ちょいと気になる㉘
おはこんばんちは。
広告探偵の上田豪です。
気づけば3月も残りあと少し。
なんちゅうかね、中学硬式野球クラブチームの代表の俺はね、この時期になると東京で行われる毎年恒例の春季全国大会の運営に追われちゃうんだよね。
なんかね、今年は3/26から3/30までの間、都内のいくつかの球場で早朝から夕方まで連日大会運営に携わっているからね、本業の仕事の対応は夜になっちゃうんだよね。何が本業なのかっちゅう話もあるけどね、どうかご了承くださいというかね。
さて。
世の中には紀行文という文章のジャンルがあるじゃないっすか。
ここを読んでくださる皆さんならご存知の通り、ひろのぶと株式会社から刊行された田所敦嗣さんの『スローシャッター』は、まさにそのジャンルの素晴らしい本だし、まだ読んだことがない方にはぜひ手に取って読んで欲しいわけなんだけどね、さらに言うと毎週金曜日に街角のクリエイティブで連載している『田所敦嗣の出張報告書』も素晴らしい、ザ・紀行文ですよね。
ちなみに、紀行文を略すと紀文なんだけどね。
旅の記録は練り方次第、タネ次第。
俺は一体何を言ってるんでしょうか。
そんでね、ラジオ大阪で絶賛放送中の『田中泰延のふたりごと』、その田所敦嗣さんゲストの回を聴いてた時にふと思っちまったんだけどさ、俺が毎週ここで書いてる文章ってのは、そもそもどんなジャンルになるんだろうってね。
そんでね、ちょいと気づいちまった。
俺の文章のジャンルは「紀行文」ならぬ「文紀行」。
いま一番新しいスタイルかもしれない。どうよこれ。
書き手の俺が旅の様子をしたためるわけではなく、俺の書いた文章が勝手に旅をする。書き終わるまで俺含め誰にもその行方がわからないところへ文章が飛んでいく。
そんでもって「したためる」があるならば、「うえためる」があるかというと聞いたこともない。似たところで「うえだメール」くらいか。
これぞ「文紀行」だし、郁恵の行方はラガーこと渡辺徹の嫁だし、
ナッキーはつむじ風。
もはや「文奇行」といってもいいかもしれないしほっといてほしい。
さらについでに言っておくと、「紀行文」って書くと女性の名前みたいなんだけど、「文紀行」と書くと男性の名前になるという発見までおまけについてきた。これについては早速学会に発表しようと思う。
というわけで、
今日も「いま何を読まされたんだろう」という読後感を味わえる木曜日。
例によって今週も見切り発車で着地点の見えない旅へ。
*****
紀行文ならぬ文紀行ということで、
今日は東京都の多摩地区にまつわる話をしたいと思う。
しかし何故唐突にそんな話をはじめるのか。それはたまたまだからでもなんでもなくて俺が住んでいる地域だからだし、例によって勢いのまま書いてみただけだし、始まりはいつも突然なのが人生だからなんだよ。
さて、ここからは多摩と聞けばみんなが思い浮かべる方々に登場してもらう。
まずは『ちびまる子ちゃん』のたまちゃんの登場だ。

「まるちゃん、多摩地域は東京だと思ってるかもしれないけど、三鷹より先は東京じゃないんだよ。市外局番が03じゃないでしょ?ほんとうは山梨なんだって通りすがりの豪さんが言ってたよ」
みたいに、よくまる子ちゃんはたまちゃんに諭されてたりしますよね。多摩地域ならではの、そんな牧歌的な光景を忌野清志郎ゆかりの多摩蘭坂あたりでよく目にするとかしないとか。
はい次。
浅草キッドの玉袋筋太郎こと、たまちゃん。

なにより公式webサイトを見ると真っ先に飛び込んでくるサイトのネーミングが「たまーらんど」。
新宿区出身なのになぜ多摩地域を彷彿とさせるサイトのネーミング(サマーランドはあきる野市)なんだろうと思ってたんだけど、プロフィールをよくみたらなんと東京で唯一の村(島嶼地域を除く)檜原村の観光大使なんだって。正直、知らんかった。
はい次。
タマ・トンガ。

新日本プロレスやWWEで活躍している世界的なプロレスラーなのだが、もはや多摩なのかトンガなのかわからないくらいにグローバルだし、実は多摩出身とかいわれたら人間不信になるかもしれん。
はい次。
地域の住人が絶対忘れないたまちゃんといえば、
アゴヒゲアザラシのタマちゃん。

