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2026年6月17日「街角diary」廣瀬翼がお届けします。

廣瀬 翼


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いま、読んだら。

先週、「Claude Fable 5」がリリースされ、そしてわずか3日で停止された。

停止理由は、アメリカ政府の指令。安全保障上の懸念から、アメリカ国籍または永住権を持つ人以外への提供が禁止された。Claudeを開発しているAnthropic社の社員であっても、アメリカ人でなければアクセスは禁止という指令だった。

結果として、Anthropic社は全ユーザーに対して「Fable 5」の提供を停止する措置をとった。

「Fable 5」は、私も1度だけ触ってみた。

そこまでAIに詳しくなく、使いこなしているとも言えないので、その真価を体感できたかというと猫に小判だったとは思う。それでも、新モデルのスムーズさも賢さも感じた。

Twitter(X)上では、Fable 5でつくったものを「すごい」と公開する人がたくさんいた。宇宙の誕生みたいなものをつくっている人もいた。どれも、みんな口を揃えて「すごい」と書いていた。

それがどれぐらいすごいのか、なぜ安全保障上の懸念を抱かれるほどになったのかなどは、AIやITを専門とするメディアに任せよう。

とにかく、映像もゲームもアプリも、これをAIがちょっとしたプロンプトでつくってくるなんて、「近未来がきた」と感じるものだった。

そうして、安全保障上の懸念を抱かれるようなAIが生まれてくることも、たった3日で国が介入し禁止令をいきなり出すというのも、どちらもSFのようなすごい世界だなと思った。

この1〜2年で、AIはかなり進化している。

昨年8月、5つのAIに映画レビューを書いてもらった記事を「街角のクリエイティブ」で出した。

ところがここから半年かからないくらいで、AIの精度はグンと上がった。この記事で書いた傾向はまだ多少残っているにしても——相変わらずGeminiは、レビューの執筆などをお願いすると、なかなかに破天荒な回答を出してくることが多い印象——この記事は古い情報で参考にならないというほどに、変わった。

最近のAIのスムーズさ。言語の巧みさ。こちらを気持ちよくさせる技術。

ちょっと怖く感じることがあるくらい、変わった。

そんな今、改めて梨/闇『つねにすでに』を読んだら、刊行した1年半前、Web上での連載がはじまった2年前とは違った感覚・怖さ・感想を抱くんだろうなと感じている。

SF的と思っていたものの、モキュメンタリー度がグンと上がっているように思う。

持っているけれどまだ読めていないとか、1回読んだけどという方。ぜひ一度、手に取って読んでみてください。


つねにすでに

つねにすでに
梨/闇|ひろのぶと株式会社

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    1992年生まれ、大阪出身。編集・ライター。学生時代にベトナムで日本語の先生を経験。食物アレルギー対応旅行の運営を経て、編集・ライターとなる。『全部を賭けない恋がはじまれば』が初の書籍編集。以降、ひろのぶと株式会社の書籍を担当。好きな本は『西の魔女が死んだ』(梨木香歩・著、新潮文庫)、好きな映画は『日日是好日』『プラダを着た悪魔』。忘れられないステージはシルヴィ・ギエムの『ボレロ』。