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ゲスト米澤陸【連載】米澤渉のふたりごと<第5回>

米澤渉


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NEO阿波踊り集団「寶船」のリーダー・米澤渉が、いま会いたい人・話したい人と、聞きたいことを語る「米澤渉のふたりごと」。第5回のゲストは、弟であり、寶船の「金髪の異端児」として親しまれている、米澤陸さんです。

ロボットダンスなどの表現を取り入れる、阿波踊りと個性について。30年寶船を共にし、そして音楽活動経験のある2人だから生まれる話題が次から次に登場! さあ、“ふたりごと”を、ちょこっとのぞいてみましょう。
(構成・編集:廣瀬翼)

【 プロフィール 】

米澤渉(よねざわ・わたる)

NEO阿波踊り集団「寶船 」連長/株式会社アプチーズ 代表取締役

1985年東京都生まれ。パフォーマー全員が赤い衣装をまとい、派手なメイクを施して激しく踊る独自スタイルの「NEO阿波踊り」で演者と観客が一体となる熱狂を生み、多数の海外ツアーも敢行。2025年までに世界26カ国で活動を展開してきた。2024年Forbes JAPANが選ぶ「カルチャープレナー(文化起業家)」30組の一人として選出された。2025年、初の著書『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)を出版。2025年10月、父・米澤曜より引き継ぎ、連長就任。

米澤陸(よねざわ・たかし)

NEO阿波踊り集団「寶船 」プロメンバー/株式会社アプチーズ 取締役

1991年東京都三鷹市生まれ。米澤家の次男として生まれる。1995年、父・米澤曜が「寶船」を設立したことをきっかけに、阿波踊りを始める。当時3歳。以降、第一線で阿波踊りダンサーとして活躍。高校卒業後、音楽・演劇などの活動を経て、2012年に寶船のプロ化に携わる。奇抜なメイクやオリジナリティー溢れるスタイルから、寶船のアイコン的立ち位置に。そのインパクトから「金髪の異端児」と称される。2025年夏には、自身が投稿した寶船の動画が1,000万再生を超えるバズとなり、話題に。

そんな角度から批判コメントが……?

陸くん、バズおめでとうございます!

はい(笑)。

1,180万回再生を越えたね。

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他にも、TikTokとか、Instagram、YouTube、Threads、Facebookにもアップしていて、それぞれかなり回っているから……合計するとすごい数字になると思う。

寶船の今年を象徴するような、過去イチのバズだから、めちゃめちゃうれしいよね。

……これ、「米澤渉のふたりごと」を見てくれている人だけに、ちょっとこっそり教えたいんですけど……

うん。

「寶船の金髪の異端児・たかしくんが表現する、誰にも真似できない唯一無二の世界。」みたいな、あの文章をアップしているのも、陸くんですからね!

(笑)。今、告白するんですけど、ここだけの話、全てのショート動画を投稿しているのは、僕です!

投稿文に「たかしくん」って書いてあって。で、コメントを見たら、まぁいろいろ、絶賛も批判もあるんですけど。

その中で1番くらいに多かった批判が、「30超えて“たかしくん”はないだろ」。

これまでずーっとね、「たかしくん」で投稿してきたから(笑)。

それで、よく寶船のショート動画を見てくださっている人だったら分かると思うんだけど、あの1週間後くらいから緩やかに「くん」をつけるのをやめています。

(笑)。

どうしようかなって。僕だったら「金髪の異端児 米澤陸が」って、固有名詞だけで書くか。あるいは「米澤陸さん」と、さん付けにするかで……今は、さん付けで投稿してみてるところ。

そういう、投稿してみて、思ってもいないところで突っ込まれることって、あるよね。いや、面白かった。

初めて知った「これが、バズなんだ!」

あのショート動画って、投稿したのいつだったっけ?

