おはこんばんちは。
広告探偵の上田豪です。
なんだか最近、これまで俺が広告業界でどんな仕事をしてきたのかを知ってる人が身の回りにずいぶん少なくなったのかもしれん、と気づかされるような出来事が立て続けにあったりする今日子の吾郎なわけですし、この俺の37年間の仕事人生は別にパッとしない仕事ばかりしていたってわけでもないんだけどな、と言いたくなるような出来事も立て続けにあったりする今日子の吾郎なわけですが、みなさまは今年も残りあと3ヶ月を切っていることに気づいているのだろうかと思いつつ今週も書いております。
読後感についてはいつも通りかどうかわかりませんが暇つぶしにはなるかもしれません。
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はい。もうね、今日も例によって深夜だからね、とっとと本題入ります。
こういう与太話をラジオでやればいいんじゃないという一部の奇特な方の声にお応えして今日もやります。「あの名曲を再解釈してみた⑦」
いつものアレです。暇つぶしにご覧ください

まずはこの曲をじっくりとお聴きください。
はい。みなさんご存じ。
松田聖子の名曲「青い珊瑚礁」。
1980年の第22回日本レコード大賞:新人賞や、第13回日本有線大賞:新人賞など数々の音楽賞の新人賞を受賞したこの名曲。世間的にこの曲は「恋する女性のときめきを描いた曲」だと思われている。
だがしかし、決してそんな曲ではないということに俺は昔から気づいてたわけなのよ。なんちゅうかね。
もちろん、普通に聴けば夏の恋の歌だと思うだろう。青い海。南の島。恋する少女。歌い手は松田聖子。これ以上ないくらい爽やかである。ところが、歌詞を最初から順番に追っていくとどうも様子がおかしい。
そして俺はひとつの結論を導き出した。この曲はズバリ言って「暴走族、それもレディースの頭(リーダー)を描いた曲」なのである。
不良やってた俺にはわかる。すぐにピンときたね。もうね、間違いない。確信。ちなみに「自信が確信に変わった」のは松坂大輔だし、「もうパンツは履かない」のは勝新な。
さて。そんなわけでいまからその仮説をひとつひとつ丁寧に紐解いていこうと思う。
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それでは順を追って歌詞を見ていくとする。

不良はよく隠語で話す。そこを踏まえて歌詞を追っていけば俺の解釈が正しいことを証明できるだろう。
「私の恋は」とは。「私の小岩」。
つまり、主人公は東京都江戸川区小岩の女だということ。思いっきり総武線沿線である。
小岩を根城にする不良少女。当時は聖子ちゃんカットが大流行し始めていた。聖子ちゃんカットといえば、清純派少女の象徴のように思われているが、決してそうではない。
流行というものは人を選ばない。不良少女でも聖子ちゃんカットだった奴は大勢いる(当社比)。総武線沿線。小岩。聖子ちゃんカット。特攻服。そしてロケットカウルに3段シート完備の単車。満貫確定と言っていいほど情報量が多すぎる。
そして「南の風に乗って走る」とは。南へ向かって単車で暴走するってことである。この曲の場合は最初のフレーズにこの曲をどう解釈するべきかの最大のヒントが詰まりまくっているわけなのだ。

南に向かい単車を走らせる。ステップ下でぶったぎった直管マフラーを唸らせながら、主人公の目に飛び込んでくる青。それは前方にある青信号。例え赤信号であっても10連ラッパを鳴らしながら交差点に突入するわけなのだが、青いシグナルをみてさらにアクセルを開け風を切って暴走するのだ。「あの島」ならぬ「あのシマ」へ。
ここで地図をご覧ください。

