ご挨拶
おはようございます。ひろのぶと株式会社で編集をしている、廣瀬翼です。
街クリ取締役・加納穂乃香氏の方針で、ここでは「PRは際限がないからナシ」なのですが、「本について話したい! 読んでほしい!」が強いもので。結果的には宣伝になってるやないかってこともあろうかと思いますが、ご勘弁を。楽しく前向き、あるいはほっこり、意味がなくて笑える、そんなお届けができればと思います。目標は唐木さんです。
また、お祭りで。

ひろのぶと株式会社の加藤さんは、毎年「徳島市阿波おどり」に踊り子として参加している。その加藤さんが3月頃、こんな話をした。
「お盆で家族ごとの多い時期だから、なぜ阿波踊りに心血を注ぐのか、家族の理解を得にくい人もある」
米澤渉『踊る阿呆の世界戦略』の7つ目のコラム「なぜ〝踊る阿呆〟は祭りに情熱を懸けるのか」は、こうして生まれた。

東京出身の僕でさえ、「今年はあの踊り子さんに会えるかな?」「あのお客さんは、声をかけてくれるかな」と、ウキウキしながら夏を待ち望む自分がいます。
米澤渉『踊る阿呆の世界戦略』P.251より
渉さんから届いた原稿に「素敵だな」と思っていたのが、4カ月ほど前。

先日、本屋B&Bで開催した『踊る阿呆の世界戦略』刊行記念イベント。いつもXで寶船の写真をアップしている方がご来場くださった。帰り際には「また、お祭りで!」と挨拶を交わした。
そうか、渉さんが書いていたことは、こういう気持ちかもしれない。ふと、そう思った。

本は刷り上がって終わりではない。何度も反芻し、体験し、そうして深まっていく。つくり手である編集者であっても、読者として本に育てられ、そして本を育んでいく存在なのだろう。改めて、そう感じる。

翌々日の神楽坂まつり。寶船の輪踊りでその方とお会いし、再び「また、お祭りで!」と手を振った。

阿波踊りのシーズンは、まだまだ始まったばかり。
皆様、また、お祭りで。

廣瀬 翼
レポート / インタビュー
1992年生まれ、大阪出身。編集・ライター。学生時代にベトナムで日本語教師を経験。食物アレルギー対応旅行の運営を経て、編集・ライターとなる。『全部を賭けない恋がはじまれば』が初の書籍編集。以降、ひろのぶと株式会社の書籍編集を担当。好きな本は『西の魔女が死んだ』(梨木香歩・著、新潮文庫)、好きな映画は『日日是好日』『プラダを着た悪魔』。忘れられないステージはシルヴィ・ギエムの『ボレロ』。