「GOOD INNOVATION LAB」で毎週木曜日18時に配信されている動画コンテンツ『広告図鑑』。ビジネスプロデューサーの宮本安祐佳さんとコピーライターの田中泰延が、さまざまな広告を紹介しています。
その『広告図鑑』を、『街角のクリエイティブ』でも特別に記事としてチラ見せ! 配信で取り上げる数々の広告の中から、毎回ひとつをピックアップしてご紹介します。
今回は、2月12日配信「1月上旬の広告」から見ていきます。
富士フイルム「お正月を写そう♪2026“チェキ”続・運命のもちつき」

富士フイルムのテレビCMです。

社名の「フイルム」の「イ」は大文字でお願いします。フイルムね。

はい。
「お正月を写そう♪2026“チェキ”続・運命のもちつき」篇です。

はい。
これね、商品がいいんですよ。5万円台で。僕もちょっと欲しいぐらい。

昔の「フジカシングル-8」、つまり8ミリフィルムカメラってのがあったんですけど。

大きさとか雰囲気もすごい似せて作ってあって。レトロな感じの。
で、動画も撮れるし、その動画のワンシーンをそのままビーってキャプチャーしてチェキが出てくる。
これは売れそう。みんなが欲しくなりそう。

確かに。チェキっていうレトロな要素も残しつつ、今っぽい動画もしっかり撮れるって、いい要素を掛け合わせたような商品ですよね。

でね、このダイヤルがすごく良くて。


1930年代、40、50、60、70、80、90年代、2000年代、2010年代、2020年代っていう風になってんですよ。画質をね、レトロっぽく10年刻みで下げていけるっていうね。

すごい。
今これだけ4Kとか8Kとか、どんどん色も鮮やかに画質が良くなっていく時代で、あえて画質を落とすというか、レトロにしていくみたいな需要って、どういうインサイトというか、あるんでしょうね。

古いデジカメも「エモい」って言われてますもんね、今ね。

画質が荒いやつとか。

まあ「Instagram(インスタグラム)」もそうでしょう。
インスタの写真って、元々「インスタックス」っていうのが、インスタントフィルムを使ったカメラのことなんですよね。正方形で上から出てくる。すぐ現像できる。
でもみんな、Instagramの「インスタ」がインスタックスだったってこと忘れてますよね。

確かに。もう忘れてますね。

つまり「ポラ」ってことなんですよね、Instagramって。
あれが出てきたぐらいから、「色褪せてる方がいいな」「鮮明すぎるのは良くないな」っていう流れがひとつできたんじゃないですかね。

うん。そうかもしれないですね。

8Kでドラマとかバラエティとか見ると、本当に毛穴とかも見えて、「別にそこまで映さなくていいんじゃない?」と思いますからね。

すごいあの生っぽさが、なんか、あんまり内容が入ってこないというか、逆に見づらい感覚ありますよね。

そうなんですよ。そこまでの画質は人間求めていないのではないかというのが。

そうですね。

ついね、商品がいいので、モノの話ばっかしてしまいますが、企画としては、あの映画『国宝』の吉沢亮と横浜流星。

注目の二人。

もう、この共演が実現しただけですごいじゃないですか。

いやー、本当に。
キャスティングもすごいですが、これ、あえて入れたんだろうなと思いつつ、みんなが見に来てるのはこの二人なはずなのに、結局自分のスマホとか、カメラの画面を見て……ちょっと皮肉というか。

はい。

見に来た人が、自分の目で見てないっていう。誰も見てないみたいな。
なんか今の時代の、皮肉とまでは言えないかもですけど、「こういうカット入れたんだ、へえ〜」と思って見てました。

東京ドームとかのコンサートでも「撮ってもいいよ」っていうアーティストもいるんですよね。そしたら全員が自分のスマホの画面見てて。「いや、目の前で演奏してるだろ」(笑)と思うんですけど。

いやー(笑)。
でもわかるんですよね。思い出として撮っておきたい、記録したい気持ちもわかりつつ、自分の目で見ないともったいないっていう、そのせめぎ合いっていうか。
そもそも子供の動画とか、ついつい撮っちゃいがちなんですけど、夫から「いやいや、ちゃんと自分の目で見た方がいいよ」って言われたことあって、そりゃそうだと思いながら……ほんとにね。

確かに、10年後・20年後には、撮っといたやつってすごい値打ちがあるというか、二度と撮れないからいいんですけど。
記録メディアとか記録媒体とか作って売っている富士フイルムが、「生の方を見てない」「誰も俺たちを見てない」っていうことをメッセージできるって、勇気がありますよね。

いやー、本当に、おっしゃるとおりだと思います。

CMの作りとしては、せっかくのキャスティングと商品なのに、ちょっと忙しいかなとは思いますけどね。

たしかに、そう……ですね。盛りだくさんではある。

この二人をキャスティングしただけでも大きいのに、そこにメインの契約タレントである広瀬すずが出てくるのがちょっと、忙しいんですよ。最後の尾美としのりとか、もう最高に忙しいですよね。これはね。

そうですね。CMの「画」としての要素もかなり多いので、ちょっともったいない気もしましたね。

正月だからいいのかもしれないですけど。

はい。でも、本当に豪華な方々を使ったCMでした。
* * *
● リモート会議に映り込んだ息子の「これ、コネ入社のオギタさん…?」発言が大惨事に
味の素「パルスイート®で、甘え曜日♪『あき子、在宅勤務をする。』篇」TVCM
● Perfumeに感謝を込めて大晦日に一度限りオンエアされた
NTT「ありがとう、Perfume」TVCM
● 結婚の報告を思わせるティザー告知
ファミリーマート「【ご報告】」公式SNS投稿
など、全部で10の広告事例を紹介しています。
ぜひ、全編もチェックしてくださいね!
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プロフィール

宮本安祐佳(みやもと・あゆか)
ビジネスプロデューサー
フリーランスのCreative Director&PlannerとしてCMやSNS、D2C、場づくりなどを手がけている。
X(Twitter):@ayuka_miyamoto

田中泰延(たなか・ひろのぶ)
ひろのぶと株式会社 代表 / コピーライター
東京コピーライターズクラブ、大阪コピーライターズクラブ会員。著書に累計20万部の『読みたいことを、書けばいい。』『会って、話すこと。』(ダイヤモンド社)、直塚大成氏との共著『「書く力」の教室』(SBクリエイティブ)。
X(Twitter):@hironobutnk
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