ちょいと気になる㉗
おはこんばんちは。
広告探偵の上田豪です。
今日はね、街角diaryはダイアリーだっちゅうことで、あくまでも日記だってのをね意識して書いてみたいと思うんだよね。なんちゅうかね。
というわけでね、前書きもそこそこに今日も「いま何を読まされたんだろう」という読後感を味わえる木曜日。例によって今週も見切り発車で着地点の見えない旅へ。
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4月1日。
いわゆるひとつのエイプリルフールと呼ばれる日で、世間ではそればかりがクローズアップされる日だったりするわけなのだが、ちょっと待って欲しい。
いいですか。エイプリルフールを訳すと4月馬鹿。
4月生まれの人間に対しては失礼な話だし、馬や鹿にも失礼な話や。それならいっそ公平に毎月1日はバカの日にでもしたらいいと思ってるんだひょ〜んって大友康平が言ってたとかいってないとか。
今年もエイプリルフールにちなんだ広告がいろいろとあったようで、賛否両論さまざまだけど、広告が注目されるという意味において広告屋の俺に取ってそれは喜ばしいことだ。
エイプリルフール広告は4月1日に見てもらわないと意味がない。4月2日の出稿ではダメなのだ。そしてなによりエイプリルフール広告ってのはクライアント企業と制作者のセンスが問われる場面でもある。
ちなみに俺にとってのエイプリルフール広告は、この原稿の右に出るものはない。

1990年4月1日。
当時駆け出しのデザイナーだった俺は、この広告にものすごい衝撃を受けたことを思い出す。
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4月1日。
新年度の始まりである。
とはいえ、俺のような組織に属さない人間にとっては、新年度の始まりといっても特に何かが始まるなんてことはない。
それでも何かが始まると強いていうならば、明日4月2日に掲載予定の「街角diary」の原稿を書き始めていることくらいだろうか。とにかく〆切までに書き終えなければならない。
そう思い立って数時間が過ぎた。
とにかく書き始める気だけはあったし、多少は文字が旅をし始めた。
数時間前を振り返れば、いつもと同じようになかなかはじめの一文が書けなかった。
これは、先に気持ちだけが電車に乗り、身体はホームに取り残されるあの感じだ。
それってどんな感じなんだ?と思ったあなたは正しい。
何故ならこれを書いている本人にもよくわからない比喩だからだし、俺はこれから何を書こうとしているのか、知っていたら誰か教えて欲しい。
途方に暮れてても仕方がないので、ここまで「始める」だの「始まる」だの書いてきた勢いで一部の人しか知らない秘密をしれっと書いてしまう。これを知ったら億り人への道へまっしぐら。猫大好きフリスキー。
「始める」という言葉は自分の側にあり、
「始まる」という言葉は向こう側にあるのだ。
一瞬どちらも同じように感じる言葉だが、明らかに立ち位置が違う。
始めるつもりでいたのに気づいたら始まっているみたいなことは生きているとよくあることだし、始めたと思っていたことがようやく始まったみたいなことも生きているとよくあることだし、それって恋愛の話?とか言われてもおっちゃんに聞くなといいたいところだし、だから何なんだと言われればそれまでだし、どうやらやっとエンジンがかかってきたみたいだし。ジャイアントキマラはなぜ裸足。

