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大ヒット映画『8番出口』は佐藤雅彦イズムの継承|10月2日(木)配信「佐藤雅彦さん特集2」より

街クリ 編集部


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GOOD INNOVATION LAB」で毎週木曜日18時に配信されている動画コンテンツ『広告図鑑』。ビジネスプロデューサーの宮本安祐佳さんとコピーライターの田中泰延が、さまざまな広告を紹介しています。

その『広告図鑑』を、『街角のクリエイティブ』でも特別に記事としてチラ見せ! 配信で取り上げる数々の広告の中から、毎回ひとつをピックアップしてご紹介します。

今回は、10月2日(木)配信「佐藤雅彦さん特集2」より、映画『8番出口』が生まれた背景と、ソニー・コンピュータエンタテインメントのTVCM「I.Q」を見ていきます。

▶︎10月2日(木)配信「佐藤雅彦さん特集2」より 全編の動画はこちらから

佐藤雅彦が大ヒット映画『8番出口』に与えた影響

本日の広告図鑑は、「佐藤雅彦さん特集2」ということでお届けしていきたいと思います。

念願の、ですね。

第一弾が3〜4カ月前でしたね。 この第2弾に合わせて、第1弾も見ていただけたら嬉しいなと思います。

はい、こちら佐藤雅彦さんです。

クリエイティブディレクター、映像作家。

東京大学教育学部で教育学を学んで、その後、電通で、コイケヤのスコーン」やNECの「バザールでござ〜る」などヒットCMを手がけた後、独立してプレステーションのゲーム「I.Q」を作って大ヒット、それから皆さんよくご存知の「ピタゴラスイッチ」や「だんご三兄弟」も手がけて。

慶應大学教授から今、東京藝術大学名誉教授ということで、本当にユニークなものを作ってこられた。

そして、いま公開中の映画『8番出口』にも大きく影響を与えています。

映画『8番出口』、本当に大ヒットですね。

ホラーミステリーなんですけど、予告篇を見ていただいたように、地下鉄の駅の構内だけで進んでいくんですけど、これがすごい迷路構造でこれ、まさに佐藤雅彦さんが、「I.Q」とか「ピタゴラスイッチ」でずっとやってきた迷路的構造っていうもので。

どっから出てきたんだろうなと思ったら、この映画の脚本を手がけた平瀬謙太朗さんは、佐藤雅彦研究室出身なんですね。

だから、佐藤雅彦イズムを追求してこられて、ああいう迷路的構成というものを作り上げていったと。

監督の川村元気さんもおっしゃっています。 「佐藤雅彦さんがずっとおっしゃっているのは、つくり方をつくる」と。

作り方を新しくするということがこの映画にも生きていて今の大ヒットにつながっている。

以前、僕のこの配信で、佐藤雅彦の教え子たちがCM界で活躍してない、なんでだ、もっと出てこいって話をしたんですけど、映画界で活躍しているんですね。

本当に。

「つくり方をつくる」っていうこと、CM業界のCDとかプランナーで「この人のやつだよね」みたいなのあんまりない気がしますよね。 まだまだない。

映画『8番出口』は「佐藤雅彦ワールド」じゃん、って思えるので、今日は名作をたくさん見てください。

PlayStation「I.Q.」TVCM|株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント

では、こちら。

ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション用ゲーム、「I.Q」のTVCMです。

いわゆる「落ちものゲーム」ですね。 あの佐藤雅彦さんがテトリスをヒントにね、じゃあ、それを3Dでやったらどうかっていうのを、当時の初代PlayStationで実現して大ヒットして。

これなんか映画『8番出口』につながっていくもので。

うんうん、つながりますね。

これ当時、僕買って、一日5時間ぐらいやってました。

テトリスと同じことをやるんですけどね。

逃げ回る人がいるっていうだけで、全然プレーの没入感も違う。

あとテトリスは平面ですけど、縦横高さの概念が加わるので、一気にゲームは高度で複雑になるわけですよね。

いやいやいやいやいや、これは。

佐藤雅彦イズムというのは、数学の極みじゃないですか。

これがこうなったら、こうなるということでね。

そして、子供でも誰が見ても面白い。

そうなんですよ。 それが佐藤雅彦さんのすごいところ。

その普遍性ですよね。

何か偏ったメッセージがあるとかでもなく、純粋に数学的なものは面白いっていう。

はい、確かにそうですね。

理屈を突き詰めて考えたら、ついに理屈じゃないところ、みんなが理屈なく楽しめる、愛せるところに到達するっていうのが、一番すごいところだなと思うんですね。

例えばビートルズのメロディー進行とか、コード展開、メロディー、アレンジも、歌詞もそうなんですけど、めちゃくちゃ考え抜かれて構築されたものっていうのは、最後、何の理屈もなく、人々が愛せるものになるというね。

ここが素晴らしい。佐藤雅彦さんの素晴らしいところも同じだと思います。

本当に、素晴らしい。

そんな佐藤さんの「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」横浜美術館でやってますので、ぜひ見に行っていただきたいなと思います。

本当に勉強になることばっかりだと思います。


10月2日(木)配信「佐藤雅彦さん特集2」では

  • ・コイケヤ「ジャガッツ」TVCM
  • ・コイケヤ「ドンタコス」TVCM
  • ・コイケヤ「ポリンキー」TVCM
  • ・コイケヤ「スコーン」TVCM
  • ・NEC「バザールでござーる」TVCM
  • ・JR東日本「じゃんじゃかじゃーん!」TVCM
  • ・JR東日本「GALA湯沢」TVCM
  • ・トヨタ「ファンカーゴ」TVCM
  • ・フジテレビ「「それ、世の中、動かしてますか?」TVCM
  • ・ソニー・コンピュータエンタテインメント「I.Q」TVCM
  • ・NHK「ピタゴラスイッチ」
  • ・NHK「だんご三兄弟」

の、全部で12の佐藤雅彦さんの名作を完全解説しています。

ぜひ、全編もチェックしてくださいね!

※『広告図鑑』の視聴には、GOOD INNOVATION LABのプレミアム会員登録が必要です。

プロフィール

宮本安祐佳(みやもと・あゆか)
ビジネスプロデューサー
フリーランスのCreative Director&PlannerとしてCMやSNS、D2C、場づくりなどを手がけている。
X(Twitter):@ayuka_miyamoto

田中泰延(たなか・ひろのぶ)
ひろのぶと株式会社 代表 / コピーライター
東京コピーライターズクラブ、大阪コピーライターズクラブの審査員も務める。著書に累計20万部の『読みたいことを、書けばいい。』『会って、話すこと。』(ダイヤモンド社)他。
X(Twitter):@hironobutnk

GOOD INNOVATIN LABとは

世界のイノベーティブなヒト、モノ、コトを紹介するコンテンツサービス。コピーライターのオンライン講座をはじめとして、広告プランニング、クリエイティブディレクションなど、大手広告会社で活躍する一流のクリエイターからクリエイティブの知識と技術が学べる講座、イベントが充実しています。

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