確か、8月14日の夜で。その日がまさに、徳島市阿波おどりの当日だったんだよね。

その2日くらい前にカメラマンさんに撮ってもらった動画を、夜9時頃、踊り終わってお風呂に入ろうという時に上げて。

その日は下北沢のお祭りを翌々日に控えていたから、深夜の12時から明け方にかけて徳島から東京へ車で移動してたけど、その車中で、もうずーっと通知が止まらず。

そっか、そっか。高速に入ったくらいから、「ちょっとこれ、なんだ?!」ってなったんだよね。

そうそう。

その動画を出す1週間くらい前から、ちょっとずつ寶船のSNS全体の数字が伸びてきている感じはあったんだよね。

でも、深夜12時を過ぎてここまで通知が止まらなかったことってなかったから。今回はちょっと、すごい数字に行くんじゃないかなと思いながら、その夜は寝たんだけど……。

次の日、お昼ぐらいに起きてみたら、もうスマホが爆発する寸前。

通知の嵐で、熱を持っちゃって(笑)。

コメントが何千件みたいな状態で。

基本、読みきれないよね。

読みきれない。

それまでも何度かバズったなって自分では思ったことがあったけど、コメントを読みきれなくなった時に「これが、本当のバズ……ここまできて、初めてバズと呼ぶんだ……」って思ったよね。

阿波踊りは本来、「個性を生かす」もの

今年は、ショート動画が結構正しくバズってくれたなと思っていて。

寶船の阿波踊りの演目自体が、もともと一人ひとりの個性を生かしていこうというスタイル。

で、ショート動画って縦画面だから1人の踊りを捉えるのに向いているというところで、寶船のやってきたこととショート動画のカルチャーがうまくリンクした感じがあるよね。

ショート動画自体はこれまでもずっと出していて。

陸のソロも過去に何回も出しているし、スイスのきれいな街で踊るとか、エッフェル塔の前で踊るとか。同じようなことをずっとやってるじゃない。

芸風、全然変わってないよね(笑)。

なのに、なんで今回はこんなにバズったのか………何か分かる?

いやー、やっぱりタイミングが徳島の阿波おどり期間中のまさにその時で、寶船以外のところでムードが高まっていたというのが1つ。

あと、徳島県に関係のないような方でも、「阿波踊り」ってワードだけはなんとなくイメージとしてあるというのが大きいんじゃないかなと思っていて。

その中で、多くの人が考える阿波踊りのイメージと、寶船のやっているイメージが違うということが、惹きつけたのかなって。

そこで、コメントとか見て陸くんに聞いてみたいなと思ったのが、よく「ロボットダンスに見える」みたいなコメントがね、あるじゃない。

はい、はい。

阿波踊りには昔から「見立て」という、徳利でお酒を飲むようなジェスチャーとか、今でいうパントマイムはあったし、その一環として日本舞踊とかでも人形になりきる演目とかが日本の伝統としてあって。

そういうことを踏まえると、ロボットダンスを取り入れることって、結構自然なんだけど、そこはどういう気持ちなのかなって。

そうだね、阿波踊りって基礎的なものがあって、そこからいかに飛躍していくかっていうのを楽しむもの。

だからもともと昭和の名人とかは、いかに基礎から離れて自分のスタイルを生み出すかっていうのがすごく重要で。もちろん基礎は基礎であるんだけど、全然違う自分ならではの個性みたいなものを見つけるっていう勝負をしていて。

そこが、今はいろんな人にちょっと誤解されているんじゃないかなって思ってる。

「金髪の異端児」ロボットダンスの発祥

これ、めちゃくちゃ覚えてるんだけど、僕がロボットダンスっぽいことを初めてやったのが、2011年のハワイだったんだよね。僕は20歳の年。

……あれが最初なんだ! 覚えてる、海沿いでしょ? ホノルルの。

うん、ホノルルのワイキキビーチ。『踊る阿呆の世界戦略』にも描かれている、2011年3月11日翌日の、ホノルルフェスティバルの時、人生初の海外ツアーで。

あれが初めてだったんだ、すっごく印象深かった。

あの時、ビーチ近くの路上でパフォーマンスをしようってなったでしょ? それで、人生で初めて海外のお客さんにすごく見てもらえて、めちゃくちゃ新鮮で。

どうせ海外でやるなら、世界の人にも何か喜んでもらえるような動きないかなと思って、咄嗟にロボットダンスっぽいモノマネみたいなことをしてみたら、意外とそれが僕の中でハマって。

「あ、阿波踊りとこういう動きって、一緒にできるんだ」って最初にそこで気がついたんだよね。

そこから15年近く経つけど、それを1つの技として磨いてきたみたいな感じ。

へぇ〜……!