ちなみに「始」という漢字は女と台で構成されてるんだけど、何故その組み合わせが「はじまり」になるのだろうか。
命の始まりという意味で考えれば台という部分に胎児的な意味というか生む的な意味があるのかもしれないし、ないかもしれない。
単に台所を表すことで朝のはじまり的な意味なのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
いや、「始」の構成は女と台じゃなく、女とムと口なのかもしれない。
女が無口になると何かが始まるということなのだろうか。
適当すぎてよくわからなくなってきた。
いずれにしても「始まり」というものがどこかひとりでは完結しないもののような感じを受けるのは気のせいではないかもしれない。
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4月1日。
今日は朝から雨が降っていた。
窓から見た雨は決して強い降りだというわけではないが、すぐに止む気配もない、止めどきの分からない雨。雨音は初犯の調べ。小林麻美と言いたかっただけだ。
傘をさすほどでもないだろうと思いつつ家を出てはみたものの、やっぱり必要だったなと思い引き返す。その様がまるで4月1日と4月2日の関係に似ている。
玄関で傘を手に取り、再び出かけようとしたその時、下から突き上げられるように安アパートが揺れた。
揺れはすぐにおさまった。
この辺は震源から遠そうだけど、震源地では大きな揺れだったのではないかと瞬時に思えるような突き上げ方だった。
ちなみに「ゆ・れ・て湘南」といえば石川秀美(薬丸裕英の嫁)の名曲は地震のたびについ思い出す。
俺が心に飼っているのはどんなパブロフの犬なのか。
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4月1日。
そういえば、
「そういえば」と「総入れ歯」は似ている。
「そういえば安定剤ポリグリップ」だと勘違いするのも無理はない。
脱線した。
そういえば、
4月1日生まれと4月2日生まれでは、どうやら学年がひとつ違うらしい。
同じ年に生まれているのにも関わらず、たった一日の差で学年が違う別の教室に座ることになる。だいたい何故その境目をそこに引いたのか、せめて3月31日と4月1日のように月の境目で分けたらええやんけ。
と、ちょいと気になり調べてみた。
なんと、文部科学省のwebサイトに説明があった。引用するのもメンディ関口な硬い文章なので興味があったら見てみるがいいぜ。俺にはちょいと役所の文章はわかりにくかった。
ちなみに4月2日生まれには、本当の4月2日生まれと、本当は4月1日生まれなのに4月2日生まれということにしているなんちゃって4月2日生まれの人が存在するらしい。その理由は察してあげてほしい。
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4月1日。
バスに乗り最寄駅に着く。
駅前の桜は満開を過ぎ、もう引き返せないところまで来ていた。雨が当たってもまだ散らずに残っていた花は、雫を纏ってほんの少しだけ重たそうに見えた。
駅に入れば、改札の手前で初老の男にネクタイを直されている新社会人の若者が目に留まった。きっと親子なのだろう。思わず写真を撮りたくなるようないい光景を見た。
地震があったというものの電車はいつもの朝と変わらず動いていた。4月1日の今日も、昨日と同じように駅に停まり、駅に停まるたびに人が乗り込み、そして人を吐き出していた。おそらくそれは明日も変わらないのだろう。
新年度だからといって電車の中で特別なことは何も起きなかった。エイプリルフールだからといって車内アナウンスが嘘をつくこともなかった。
どうせなら思い切って嘘の車内放送とかしてみたらどうだろう。きっと乗り過ごす人が続出すると思うし、マジギレする人も続出すると思うけど、そのくらいの冗談は笑ってすませる人が増えるといいと思うし、そもそも俺くらいになると何もしなくても乗り過ごしちゃうし。
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4月1日。
ふと、車内を見渡せば、新品のスーツを着ている若者が多い。
目の前に飛び乗ってきた新社会人の肩には、細かい雨粒が残っていた。それがじわっと染みていくのを見ているとなんとなく落ち着かない。それでも明日になれば、その真新しいスーツにも少しだけ疲れが見えることだろう。
荻窪に着く。人の流れに押されて降りる。
降りたはいいがここがどこなのか一瞬わからなくなる。見慣れた駅のはずなのにほんの少しだけ見慣れない。こういう違和感がある時は危ない。そんな時は降り間違えるか乗り過ごしていることが多いのだが、今日は荻窪で間違いなかった。
「中央線には似ている駅が多すぎ問題」については後日議会で追求しようと思う。
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4月1日。
築地駅を出ていつも煙草を買うコンビニに入る。
濡れた傘の置き場に少し迷って、結局他の客と同じところに立てかける。その「同じ」が何故か今日は少しだけ安心する。
レジで「少々お待ちください」と言われる。料理のレシピでもそうなのだが、その「少々」がどれくらいなのか分からない。
とりあえず「大丈夫です」と答える。そこでふと「中将」とか「大将」と言われても「大丈夫です」と答えられるだろうかと自問自答する。
そもそも何が大丈夫なのか。俺は脊髄反射で答えただけなんじゃないのか。KANで答えただけなんじゃないのか。大丈夫と答えた意味が分からないままとりあえず大丈夫にしておく。それが大人の作法というものだ。
外に出ると雨はまだ続いていた。
相変わらず降りが強くなる様子はないが止みそうにもない。
雨音は初犯の調べ。
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4月1日。
この文章を書いている俺は、まだ4月1日にいる。
それを読んでいるあなたは、4月2日にいるかもしれないし、もっと後の日にいるかもしれない。
同じ年に生まれても、その1日の差で違う学年に分けられるように。
「始める」か「始まるか」の違いのように。
同じような一日を過ごしても、今日の自分と明日の自分は少しだけ違う場所に立っている。その違いは何なのだろうか。
その答えを俺は知っている。
4月1日と4月2日の違い、それは曜日だ。
どうでもいいか。どうでもいいな。
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【YouTube配信告知】
いよいよ明日の夜!
盟友である田中泰延と前田将多、そして上田豪の
YouTube配信「僕たちは」シリーズ第21弾。

「僕たちは 田中と 上田と 前田です」
2026年4月3日(金)20:00より。
お酒を片手にご視聴ください。
配信についての詳細はこちら
ぜひ、ご視聴ください!
上田 豪 広告・デザイン/乗り過ごし/晩酌/クリエイティブ
1969年東京生まれ フリーランスのアートディレクター/クリエイティブディレクター/ ひろのぶと株式会社 アートディレクター/中学硬式野球チーム代表/Missmystop





