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2025年9月8日「街角diary」田中泰延がお届けします。

田中泰延


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積んどく日記

げんげん 減価償却 げつようび。おはようございます。美人広報の田中木田ひろまるです。

出版社をやっている身なので、いろんな本を読まないとお話にならないのですが、貧乏ヒマなしでなかなか読めません。

今日は8月の積ん読を紹介します。9月には読みたいです。

1.
『ヤマ師 裸一貫から一代でトヨタ・松下・日立を超える高収益企業を作った破格の傑物「山下太郎」のすべて』 深澤献 ダイヤモンド社

著者は「週刊ダイヤモンド」元編集長。編集者は今野良介さん。「山下太郎」さんはすごい方のようで、オブラートの特許で3億円/外務省を巻き込んだ鮭缶輸入で400億円/大正の米騒動で政府黙認の米密輸/満州の住宅事業で6兆3000億円/「アラビア石油」を創業/日本初の油田採掘利権を獲得し法人所得日本一に……読み始めたら止まらなそうで、まだ序文しか読んでません。読みます。

2.
『プリンスのどこがいいのかわからない』 Purple University with Takuya Futaesaku
Independently published

読みました〜。日本では格闘技ドクター、アメリカではプリンスの伝道師として有名な(本当)二重作拓也さんが、世界中のプリンスファン(Fam)にインタビューし、「自分の人生とプリンス」について答えてもらった本。古賀史健さんもその一人として語ってます。すごい熱量や。

3.
『リーダーの仮面 ── 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』 安藤広大 ダイヤモンド社

「リーダーシップ書で異例の大ヒット!70万部突破!!」ということでベストセラーですね。我が社もすごく売れる本を作らないとなぁ、などと時々思ってポチるんですが、まだ読んでません。「できるマネジャー」になるには、素顔で疲れ果てる前に、仮面をかぶろう!……ということらしいです。時間作って正座して読みます。

4.
『戦わずして売る技術 クリック1つで市場を生み出す最強のWEBマーケティング術』 木下勝寿  幻冬舎

Amazon 売れ筋ランキング: 本 7位!企業経営ジャンル1位!著者著作累計40万部突破!!

東証プライム上場企業、「北の達人コーポレーション」社長、カツさんこと木下勝寿さんの最新作です。カツさんとは30年以上のおつきあい、大阪からたった一人北海道に渡り、大企業を作り上げました。どないしたらそないなんの?カツさんには、僕の最初の本が16万部とか売れた時には「どないしたらそないに本が売れんの?」と言われたものです。それがもういまや。しかも、カツさんは40万部本が売れても「そんなん印税とか別に関係あらへん。本読んで優秀な人材が会社に来てくれたらええんや」とのこと。どないしたらそないなんの? まだ読んでません!読みます。

5.
『富める者だけの資本主義に反旗を翻す』 原丈人  聞き手・奥野武範(ほぼ日) 新潮社

そんなカツさんばかりが勝つ資本主義社会に物申したくてこの本を手にしました。原さんはシリコンバレーで成功したベンチャーキャピタリスト。著者が語る「公益資本主義」の考え方は「豊かな中間層」を取り戻すこと。ほぼ日の奥野さんがじっくりお話を聞くスタイルが良いです。

6.
『トークンエコノミービジネスの教科書』 高榮郁  KADOKAWA

著者の高さんは、韓国から日本にいらして様々なビジネスを展開されています。彼が述べる「ブロックチェーンを活用した、新しい“お金”や“通貨”のありかた」。帯の推薦は加藤順彦さん。高さんはいま、私が一緒にお仕事をしたい方です。

7.
『ムダに悩まない練習 限りある時間を「行動」に使うための脳科学&心理学』 ハ・ジヒョン (著) たなともこ (訳) 大和書房

韓国でベストセラー。精神科医ハ・ジヒョン教授による「脳と心の仕組み」にもとづいた、無駄な悩みを減らし、本当に大切な悩みに集中する方法……。まだ読めてないのが今の僕の悩みです。翻訳はたなともこさん。