僕の動画にコメント欄とかで、ダンスの素養があったり、いわゆる西洋的なダンスを習ってたりしたんじゃないかみたいなことを書いてくれる方がいらっしゃるんだけど、そんな経験は全くなくて。

完全に、僕はロボットダンス“ぽい”ものみたいな感じで、モノマネでやっているだけなんで……。

昔の昭和の阿波踊りの名人でいうと、葵蓮の小野正巳(おの・まさみ)さんは汽車の真似がお馴染みで「シュッポッポおじさん」と呼ばれていたり。

多分、「型を守れ」みたいなコメントをする人は、そういう昭和の名人の踊りを見たことがないんじゃないかな。

今でも、葵蓮の平岡誠司(ひらおか・せいじ)さんは、毎年その年のトレンドみたいなものを取り入れたり。

あと、最近SNSでも注目されている東京の華純連の熊木一美(くまき・かずみ)さん。僕、本当に小さい頃からめちゃくちゃ好きな方なんだけど、熊木さんも踊りの中に酔っ払っているような動きを入れたり、ひょうきんな動きを入れたりしていて。

寶船はそういう阿波踊りに憧れてきたから、僕自身も自分のスタイルが見つかってよかったなっていう感じで。

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だから、「型を守ったほうがいい」とコメントする人とか、あと「阿波踊りってソロがあるんですか?」って言われることもあって、そういう人ほど本当に阿波踊りの熱狂みたいなところに行って、全員バラバラの個性を出しているところを体感してもらいたいな。

止まらない、阿波踊り名人談義

とはいえ、阿波踊りって基礎的なスキルがしっかりある人のほうが飛躍できるって話もあって。

ギタリストでもめちゃめちゃ自由に弾ける人って、リズムギターがめちゃくちゃ上手いみたいなのと一緒で。リズムギターとリードギターみたいな感覚に近いというか。

ソロって言われたらソロができる。

そう、ソロなら自分のリードギターがめちゃめちゃできる人だけど、他の人が個性を出すタイミングでちゃんと背景にもなれるっていうところが、名人とただグチャグチャなだけという人とはちょっと違うかもしれないよね。

うん、うん。

名人であった四宮生重郎さんも、後年はマイケルジャクソンの「スリラー」やレディ・ガガで踊っていて。そういう映像も見て、憧れたよね。

そうそう。

あと、今話に上がった小野さんと四宮さんと並んで「阿波踊りの三羽ガラス」と呼ばれた姓億政明(せいおく・まさあき)さん。

もうシンプルに基礎がすごい方だけど、その姓億さんがたどり着いた境地が「面白い顔をする」っていう。変な顔が1番人は笑うんだ、そこが人を惹きつけるんだっていうところで。

浮世絵の写楽を真似た「写楽踊り」。

姓億さんがNHKか何かのテレビでインタビューを受けて「どうしてこの写楽顔を始めたんですか?」って言われた時に、「結局、楽しんでもらうことにアイデアを出さないと」っていう。

そう、そう!

今って、「阿波踊りとは何か」を語りすぎちゃってて、楽しんでもらう工夫を……

そう! 大前提ね。

“阿波踊りとして”楽しんでもらうと思いすぎちゃっているんじゃないかと。

守らなきゃいけないものって思いすぎちゃうと大きな挑戦ができないけど、名人みたいな人たちってきっと「阿波踊りが何か」みたいなことって、そんなに堅く考えていなくて。

とりあえず楽しんでもらうことだけ考えよう、みたいな感じだと思うんだよね。

白塗りはボーカル担当

歴史のことでいうと、ちょっとうれしかったのが、8月の徳島で徳島城博物館に行った時の話なんだけど。

ご縁あって館長さんにご挨拶できて、ちょうどその時に阿波踊りの歴史に関する展示がされていたので館長が一つひとつの展示を解説してくれたじゃん。

その中ですごく印象的だったのが、江戸時代の阿波踊りを描いたすごく大きな絵巻があって、「徳島の昔の人はこうやって阿波踊りを楽しんでいたんですよ」って景色の中に、輪踊りみたいに盛り上がっている人たちがいて。

あれだよね、櫓みたいなところの上にいる人たち。

そうそう。そこの太鼓叩いている楽器隊の人たちの真ん中に白塗りをしている人がいて、それで館長に「これはなんですか?」って聞いたら。

「この頃の阿波踊りは今よりもっと太鼓とかもめちゃくちゃにカオスな感じで、その中で、今でいうボーカル担当みたいな人が白塗りだったんですよ」

完全に僕じゃん!! 僕のことじゃん!

