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2025年12月11日「街角diary」上田豪がお届けします。

上田 豪


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ちょいと気になる⑮

今週は木曜日はありません。

そんな週がたまにあってもいいと思うのは俺だけだろうか。
残念ながら木曜日は毎週必ずやってくるし一週間が5日になることもない無慈悲な世の中にお過ごしのあなた変わりはないですか。日ごと寒さが募ります。

さて、今週も「いま何を読まされたんだろう」という気分を味わえる日がやってまいりました。

与太話すぎてコメントすらつけにくい文章だと定評があるこの連載ですが、書いている本人が着地点どころか離陸場所すら見えないまま書いているのであんまり期待しないでつかあさい。


今日は12月11日の木曜日。時刻は午前3時15分。

街角diary木曜日担当の俺としては、料理人らしくなるべく新鮮な文章を新鮮そのままみなさんにお届けしたい、その思いで毎週これを公開当日の未明に書いてるしそして今日も例外ではないし、着てはもらえぬセーターを寒さ堪えて編んでます。

なんつって、キーボードを叩く手に任せるがまま何故かところどころに都はるみの「北の宿から」が出てきてしまったのはなんでなんだぜ、と言いたいところなのだが、どうやら親父が都はるみを好きなこととこの現象は無関係だとは言い切れない俺がいたりするわけで、目の前の文章に導かれるまま先を進めることにする。

ご存知の通り、都はるみといえば誰もが知る演歌界の大御所なわけですが、俺は彼女の芸名についてちょいと気になっちまったわけですよ。

彼女の芸名に潜むフレキシブル性。そこに気づいている人はいただろうか。俺がプロデューサーならそこに着目し、きっと曲に合わせて芸名を使い分けることを提案したことだろう。


例えば、

「北の宿から」を歌う時は、道はるみ。

「大阪しぐれ」「道頓堀川」を歌う時は、府はるみ。

特に場所の設定がない歌は、県はるみ。

アメリカの歌を歌う時は、州はるみ。
グローバルな対応も可能。


どうよこれ。

曲によっては「都はるみ」よりしっくりくるネーミングなのではないだろうか。

そして、彼女の歌を調べてみると大阪が舞台の歌と北海道が舞台の歌が多い。つまり、府はるみor道はるみがメインの芸名でもおかしくないのだ。

このあたりを親父に聞いてみようと思ったのだがこんな時間に実家に電話したら絶対なんかやらかしたのかと父親だけでなく母親にも詮索されるのでやめておいた。俺、56歳、一応社会人。


ちなみに、都はるみの名がしっくりくる東京の歌は、


「アンコ椿は恋の花」

「矢切の渡し」

「東京セレナーデ」


くらいか。
といっても東京都とはいえ「アンコ椿は恋の花」は伊豆大島、「矢切の渡し」は葛飾と松戸の係争地だし、「東京セレナーデ」は今でいう港区女子だ。ちょっと冗談多めだから信じるな。


ちなみに、とある場所や土地を想うときにそこに紐づいて誰かを連想してしまうこと(板橋といえばあの人を思い出す、所沢といえばあの人を思い出す、みたいな)や、その誰かのイメージに影響された印象をその土地に持つってのは誰にでもあるかと思う。

それは自分自身の体験に基づいている場合はもちろん、映画や歌やTwitterなど見聞きしたことに影響される場合も多いのかもしれない。


俺の場合、

横浜や横須賀で出会ったいい女の名前はほぼ全員がヨーコだし、
東北の気のいいおっさんはほぼ全員が吉幾三。

ちなみに吉幾三と浅生鴨のネーミングの考え方は同じなのではないだろうか。そしてもっというと吉幾三と中畑清は同じフォルダ内にいる人だが、浅生鴨が同じフォルダ内にいないのは彼が東北の人ではないからだと思う。

……脱線した。

なお、大阪のタクシー運転手はほぼ全員が川藤幸三だし、広島のタクシー運転手はほぼ全員が達川光男。もちろん嘘だと言いたいところだが本当だ。


*****


なんつってキーボードを叩く指に導かれるまま、いたずらに文字数を費やしたところで、現在5時25分。俺はいったい何を書いているのだろう。

と、ここまで書いて気づいた。

都はるみの「はるみ」の由来は東京の晴海なのではないだろうか。
だとしたら苗字を「都」としたのも頷ける。

と思いつつ、待てよ?もしかして?と念のために調べてみたら、なんと大阪には晴海台が、そして北海道には晴海町が存在した。

つまり、


どうでもいいか。どうでもいいな。

 

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  • 上田 豪 広告・デザイン/乗り過ごし/晩酌/クリエイティブ


    1969年東京生まれ フリーランスのアートディレクター/クリエイティブディレクター/ ひろのぶと株式会社 アートディレクター/中学硬式野球チーム代表/Missmystop