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2025年9月1日「街角diary」田中泰延がお届けします。

田中泰延


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映画『タローマン』観ました!エンタメ新党番外編的な日記です。

げんげん 原始の げつようび。田中泰延です。

観ました!!映画『大長編 タローマン 万博大爆発』

ん〜 ばくはつだ

8/29(金)〜9/4(木)まで劇場限定の「宇宙大万博チケット」もらいました

TOHOシネマズ 渋谷で観たんですが、満員でした。みんなあたまおかしい。

岡本太郎と藤井亮

僕は大阪生まれ、しかも豊中市育ちですので、岡本太郎の「太陽の塔」は物心ついたときからそばにありました。

1970年の大阪万博の時はまだ1歳だったので行けてないんですけど、4歳の時、家族で万博跡地の遊園地「エキスポランド」へ行った時の、太陽の塔の前で撮った記念写真があります。

ちょうど、まさに最近、太陽の塔は重要文化財に指定されましたね。

映画は、ただひとこと、素晴らしかったです。

すべてが「でたらめ」で、すべてが「べらぼう」。
監督の藤井亮さんが、岡本太郎の魂を受け継いだ。

出典:アマゾン

この映画を作るのに、どれほどの困難があったでしょうか。「危険だと思う道は、自分の行きたい道なのだ」そう岡本太郎も言っていた。と藤井亮監督は語っています。

この映画はおもしろおかしいでたらめさや、懐古趣味、わけのわからない設定などを楽しむ、それだけでもじゅうぶんすごいのですが、真のすごさは岡本太郎の思想が、言葉が、藤井亮監督を突き動かしている、そのエネルギーにあるのではないでしょうか。2025年大阪万博が開催されたこの年にこの映画を観られたこと、同時代に藤井亮監督が生きていることに僕は感謝しています。

べらぼうなメモ

藤井監督は岡本太郎から太郎汁を注入されてこの映画を作ったのですが、彼がいままで生きて「あれ、面白い、好き」な要素を全部が全部ぶちこんでいるところもまた、すごいんです。

僕がこの映画を鑑賞してメモを取った一覧を紹介します。そうなんですよ。そんなら『田中泰延のエンタメ新党』で映画評を書けばいいじゃないか、という話なんですが、まだメモなんです。

こういうメモをとって、ひとつひとつのファクトをあたって、検証して書いていくのが『エンタメ新党』なんですが、今日は日記なので、あくまでメモです。なのでランダムにメモを公開します。

●ウルトラマン

出典:映画.com

タローマンは銀色!やっぱこうでなくては。

●若い太陽の塔

顔が太陽なのはこれですね〜。

●『モンスターズ・インク』

藤井監督はどう脚本を組み立てるか、にあたって『モンスターズ・インク』を参考にしたといいます。

●『アイアンキング』

出典:アマゾン

古代民族の末裔の組織が登場とか、さらには巨大ヒーローがどうも蚊帳の外的な展開があるなど、巨人のありかたとしては「ウルトラマン」よりこっちが似ている。

●『オズの魔法使』

エランはブリキの木こりを彷彿とさせますね。

●『ウィキッド』

出典:アマゾン

この映画は、「ミュージカル」でもあるんです。エランは緑色ですし。

●『チャージマン研!』

出典:アマゾン

途中、泣いていいのか笑っていいのか、でたらめな展開があります。

●ハリーハウゼン

出典:アマゾン

はい、エランが「ひとりハリーハウゼン」する驚愕のシーンがあります。エラン役でもあり、タローマンはじめとする多くのスーツアクターをこなすマイム俳優、岡村渉の演技がこの映画全篇を支えています。

