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株式会社千休 代表 久保田夏美さん【ラジオ大阪】田中泰延のシャチョーとシュチョー(2025年10月27日〜31日放送)

田中泰延


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味も色も「こういうもの」で妥協しない! “ホッと一息”を届ける、千休の商品開発(10月29日放送より)

抹茶×焼き菓子の難しさ

今ここに、米粉を使った抹茶フィナンシェ「たまゆら」がありまして。開けますね。

召し上がってください、ぜひ。

これね、抹茶がめちゃくちゃ濃いぃんですよね。

米粉のフィナンシェ「たまゆら」

普通ね、抹茶の色はついているけど、そんなに抹茶じゃないわ、みたいなのも、世の中にはあるじゃないですか。

ありますね。

このフィナンシェ1つ取っても、緑は濃い、味は濃いなんですけども。抹茶のね、千休が他所と違うこの濃さ。

この抹茶の品種とか、どこの抹茶を使っているのかとか、そのモノづくりの方針みたいなものはありますか?

これも話すとすごく長くなっちゃうんですけど……。

うん、うん。

フィナンシェは焼き菓子なので、焼き菓子に合う抹茶っていうのを茶農家さんに相談して、それを決めるところからスタートして。

抹茶ってすごくいっぱいラインナップがあるんですけど、その中から4〜5種類を厳選して、つくってくださる工場に送ります。

抹茶で焼き菓子をつくるというのは、結構大変なんですか?

大変ですね。抹茶がすごく繊細なので、焼くだけで味が飛んじゃったりとか。

あ、熱を加えるから。

あとは、色も飛びやすかったりするので。発色も抹茶自体にないと黄緑っぽい薄い感じになっちゃうんで、そこも選びながらやっています。

なるほど。冷たい抹茶のスイーツは多いけど、がっつりした焼き菓子でここまで緑も濃くて、味も濃いというのは珍しい。

そうですね。

みなさんもね、僕もらってめっちゃうれしかったですから、ぜひ食べていただきたい。

苦味、旨み、そして甘み——折り重なる抹茶の魅力

この抹茶って、どこの農家さんとか決まっているんですか?

これはある1つの農家さんから卸していただいて、そこのものを使っています。

出典/千休Webサイト

それは味で決めたというか……?

味もあるんですけど、やっぱり人として尊敬できるというか。

考え方とか、そういうところも相性がいいなと思う農家さんから卸しています。そこはすごく大事かなと思っていて。

そうですよね、僕も小さい会社の社長やけど、人付き合いが本当に大事ですよね。

大事ですね。

相性が合うところじゃないと続かへんし、取引が。

うふふ。

抹茶の魅力みたいなものは?

抹茶は味の深みが1番あると思っていて。苦味もありながら、旨みもあって、甘みもあって。

甘みも感じますよね、苦さの先にね。

そうなんです。そういうところが複合的にあるので、単に「何味」というよりも、もう一歩深いところまでいけるというのも好きです。

抹茶の癒しで、ホッと一息を

あと、もう1個あるのが、見た目からも味からも癒されるというのがあって。

癒される。

緑は癒しのカラーですし、抹茶自体に「テアニン」というリラックスできるような成分があって。

なので、食べているうちに、なんだか癒される、リラックスできるという気持ちになるのがすごく好きです。

なるほどね。抹茶を飲みながら攻撃してくる人はいなさそう。

いないですね(笑)。

いない、いない(笑)。

パッケージもね、すごくおしゃれで。あと、千休さんのWebサイトを見ても、すごく優しい雰囲気で、癒されるっていう感じなんですけども。

千休Webサイト

これは、どういう人に食べてもらいたいな、手に取ってもらいたいな、みたいなところはあるんですか?

やっぱり、私自身が昔すごく仕事を、それこそ本業も副業もバリバリやってやるぜみたいな感じで。

社会人になってすぐの時の。

はい、その時とかに、抹茶で癒されて心が救われてみたいなところがあったので。

ターゲットとしては仕事とか育児とか、いろいろ頑張っている女性にホッと一息つく時に食べてほしいなと。そういう時に手に取ってほしいなと思って、つくっています。

女性の立場から、女性のそういう忙しい時に、抹茶の癒しというか。

はい。

そのお話が、このご著書『余裕はつくれるものでした。』の中にたくさん書かれていて。千利休の思想も含め。

あと、ご自身がすごく、起業する前、生き急いでいた気がすると。で、抹茶で癒されて——ということをずっと書かれていますよね。

時にはちょっとダメ出しも……?

商品が完成していく過程でも……これは社長一人で決めていくんですか? それとも、何人かで話し合って?

最初は私一人で「こういうのつくりたいな」というのを決めていって、そこからお菓子をつくる担当のお店さんや工場の人と話し合って決めていくって感じですね。

なるほど。……ダメ出しとかするんですか、やっぱり社長は?

……ちょっとしちゃいますね、えへへ(笑)。

ちょっとするんや(笑)。

グルテンフリーとか抹茶を入れるとかって、生地が重くなっちゃったりとかパサついたりしがちなので、やっぱりそこをお菓子として美味しいものにしたいというのがあるので。

グルテンフリーだからこうだよねとか、抹茶入れたらこうなっちゃうよね、みたいなのを無くしたくて。

そこがちょっと理想と違ったら、ダメ出しというよりも、「もうちょっとこうしてほしい」というのを言ったりしますね。

今いただいた米粉のフィナンシェ「たまゆら」も、すごくしっとりしていますよね。

そうですね。

それは、だいぶこだわった?

だいぶ、こだわりました。

元々はもっと重い感じで、固くなっちゃうんですよ。お米ってお餅と一緒でだんだん固くなっていっちゃうので。

あぁ、熱加えるとさらにね。

そうなんですよ。だから、そこがないように、生地の感覚・ふんわり感が持続するようにっていうのは、調整して。

なるほど。

3〜4回リニューアルしました。

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    1969年大阪生まれ 元・広告代理店店員 元・青年失業家 現在 ひろのぶと株式会社 代表