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2025年9月17日「街角diary」廣瀬翼がお届けします。

廣瀬 翼


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ひろのぶと株式会社の築地オフィス、夕方恒例のお茶タイム。

お盆に大阪の実家へ帰った際に父から譲り受けてきた北陸のスナック「ビーバー」を、しゃちょう(田中泰延)、加納さんとともに食べた。

この日開封したのは、「鯛の昆布締め味」「ノーマル」「カレー味」。

作業中の加納さんを待ちきれず、「鯛の昆布締め味」を食べ出したしゃちょうと私に、加納さんが「私そんなに食べてない!」と言う。

いつものように取り分のことで喧嘩をする、しゃちょうと加納さん。黙ってモソモソと食べ続ける私。

「大丈夫や、まだ加納さんの分もある」と、しゃちょうが「ノーマル」を開け、気がついたら「カレー味」にまで突入していた。

スナックのお供には、いただきものの濃〜いジュース。

『スローシャッター』著者の田所敦嗣さんにいただいたという、「BRASIL」と描かれた栓抜きで開けた。

ひととおり楽しい会話が終わり、「ビーバー」3袋も空になり、廣瀬は仕事机へ、しゃちょうはベランダの喫煙ゾーンへ向かう中、加納さんはまだ大テーブルでジュースをちびちびやっていた。


田中「ジュース、濃すぎた? 苦手?」

加納「いや、じっくり味わっているだけ」

田中「そうか」

加納「あげへんしー」

田中「実はちょっと狙ってたのに」

加納「あげへーん」

田中「……降格! 言い方がなんか、降格!!」

加納「降格(笑)」

田中「平社員から、ひらひら社員!!」

加納「私、事務局長やし」

田中「ちっ!」


彼らは忘れている。加納さんは株式会社街クリの取締役であるということを。

そして、彼らは気づいていない。会社にあった「ビーバー」を、こっそり1番食べているのが廣瀬だということに。


ひろのぶと株式会社は、いつもこんな感じだ。平和です。

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    1992年生まれ、大阪出身。編集・ライター。学生時代にベトナムで日本語教師を経験。食物アレルギー対応旅行の運営を経て、編集・ライターとなる。『全部を賭けない恋がはじまれば』が初の書籍編集。以降、ひろのぶと株式会社の書籍編集を担当。好きな本は『西の魔女が死んだ』(梨木香歩・著、新潮文庫)、好きな映画は『日日是好日』『プラダを着た悪魔』。忘れられないステージはシルヴィ・ギエムの『ボレロ』。