8.
『採U記』 日下慶太 ケンエレブックス

これは天下の奇書ですね。UFOを呼ぶ活動、略して「U活」。著者はコピーライターで写真家の日下慶太さん。彼は私の電通時代の後輩なんですが、在籍中も最高にわけわからなかったです。お互い辞めるべくして電通を辞めた感じです。まだ読んでる途中なんですが、意外や意外、これは頭のおかしい人の本ではなく、「啓示と行動」についての話だと思いました。しかし自分の頭が変になりそうで一気読みは困難です。読みます。

9.
『昭和・平成・令和 時代を超えていまなお心に残る 永久不滅の広告コピー』 宣伝会議 編集部  宣伝会議

いわゆる名作コピーについて、書いたコピーライター自身が解説している本です。掲載されているのは

わけあって、安い。(良品計画)/不思議、大好き(西武百貨店)/好きだから、あげる(丸井)/亭主元気で、留守居がいい。(大日本除虫菊)/史上最低の遊園地。(としまえん)/愛だろ、愛っ。(サントリー)/そうだ京都、行こう(東日本旅客鉄道)/NO MUSIC,NO LIFE.(タワーレコード)/野菜を見ると、想像するもの。(キユーピー)/愛に雪、恋に白。(東日本旅客鉄道)/モノより思い出(日産自動車)/やがて、いのちに変わるもの。(ミツカングループ)/考えよう、答はある。(へーベルハウス)/あした、なに着て生きていく?(earth music&ecology)/負けるもんか。(本田技研工業)/人間まるだし(Netflix)

などなど。新聞とかポスターとか、広告そのものが掲載されているのではなく、コピーは普通に写植で印刷されているんですが、それでもいいコピーは言葉に力があることを再認識しました。

10.
『存在の耐えられない愛おしさ』  伊藤亜和 KADOKAWA

あらためて読みました。文章の切れ味というか、なんか、真似できません。

11.
『マイ・ディア・キッチン』 大木亜希子 (著) 今井真実 (監修) 文藝春秋

毎話素敵なお料理が出てくる連作短編小説集。大木亜希子さんは、はじめてお会いした時は『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』を書かれる前だったと記憶しています。自分がどこへ向かうかお悩み中という感じでした。でもいつか覚悟を決めて、いまや逃げも隠れもしない小説家になられたと思います。すごいなあ。

12.
『この味もまたいつか恋しくなる』 燃え殻 主婦と生活社

ある料理やお酒を口にするとき、ふと思い出してしまう〝あの日、あの人〟奇しくも上の大木さんの小説と同じく、食べ物が全体のテーマになっています。……燃え殻さん初の長編エッセイ集ということですが、燃え殻さんは、なにを書いてもやっぱり「小説」だよなあと思います。燃え殻さんは、はじめてお会いした時は『ボクたちはみんな大人になれなかった』を書かれる前でした。自分がどこへ向かうかお悩み中という感じでした。でもいつか覚悟を決めて、いまや逃げも隠れもしない小説家になられたと思います。すごいなあ。



と、いうわけで読了したものもあれば読書中のものもあれば、積ん読状態のものもある8月の読書日記ですが、8月ということで再読、再再読、再々再読、いや、20回以上読んだ本もあるぞ?という「8月ならでは本」を以下に紹介します。中身に関しては……興味ある方はぜひ手に入れて読んでみてほしい本ばかりです。

13.
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 加藤陽子 朝日出版社

14.
『栗林忠道 硫黄島からの手紙』 栗林忠道 (著) 半藤一利(解説) 文藝春秋

15.
『洪思翊中将の処刑』 山本七平 文藝春秋

16.
『皇軍兵士とインドネシア独立戦争: ある残留日本人の生涯』 林英一 吉川弘文館

17.
『敗北を抱きしめて 第二次大戦後の日本人』 ジョン・ダワー (著)  三浦陽一 (訳) 高杉忠明 (訳)  岩波書店

18.
『〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性』 小熊英二  新曜社

19.
『日本語の外へ』 片岡義男 筑摩書房


ということで、読書日記でした。みんなもおすすめの本あったら教えてね。

ではまた来週〜。

 

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  • 田中泰延 映画/本/クリエイティブ


    1969年大阪生まれ 元・広告代理店店員 元・青年失業家 現在 ひろのぶと株式会社 代表