右上が東京都江戸川区小岩。左下が東京都江東区亀戸。南西方向。どちらも川に挟まれた土地。どちらも島に見えなくもない。
しかし、そういうことではないのだ。「あの島」とは湘南に浮かぶ観光地の島のことでも、映画監督の篠田正浩さんの奥さんのことでもない。「あの島」とは小岩の彼女たちと敵対しているチームの縄張り(シマ)である東京都江東区亀戸を指している。
彼女たちはそのシマを我がものにするために、今まさに南に向かって走っているってわけです。わかりますか奥さん、これは恋愛などではなく暴走族の抗争です。これは訓練などではない。繰り返す。これは抗争の火蓋が切って落とされた瞬間なのだ。

「あなた」とは。男厳禁を掟とするレディースにおいて「あなた」とは主人公の愛する単車のこと以外にない。ナンバープレートもない単車にまたがりエンジンをかけ、マフラーが奏でる爆音を聞いた瞬間、学校のことも、親の説教も、門限も、明日のテストも、嫌なことは何もかもすべてを忘れることができる。


敵のシマを目前にちあきなおみ、もとい、血湧き肉躍り、リズミカルにスナップを効かせていつもよりも多めにコールを響かせながら、自分は小岩LittleGirlの頭として絶対にこのシマをモノにしてやるという熱い胸の内を表しているのがこの一節である。


夏の夜を切り裂いて走る愛車に身を任せ、素肌に風を受けながらキラキラと荒川の水面に光る街の灯りが眩しい。荒川と環七は小岩のシマと亀戸のシマを分ける境界線。ここまで来るともはやこの愛車となら、例え今一緒にいる仲間がいなかったとしても亀戸を奪える気がするという一種のトランス状態。集団での喧嘩の前のテンションはマジでヤバい。

このまま爆走して荒川を渡り切れば、いまだ手に入れられない南のシマ、亀戸だ。いよいよ抗争が始まる。

小岩から来てやったぞといわんばかりに亀戸に入るや、敵対チームを挑発するかのようにけたたましくコールを切りながら蛇行運転を繰り返す。
しかし、敵対チームとぶつかる前に交差点で検問に出くわしてしまう。ライトを消しアクセル全開で検問突破を試みるも、警察官の振り上げた警棒で叩き落とされてしまう。路上に転がる彼女を見やる警察官の視線は、風を受け続けたせいで涙が滲む目には何故か優しく映る。

警官に囲まれ、都合の悪い職務質問のオンパレードについ俯いてしまう。そんなことより愛車のタンクに描いた自慢の桜吹雪のことは聞いてくれないのかよ。

渚なんて女知らねえよ、モスグリーンなんて店も知らねえよと悪態をついていると、近づいてきた一人の警察官に耳元まで顔を近づけられ「道路交通法違反だ。一緒に署まで来てもらおうか」と告げられてしまう。ヤバい。愛車が押収される!

連行されながら、今夜の小岩から亀戸までの光景が脳裏をよぎる。
愛車と、仲間たちと、小岩から南へ向かった。
風も南から来た。南の風だ。南に向かっているんだから当たり前か。
これが南国の爽やかな風だったらどんなによかったか。
小岩と亀戸。こちら側と、あちら側。
自分たちのシマと、まだ自分たちのものではないシマ。
目に飛び込む青。
青信号。青になったら迷わず行けということだ。
小岩を出ろ。南へ向かえ。
荒川を越えろ。亀戸へ。あのシマを取りに行け。
この曲のタイトルである「青い珊瑚礁」。それは彼女たちの間での青信号の隠語であり、抗争に向かうことを指す隠語。つまり、この曲は小岩の不良少女たちによる亀戸進攻のテーマだったのだ。
なーんつって、
もしかしてクソ忙しい最中に、先週に続いてこんな与太話を夜通し書いている自分は馬鹿なんじゃないだろうかと思いながら今日は筆を置こうと思う。
どうでもいいか。どうでもいいな。
上田 豪 広告・デザイン/乗り過ごし/晩酌/クリエイティブ
1969年東京生まれ フリーランスのアートディレクター/クリエイティブディレクター/ ひろのぶと株式会社 アートディレクター/中学硬式野球チーム代表/Missmystop