●『ロボコップ』

機械の身体、人間の脳とくればこちらを外すわけには行きません。『キカイダー』『ロボット刑事K』の話は長くなるのでやめときます。

●『快傑ズバット』

出典:まんだらけ

僕の世代の「風来坊」といえばこの人。

●「ウルトラ兄弟」

出典:映画.com

集まって何かいいことあるのか、ないのか。とにかく兄弟は集まりがち。

●「トゥーフェイス」

『ダークナイト』のトゥーフェイス、『マジンガーZ』のあしゅら男爵、そして岡本太郎の『裂けた顔』。

●『トゥモローランド』

出典:映画.com

ディズニーの歴史に残る超大作にして大失敗作なんですが、『タローマン』を観たら観てほしいです。驚きます。ぼくの映画評はこちら

●『スターウォーズ』

出典:映画.com

いやはや、『大長編 タローマン 万博大爆発』の物語の壮大さは『スターウォーズ』エピソード4.5.6をいっぺんに合わせたようなものです。

●『時計じかけのオレンジ』

「秩序と常識」の脳に改造されたり、さからったり。実はキューブリックのこの映画と通じるものがあります。

●『未来世紀ブラジル』

出典:ブックオフ

こちらも、秩序と常識をめぐる人類の戦い。唐突に現れるロバート・デ・ニーロはタローマンかもしれない。

●『マトリックス』

人間はどこかで仮想現実を見せられているのでは?これは科学と哲学の両方にわたる疑問です。

●『百億の昼と千億の夜』

出典:アマゾン

こちらの未来都市「ゼン・ゼン・シティー」でも、人々はチューブに繋がれて仮想現実を見せられています。

●『シン・ゴジラ』

出典:アマゾン

藤井監督、やりたかったんでしょうね。たぶん樋口真嗣監督も大喜びだと思うのです。

●『2001年宇宙の旅』

出典:弦曲堂

エンドロールでびっくりです。あの時もそこにいたのかタローマン。

●ウギョー

出典:宣伝会議

藤井亮監督がクリエーティブディレクターをつとめた広告「日本建設工業」からあのウギョーが!

●川端英司

出典:YouTube

風来坊役の川端英司さんはこの石田三成のころから藤井亮監督とタッグを組み、ついに映画館の大スクリーンに。感動です。

●林彰人

大阪のCM音楽の天才、鬼才、林あきひとさん。田中もたくさん音楽を作っていただきました。主題歌「爆発だッ!タローマン」は映画のなかでたしか、3回かかります。僕はタローマン登場のファンファーレが好きです。

●アスペクト比

出典:Wikipedia

映画の歴史に残るでたらめを目の当たりにしてください。必ず映画館で観てください。

●「明日の神話」

僕はたまたまですが、渋谷で観られてよかったです。映画館を出たら絶対に見に行きたくなります。

なんだこれは!エンドロールの衝撃

エンドロールで衝撃を受けました。

なんだこれは!

田中泰延の名前が《協力》のところに!!
えええええ〜〜〜〜っ!!

パンフレットにももちろん僕の名前がありました。これはまったくの予想外です。どういうこっちゃ!

僕は、藤井亮監督とは前職の広告代理店勤務時代、デスクが10年間近く隣同士でした。机が隣なのに、仕事をいっしょにしたことはありません。よく喋りかけてくるじゃまなおじさんと思われていたのかもしれません。ですが、僕は藤井さんが普通の広告とはまったく違う「でたらめ」な何かを、たった一人で創り上げていくのを、ずっと見ていました。

お互い、会社員ではなくなったふたりですが、昨年、この映画を製作中の藤井亮監督に、絵コンテの一部を見せていただいたんです。

「ひろのぶさん、どうですか?どう思いますか?」

とそのとき聞かれました。

僕は絵コンテから読みとれるストーリーのあまりのでたらめさに、「私のようなものが意見するようなことなど」とお答えしましたが、完成した映画はその数億倍でたらめで、べらぼうでした。

僕と藤井亮監督。まんなかは祇園の豆珠さんです

「私のようなものが意見するようなことなど」とお答えしたらエンドロールに名前が載る…なんて光栄で、なんて藤井監督は律儀なのか。ありがとうございます。

今後はいろんな映画監督のところへ行って「私のようなものが意見するようなことなど」と言ってまわろうと思います。

3回観ます!!

映画『大長編 タローマン 万博大爆発』ぼくはまだ1回しか観ていません!そんなことはあってはなりません。パンフレットにも3回見るように指定されています。

応援上映があったら必ず行きます!声を合わせて「がんばるなタローマン!」と叫びます。

次からは赤青メガネを必ず持参します!
上映終了時には立ち上がって「ベラボー!!」と拍手します。

渋谷PARCO「ほぼ日曜日」で開催の『でたらめ!タローマン大万博』も必ず行きます。

あらためて藤井亮監督の大ファンになってしまった僕ですが、10年机を並べた先輩としてひとことだけ言わせてください。

撮影:藤井亮

「藤井亮はわしが育てた」

ではまた来週。

 

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    1969年大阪生まれ 元・広告代理店店員 元・青年失業家 現在 ひろのぶと株式会社 代表