わっはははは(笑)。

その絵は人生で初めて見たんだけど、やっぱり江戸時代も1番目立ちたい奴は白塗りするんだと思って。そこが結構、うれしかった。

寶船を知らない人たちには「なんで化粧してるの? 白塗りしてるの? おかしいでしょ?」って言われるんだけど、資料館で江戸時代の阿波踊りの絵を見ると、結構白塗りしているよっていうのだけ、強く言いたいよね。

もともとは歌舞伎の模倣を庶民が、街でお祭りの時に楽しくやったのが始まりだからね。

戦後だけで見ると変に思われることも、もっと遡ると変じゃないんだよっていう。むしろ、伝統を重んじるんだったらそれは……って、逆に思っちゃうよね。

阿波踊りは歌舞伎とか以上に庶民文化だから、別にルールとかもほぼほぼなくて、その時々、時代ごとに面白いことをやっていたっていう。

資料館でもお神輿みたいなものを引っ張っていることもあったり。全然違うことをやってたもんね。

アイコニックなキャラクターが好きだから

陸はチャップリンとかボブ・ディランとかも好きだけど、そういう外の文化と阿波踊りの関係みたいなのってある?

僕が好きになる人ってアイコンになる人だなって最近思って。チャップリンも、ボブ・ディランも。ディスニーならミッキーマウスとか。ロックスターで言えばミックジャガーでも、矢沢永吉でも。

イラストにした時に誰が見てもこの人だってなる、アイコニックなキャラクターに自分を落とし込んでいる人が好きだなと。

うん、うん。

僕が白塗りして寶船で踊っている時に意識しているのはそこかも。マスコットキャラクターじゃないけど。

だから、自分はやっぱりキャラクターに変身することが好きなんだなっていうのは思うかな。

金髪・白塗りって、イラストも描きやすいもんね。

そう。だから、本当は絵はあんまり得意じゃないんだけど、自分のサインには自分の顔をイラスト化して描いてるからね。

白塗りを始めたのって、単独ライブをやり始めた頃だよね。

そうそう。僕が高校2年くらいだったかな。

お父さん・お母さんが演劇をやっていたから、押入れの奥にあった道具箱から舞台用の化粧品を持ってきて使っていいよって渡してくれて。

演劇ではステージ上だと素顔に見える役でも全員が舞台化粧をするから、みんな肌色のドーランを塗ってナチュラルメイクにしていたけど、そこに白塗りの道具もあったんだよね。

それを使ったら、白塗り面白いじゃんってなったっていうか。

今でも全員メイクはしているけど、その色で個性を出すっていう。

あと、根本をもっと掘ると、3歳から阿波踊りを始めて、小学生の頃は阿波踊りが上手いってだけで拍手もらえてたんだけど。それが、中学に上がったくらいから通用しなくなってきて。身体も普通に大人くらいの大きさになってくるから。

当時、同級生も一緒に阿波踊りをやっていた中で、飛び抜けて注目を集めることができなくなってきている。じゃあ次はどういう方法で寶船で目立てばいいかなって考えた時に、変身しなきゃと思って考えついたのが化粧だったっていう。

自分の中の芸能として人と違うことをやらなきゃって思って、編み出したみたいなところはあるかな。

白塗りを応援した人が、続いている

僕それで好きなエピソードがあって。

同級生も一緒に阿波踊りしている中で、最初にメイクした時に周りの子が「なんだそれ? どこに向かってるの?」って言ってきたけど、むしろそれで「これだ!」と思ったっていう話。

そうそう。

その時に「いいじゃん、いいじゃん」と言ってくれたのは米澤一家と、樫本くんと鎌田くんだけだったんだよね。あと、浩司は化粧がいい・悪いじゃなくて、「陸がやりたいことするのが1番だよ」みたいな感じだったかな。

で、すごく面白いのが、あの時僕が化粧することへ前向きに応援してくれた人が、今ベテランとして全員残ってて。

へぇ〜! すごい。

他の「化粧とかしないほうがいいよ」って言った人って、たいてい早めに辞めちゃってる。

ある意味、そこが境目というか、分岐点になってるんだよね。

ショート動画とかもそうだけど、賛否が分かれる、むしろ否のほうがちょっと多いかなくらいの挑戦のほうが、もしかしたらインパクトは大きいから、ここまでやれているのかなとも思うよね。

