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2025年11月3日「街角diary」田中泰延がお届けします。

田中泰延


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上場するならカネをくれ

げんげん 現代日本語表現構造研究センター げつようび。おはようございます。

とにかく三連休の月曜日といえば私の当番なのである。

11月3日、きょうを過ぎれば、今年はあと1回しか三連休がない。

11月24日(月・祝)勤労感謝の日振替。

その日で地球は滅亡である。



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滅亡する前に生命保険は入り直しておきたい。

拙者、御年56歳。いまから生命保険に入るためには健康診断が必要となる。

保険会社だって、入ってすぐなんかあったら大損である。56歳ともなると、健康体であるという証明が必要だ。

鶯谷まで人間ドック的なものを受けにいった。9月のことである。



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即日、医師から診断結果が告げられた。

「40キロ体重を落としてください」

ハァ?

目の前にはゴムでできた脂肪の模型が置かれていた。医師は手に取ってみろという。

ずっしりと重い。野生の勘でなんとなくわかるのだが千グラムはあるのではないか。

「これを。40個分ですか」

「そうです。あなたの正しいBMIからすると現状、40キログラム超過しています。」

「飛行機だって荷物が20キロ超えると超過料金を取られるんですよ」

「ひとつではありません。ふたつです」

「とにかく、40キロ減らさないと健康体とはいえません」

「キュロキョロギュラムギュウ」

出典:YouTube



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あれからひと月半。

医師の指導により体重はもう7キロ減った。

医者のいうことはすごいのである。

ダイエットしていると口外するとだいたい、

「そのやり方はよくない」

「そのやり方は身体を壊す」

と言ってくる連中がいる。

理由は明白である。

彼らは、体重が増えたときにはなにも言ってこなかった。なのに、減った時はまるでダイエットのプロのように、力石徹に白湯を差し出す白木葉子のように警告してくるのである。

つまり、他人の体重が増えると嬉しく、減ると腹が立つのである。

太ったからといって見舞金をくれるわけではない。痩せたからといってお祝い金をくれるわけでもない。

「金は出さないが口は出す」の典型である。

しかも、医師に比べたらまるで素人なのに、言ってくるのである。

他人の言うことにいちいち耳を傾けていたら、最後はロバを背負って歩くことになる。

Grokが生成する画像はだいたい雑だ。


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あの脂肪の模型も買った。買っても何も嬉しくないが買った。けっこう高かった。

7キロ減ったといってもあと33キロ。

12月25日には医師との次回の面談がある。

滅亡しないようにがんばろう。

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    1969年大阪生まれ 元・広告代理店店員 元・青年失業家 現在 ひろのぶと株式会社 代表