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2025年8月25日「街角diary」田中泰延がお届けします。

田中泰延


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今日こそは言いたい

げんげん 限界 げつようび。日記を書けというならそらなんぼでもある。いろいろある。

だがそういうわけにはいかないのだ。言わなくてもいいことだが今日こそは言わせてもらう。大きな声では言えないが私は声を大にして言いたい。どっちや。

言うまでもないがそれは標準レンズと言われるものについての話である。言うとるやないか。

順番に行く。まず1つ目だ。2つ目から始まったら困る。

❶NIKON Df + AF-S Nikkor 50mm ƒ1.8G

わけがわからないと思うが次行く。

❷ Canon EOS 6D Mark II + シグマ 50mm F1.4 DG HSM | Art

いい加減説明しないとなにをやってるのかわけがわからない。

今日は何がしたいかというと、標準レンズについて撮り比べしたいのである。

標準レンズとはなにか。

35mmフルサイズセンサーのカメラだと、焦点距離が50mmぐらいで、写る範囲というか、いわゆる「画角」がだいたい45~47度前後のレンズである。

ちょっとセンサーが小さいAPS-Cカメラの場合、同じ画角だと35mmくらいのレンズになる。

もっとセンサーが小さいフォーサーズのカメラだと、25mmが、まぁ標準レンズということになる。

また、よく人にカメラを渡して撮ってと頼むとだいたい「ズームはどうやるんですか?」と聞かれる。

標準レンズというのは「単焦点」である。ズームはできない。大きく写したければ自分が前に出て、広く写したれば自分が後ろに下がるしかない。

次行ってみよう。

❸Panasonic DC-S5 + キヤノン EF50mm F1.8 STM

このカメラはLマウントというタイプで、キヤノンのレンズはくっつかないのだが、アダプターというのをかませばなんとかなる。

さてこの標準レンズ。便宜上、いわゆる「50mm」と呼んでおくが、

よく「標準レンズは人間の視野とおなじくらいで、見た目とほぼ同じ感覚です」

などと言われるが、本当か? と思う。

人間の見る範囲は、意識、つまり脳の働きで随分と可変する。意識を全体に広げれば景色が広く見え、見たいものだけに意識を集中すればかなりの望遠にもなる。フルサイズのレンズの画角でいうと、人間の目と脳は28mmから300mmくらいまでを自在に捉えることができる。

たとえば、富士山がまんなかにある景色があって、目でみたときは、広い野原を感じながら、なおかつ富士山もでっかく見えている。これは、見えているものすべてを、脳がめちゃくちゃうまいこと合成しているのだ。

でっかいはずの富士山やお月さんをスマホで撮っても、実に小さく写ってがっかりする。逆に望遠レンズで富士山や月を撮っても、なんだかゴツゴツした拡大写真である。

❹ Canon EOS 80D + キヤノン EF35mm F2 IS USM

ここからは、センサーがAPS-Cサイズのカメラが続く。なので画角をフルサイズの50mmぐらいにあわせると、35mmのレンズになる。

ちなみに、レンズには「絞り」というものがあって、「F値」と呼ぶ。

レンズの明るさを示す数字であるけれど、今回いろいろ撮ってる標準レンズというのは、だいたい「明るい」レンズである。いま撮影しているそれぞれのレンズは一番明るいのでF1.4、いちばん暗いやつでF2.0である。

で、その絞りを「開放」すると、ピントが合っていないところは「ボケる」という現象が起きる。

この撮影では、一番暗いレンズが「F2」なので、全部同じ「F2」に合わせている。

まぁホワイトバランスとか適当だし、三脚じゃなくて手持ちでいい加減に撮影しているので、厳密な画質比較とかでは全然ない。

❺Canon EOS Kiss X7 + シグマ 30mm F1.4 DC HSM

これなんか白いかわいいカメラである。なんで買ったのかはわからない。かわいいからか。レンズも白いのがあるけど、黒いレンズをつけると結局かわいくない。

このように、ピントが合ってるところはクッキリと写り、そのほかのところはレンズからの距離が違うので「ボケる」んである。ちなみに、「ボケ」という日本語は、近年では写真の世界で国際語になっていて、「BOKEH」という。要は “out of focus ”ってことです。

❻ NIKON D7000 + AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G

おっと、これはどこにもピントが合ってなかったです。私の責任。

今回、モデルを務めてもらったのは、

右京さん。

亀山薫さん。

富士山さん。

そして上田豪さんである。

4体のモデルさんは前後に置かれていて、レンズとの距離が違う。
右京さんにピントを合わせて撮っているから、
右京さんだけクッキリ見えて、ほかは「ボケ」の状態である。

薫とか豪とかいわれてもボケボケしてわけがわからない。

こんな感じで同じ画角になるように適当に撮影した。

❼ FUJIFILM X-H1 + フジノン XF35mm F1.4 R

この富士フイルムのF35mm F1.4 Rというのは世間ではなんだか「銘玉」とか呼ばれている。と、いわれましても私には違いがよくわからない。

❽ LEICA CL + ライカ SUMMILUX-TL 1:1.4/35 ASPH.

ライカ様である。いわゆるフルサイズのレンジファインダーでクラシックカメラっぽい「ライカM」ではなくて、APS-Cセンサーの変わったやつである。しかしボディもレンズもドイツ生産で、両方で50万円くらいはする。と、いわれましても私には違いがよくわからない。

❾ OLYMPUS PEN-F + パナソニック LEICA DG SUMMILUX 25/F1.4

最後の2機種はマイクロフォーサーズという小さなセンサーの規格になる。レンズはライカブランドだが、パナソニックが作っている、なんていうか、ライセンス生産みたいなやつである。

➓ Panasonic DMC-GM1 + パナソニック LUMIX G 25/F1.7

ラストは、マイクロフォーサーズ規格のなかでもたぶん一番コンパクトなボディに、パナソニックのレンズ。別にライカ銘であってもなくても、私には違いなどようわからない。

ちなみに、フォーサーズだと、画角(写る範囲)はフルサイズの50mmと近しいけれど、レンズそのものは25mmなので、いろいろと難しい問題がありますが、難しすぎて僕にはわかりません。

いかがでしたでしょうか。

僕にはさっぱり違いがわかりません。

カメラとか、レンズとか、どうでもいいです。

どこで写すか、何を写すか、誰を写すか、以外はどうでもよくて、写ればそれは写真です。

私はこんな重たいカメラ持って歩かないですし、写真を撮るのはスマホ、それも江戸時代のiPhone8です。うそみたいですが本当です。

そもそもなんで私はこんなにいらないものを買っているのか。この日記が妻に見つかったら私の身柄はどうなるのか。

以上、防湿庫に入ってるだけのカメラとレンズをちょっと動かした日記でした。

みんな、カメラなんかなんでもいいぞ。写れば。

うーん、先週はイベントとかいろいろ仕事したはずなのに、どうしてこんなことになってしまったのか。

やりたかったんやろな。

ではまた来週。

 

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    1969年大阪生まれ 元・広告代理店店員 元・青年失業家 現在 ひろのぶと株式会社 代表