20年以上前、ある日ふらりと多摩川にあらわれた「あざらしのタマちゃん」。当時は連日ニュースで話題だったし覚えている方も多いと思う。
日に日にタマちゃんフィーバーが加熱していく中で「タマちゃんを見守る会」みたいなものまで発足する始末だったわけなのだが、その後、荒川に姿を現したのを最後にタマちゃんは姿を消したのだった。
例えるなら、山田恵一がリバプールの風になったみたいな感じか。いやまったく違うか。
*****
タマちゃんはそもそも何故多摩川にやってきたのか、あなたは考えたことがあるだろうか。
たまたまだ、なんてことはなくてそこには理由があるはずで、そしてここからはそれを考え抜いた俺の仮説だ。心して読んで欲しい。
*****
タマちゃんはとてつもなく空腹だった。
かといって、その辺の適当な魚などで空腹を満たしたくはなかった。
タマちゃんはグルメだったのだ。
グルメといえば最近になってようやく広く世間にバレてきたが、多摩地域には昔から「武蔵野うどん」という最高に美味いソウルフードがある。
おそらくタマちゃんはその匂いを嗅ぎつけたのか、誰かから聞いたのか、とにかくそんな感じでどんな感じであんな感じで多摩川に姿を現したに違いないのだ。ほら、よく見ればうどん好きそうな顔してるじゃんタマちゃん。
ここで「武蔵野うどん」を知らない人に説明しちゃうと、「武蔵野うどん」ってのは、いわゆる“やさしいうどん”とは対極にある。
地粉で打った麺はやたらと太く、やたらと硬く、やたらと角が立った、コシがあるというよりゴリゴリの武闘派みたいな麺は、食べる人を選ぶ。
そして豚バラ肉が入る出汁の効いた濃いつけ汁を見れば、うどんにこだわりのある関西人は食べず嫌いのまま人生が終わってしまうかもしれない。
しかし、あざらしのタマちゃんはそうではなかった。っていうか関西出身のあざらしなのかどうかは知らんけども。
タマちゃんは我々のソウルフードを求めて、硬いうどんを咥えながら濃いつけ汁の中で泳ぐことを夢見ながら多摩川に姿を現したのだ。間違いない。
ちなみに俺が一番好きな武蔵野うどんの店は、東大和にあった「茂七」という店なのだが残念ながら今はもうない。つい「足乳ねの母は死にたまふなり」とか言いたくなるがそれは茂吉だ。とにかくここは本当に美味かった。
その「茂七」なき今、その雰囲気に一番近い店が小平市にある「小平うどん」だ。

もし武蔵野うどんを初めて食べる機会があったなら、タマちゃんに思いを馳せながらぜひこの店で、600gから始めてみてほしい。
でもさー、小平までなんて行ってらんないよーとお嘆きの貴兄に耳寄りな情報を載せるとすれば、自宅で作ってみるという方法がある。
武蔵野フーズという会社が作っている冷凍の武蔵野うどんの麺が、わりかしいい線いってるんだなこれが。ヤオコーで売ってるんだけど通販でも買えるのよ。
この麺を茹でて、冷水で締めて、鰹出汁のめんつゆに豚バラと長ネギを入れたつけ汁を作って食べれば、簡単に武蔵野うどんの雰囲気が味わえてたまらんのでお店まで行けない人はやってみてほしい。辛味大根のおろしと天かすを好みでトッピングしても美味いぜ。
なんつって、つい熱く語ってしまったわけなのだが、武蔵野うどんは多摩地域の人々にとっては昼飯界の王様なのである。もはやタマランチ会長とでもいうべきかもしれない。
*****
ところで、うどんを調理する際には欠かせない道具がある。
「おたま」だ。
鍋の中をぐるぐるかき回しながら、うどんのつゆを掬い上げる丸いフォルム。それはあざらしのタマちゃんに通じるところがあるんじゃなかろうか。
と書いていて気がついた。
「俺はあざらしではなくおたまなのかもしれない」
そう考えたタマちゃんは、武蔵野うどんを食べるためではなく、自分のルーツを辿るために多摩川に姿を現したのかもしれん。
っていうかそもそもオスなのかタマちゃん。
何だか今日は書いててとんでもないところに飛んでったなと我ながら思いつつ、先日小平うどんに行って注文したうどんを待つ間に厨房で忙しく調理する店員さんを見ながら浮かんだアイディアを最後に見て欲しい。
いっぺんに二人分よそうことができる!
忙しい飲食店に欠かせないスライド機構付きのダブルのおたま。
「金のおたまたま」。

こんなセクシーなおたまがあったなら、いくら忙しいお店でもうどんの提供スピードが多少早くなるだろうし、注文がたまることもないのではないだろうか。多摩地域の名産品としてどうだろう。
そしてタマちゃんはどう思うだろうか。
どうでもいいか。どうでもいいな。
*****
【YouTube配信告知】

盟友である田中泰延と前田将多、そして上田豪の
YouTube配信「僕たちは」シリーズ第21弾。
「僕たちは 田中と 上田と 前田です」
2026年4月3日(金)20:00より。
お酒を片手にご視聴ください。
配信についての詳細はこちら
みなさんの応援頼みの番組です。見てねー。
上田 豪 広告・デザイン/乗り過ごし/晩酌/クリエイティブ
1969年東京生まれ フリーランスのアートディレクター/クリエイティブディレクター/ ひろのぶと株式会社 アートディレクター/中学硬式野球チーム代表/Missmystop





