性いいんでしょうね。

そうですね。その時もフェスみたいな感じでお客様も楽しんでやっていたので、すごく楽しかったです。

オンラインギフト需要で売上成長

店舗を持たれる前、通販だけでずーっと販売されていた頃、ど真ん中に新型コロナがあったじゃないですか。その時って、どうだったんですか?

その時は、救われたなって正直思って。

救われた……?

なんでかというと、お店とかは出していなかったので。

やっぱり、抹茶のお菓子とかやるとすぐお店出したいと思っちゃうんですけど、やっていなかったので、ある意味。

うん、うん。

その頃は、通販でお菓子のお取り寄せとか、オンラインで何かを贈ろうという時期だったので。

そっかぁ。

そこの波に乗れたというのは、事業としてはすごく良かったなと思っています。

会えない時期だけど、贈り物として千休の抹茶のお菓子を贈れるし、それから自分の家で楽しむとか。

じゃあ、むしろコロナ禍の間に、売上は伸びたり……?

伸びました。2〜3年くらいはオンラインの売上が結構伸びて。

オンラインギフトというのも流行ったので、オンラインで贈るというのもちょうど出していて。それがグワって上がったので、事業の面では良かった2〜3年だったなと思います。

なるほど。

▶︎ 次ページ:Web業界と食品業界の違いや、農家との付き合いは?

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    1969年大阪生まれ 元・広告代理店店員 元・青年失業家 現在 ひろのぶと株式会社 代表