公開日: 2025.11.06
更新日: 2025.11.07
株式会社千休 代表 久保田夏美さん【ラジオ大阪】田中泰延のシャチョーとシュチョー(2025年10月27日〜31日放送)
味も色も「こういうもの」で妥協しない! “ホッと一息”を届ける、千休の商品開発(10月29日放送より)
抹茶×焼き菓子の難しさ
田中
今ここに、米粉を使った抹茶フィナンシェ「たまゆら」がありまして。開けますね。
久保田社長
召し上がってください、ぜひ。
田中
これね、抹茶がめちゃくちゃ濃いぃんですよね。

田中
普通ね、抹茶の色はついているけど、そんなに抹茶じゃないわ、みたいなのも、世の中にはあるじゃないですか。
久保田社長
ありますね。
田中
このフィナンシェ1つ取っても、緑は濃い、味は濃いなんですけども。抹茶のね、千休が他所と違うこの濃さ。
この抹茶の品種とか、どこの抹茶を使っているのかとか、そのモノづくりの方針みたいなものはありますか?
久保田社長
これも話すとすごく長くなっちゃうんですけど……。
田中
うん、うん。
久保田社長
フィナンシェは焼き菓子なので、焼き菓子に合う抹茶っていうのを茶農家さんに相談して、それを決めるところからスタートして。
抹茶ってすごくいっぱいラインナップがあるんですけど、その中から4〜5種類を厳選して、つくってくださる工場に送ります。
田中
抹茶で焼き菓子をつくるというのは、結構大変なんですか?
久保田社長
大変ですね。抹茶がすごく繊細なので、焼くだけで味が飛んじゃったりとか。
田中
あ、熱を加えるから。
久保田社長
あとは、色も飛びやすかったりするので。発色も抹茶自体にないと黄緑っぽい薄い感じになっちゃうんで、そこも選びながらやっています。
田中
なるほど。冷たい抹茶のスイーツは多いけど、がっつりした焼き菓子でここまで緑も濃くて、味も濃いというのは珍しい。
久保田社長
そうですね。
田中
みなさんもね、僕もらってめっちゃうれしかったですから、ぜひ食べていただきたい。
苦味、旨み、そして甘み——折り重なる抹茶の魅力
田中
この抹茶って、どこの農家さんとか決まっているんですか?
久保田社長
これはある1つの農家さんから卸していただいて、そこのものを使っています。

田中
それは味で決めたというか……?
久保田社長
味もあるんですけど、やっぱり人として尊敬できるというか。
考え方とか、そういうところも相性がいいなと思う農家さんから卸しています。そこはすごく大事かなと思っていて。
田中
そうですよね、僕も小さい会社の社長やけど、人付き合いが本当に大事ですよね。
久保田社長
大事ですね。
田中
相性が合うところじゃないと続かへんし、取引が。
久保田社長
うふふ。
田中
抹茶の魅力みたいなものは?
久保田社長
抹茶は味の深みが1番あると思っていて。苦味もありながら、旨みもあって、甘みもあって。
田中
甘みも感じますよね、苦さの先にね。
久保田社長
そうなんです。そういうところが複合的にあるので、単に「何味」というよりも、もう一歩深いところまでいけるというのも好きです。
抹茶の癒しで、ホッと一息を
久保田社長
あと、もう1個あるのが、見た目からも味からも癒されるというのがあって。
田中
癒される。
久保田社長
緑は癒しのカラーですし、抹茶自体に「テアニン」というリラックスできるような成分があって。
なので、食べているうちに、なんだか癒される、リラックスできるという気持ちになるのがすごく好きです。
※ テアニン:緑茶や抹茶に多く含まれるアミノ酸の一種で、お茶のまろやかさを生む成分。リラックス効果や集中力を高める働きがあるとされています。
田中
なるほどね。抹茶を飲みながら攻撃してくる人はいなさそう。
久保田社長
いないですね(笑)。
田中
いない、いない(笑)。
パッケージもね、すごくおしゃれで。あと、千休さんのWebサイトを見ても、すごく優しい雰囲気で、癒されるっていう感じなんですけども。

田中
これは、どういう人に食べてもらいたいな、手に取ってもらいたいな、みたいなところはあるんですか?
久保田社長
やっぱり、私自身が昔すごく仕事を、それこそ本業も副業もバリバリやってやるぜみたいな感じで。
田中
社会人になってすぐの時の。
久保田社長
はい、その時とかに、抹茶で癒されて心が救われてみたいなところがあったので。
ターゲットとしては仕事とか育児とか、いろいろ頑張っている女性にホッと一息つく時に食べてほしいなと。そういう時に手に取ってほしいなと思って、つくっています。
田中
女性の立場から、女性のそういう忙しい時に、抹茶の癒しというか。
久保田社長
はい。
田中
そのお話が、このご著書『余裕はつくれるものでした。』の中にたくさん書かれていて。千利休の思想も含め。
あと、ご自身がすごく、起業する前、生き急いでいた気がすると。で、抹茶で癒されて——ということをずっと書かれていますよね。
時にはちょっとダメ出しも……?
田中
商品が完成していく過程でも……これは社長一人で決めていくんですか? それとも、何人かで話し合って?
久保田社長
最初は私一人で「こういうのつくりたいな」というのを決めていって、そこからお菓子をつくる担当のお店さんや工場の人と話し合って決めていくって感じですね。
田中
なるほど。……ダメ出しとかするんですか、やっぱり社長は?
久保田社長
……ちょっとしちゃいますね、えへへ(笑)。
田中
ちょっとするんや(笑)。
久保田社長
グルテンフリーとか抹茶を入れるとかって、生地が重くなっちゃったりとかパサついたりしがちなので、やっぱりそこをお菓子として美味しいものにしたいというのがあるので。
グルテンフリーだからこうだよねとか、抹茶入れたらこうなっちゃうよね、みたいなのを無くしたくて。
そこがちょっと理想と違ったら、ダメ出しというよりも、「もうちょっとこうしてほしい」というのを言ったりしますね。
田中
今いただいた米粉のフィナンシェ「たまゆら」も、すごくしっとりしていますよね。
久保田社長
そうですね。
田中
それは、だいぶこだわった?
久保田社長
だいぶ、こだわりました。
元々はもっと重い感じで、固くなっちゃうんですよ。お米ってお餅と一緒でだんだん固くなっていっちゃうので。
田中
あぁ、熱加えるとさらにね。
久保田社長
そうなんですよ。だから、そこがないように、生地の感覚・ふんわり感が持続するようにっていうのは、調整して。
田中
なるほど。
久保田社長
3〜4回リニューアルしました。
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