そうなんだよね。

それで僕、ショート動画をつくるときに意識しているのが、良くも悪くも寶船を初めてみた人にとってパッと目につくのは僕だと思うんだけど、そこからそれぞれのファンの人が自分の推しをつくれるようにしたいなと思っていて。

僕から入った人も、伊織くんのファンになったり、渉くんの『踊る阿呆の世界戦略』を読むきっかけになったり。

うん、うん。

ミッキーマウスだって、ディズニーランドに1匹しかいないから、ミッキーの他にいろんなキャラクターを好きになってもらいたいのと一緒で。

僕がきっかけだとしても、寶船には僕以外にも面白い人がいっぱいいるから。いろんな人を好きになってもらえるようにってところは意識してるかな。主人公っぽい人だけを置くんじゃなくてね。

また、上手い子が人気になるかといったら、そんなことないしね。それもまた、面白いんですよ。

「無責任の陸」が大事

前回の「米澤渉のふたりごと」は萌ちゃんだったんだけど、改めてこうやって話すと、兄弟でも全然違うよね。

責任感の萌と……

無責任の陸(笑)。

めっちゃいい(笑)。「無責任の陸」って……あぁ、おかしい(笑)。

会社としても長男長女は「代表取締役」だけど、僕はそういう代表の役職はないからね。

でも無責任というか、背負わないで我が道を行っている人がフロントマンとしているから、大事よね。大事よ。

昔、ラジオか何かで聞いたんだけど、ザ・ドリフターズは高木ブーの位置が重要なんだみたいなことを言ってて。

志村けんとかいかりや長介みたいな人だけだと、チームとして面白くなくて。高木ブーのボーっとただ寝ているだけみたいな無責任なポジションが、実はチームの面白さをつくってるんだって。

いやぁ、結局ビートルズもリンゴ・スターがいたから良かったんだよね。めっちゃわかる。ストーンズで言うと、チャーリー・ワッツがいるから、みたいな。

そうそう。

逆に言うと、責任があるリーダーでみんなを仕切らないといけないタイプだと、白塗りはやらないと思うんだよね。

いや、そうなんだよ、やれないんだよ。見本にならないといけないから。

だから僕は、むしろプロ化する前までは1番危ないことをやってやろうみたいな、衣装脱いじゃったり走り出したりとかやってたけど、プロになって責任を持ったら1番普通の感じになっていったというのもあって。

でも、ポジションによって暴走する人も必要だし。

実はこの10年で1番芸風が変わったのは、僕じゃなくて渉くんかも。

確かに……音楽もね、僕はシャウト系のロックバンドやってて、陸はアコースティックでささやく系を歌ってたから(笑)。絶対叫ばない歌だったもんね。

今、逆だもんね(笑)。

だから、ある意味では無責任でいることが、僕の大事なとこかな。

編集部セレクト 寶船の動画

寶船メンバーがゲストの回には、YouTube「寶船 TAKARABUNE」チャンネルから1本の動画をセレクトして紹介します。

今回は、米澤陸さんのロボットダンスが生まれた2011年3月のハワイ・ワイキキビーチ沿いの路上パフォーマンス。

陸さんはまだ黒髪ですが、この時からすでにメイクをし、初めての「阿波踊り×ロボットダンス」とは思えない動きと表情を見せています。さらに、実はこの日生まれたのはロボットダンスだけではなかったのだとか……!

パフォーマンス動画後のトークでは、2011年3月11日当時の状況と心境も、実際の現地の映像とともに語られています。

この時にしか出せないエネルギーと寶船の原点を感じられる1本です。

(構成・編集:廣瀬翼)


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米澤渉さんの著書

踊る阿呆の世界戦略

踊る阿呆の世界戦略
世界26カ国を熱狂させた NEO阿波踊り集団 寶船の挑戦

米澤渉|ひろのぶと株式会社

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  • ■ 配信期間:2025年10月25日(土)〜12月31日(水)23:59まで
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    NEO阿波踊り集団「寶船 」連長/株式会社アプチーズ 代表取締役。 1985年東京都生まれ。パフォーマー全員が赤い衣装をまとい、派手なメイクを施して激しく踊る独自スタイルの「NEO阿波踊り」で演者と観客が一体となる熱狂を生み、多数の海外ツアーも敢行。2025年までに世界26カ国で活動を展開してきた。2024年Forbes JAPANが選ぶ「カルチャープレナー(文化起業家)」30組の一人として選出された。2025年、初の著書『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)を出版。同年10月、父より引き継ぎ連長就任。