明治のテレビCM 「明治 生のとき『はじめまして』篇 」 です。

はい。

新垣結衣さんが出演で、「初めてチョコレートを食べた人は、どんな時を過ごしたのでしょう？ 」と問いかける。

で、初めてこの「生のとき」って新商品を口にすると、「新しすぎてチョコレートとは呼べない」と。

これはね、苦しまぎれなのか発明なのか、つまりチョコレートと準チョコレートってありますよね？

いろいろ厳密に決まってるんですよ。これはどっちにも属してない製法とか成分なわけですよ。

チョコレートと一言も書いてない商品パッケージ。だからこれ、チョコレートじゃないんですよ。

なるほど。

でも「新しすぎてチョコレートとは呼べない」という、ちょっとわけのわからないコピーに落としている。

これ、だからビールとは呼べない発泡酒とかなんだかんだが出てきた時と同じ現象ですよね。

なんか「初めてチョコレートを食べた人は……」ってセリフから始まるので、チョコレートのCMだと思いきや、チョコレートのCMではないというのが食品の……薬事法ではないとは思うんですけど、表現としてギリギリを攻めた感じなんですね。

なんでこんなギリギリを攻める必要があったのかって思うんですけど、

たぶんね、明治はこれから第三のビールじゃないけれども、チョコレートとは呼べない成分だけど消費者が美味しく感じられる「チョコレート風食品」というのを、いろいろ出していくんだと思います。

で、それはたぶん利益率が高かったり、チョコレート類似と思われるけれども、売価が安かったりとか、いろんな事情があるんだと思います。 それを企業努力で開発に成功したと。

これ、ビールのCMだとしたら「初めてビールを飲んだ人はどんな気持ちだったでしょう？」みたいなこと言って、最後に飲んで、「新しすぎてビールとは呼べない」っていうふうに置き換えると、変なCMだということがわかりますよ、これ。

確かに！

新しすぎてなんか良いのか悪いのかもわからないですが、でも「チョコレート」ってやっぱり言わないと、味の表現っていうか、分からないですよね。

パッケージは「これ、チョコレートじゃないのか？」とか思いますし。

これはすごいですよね。 つまり、新垣結衣の言ってることが、前半とラストでは全然関係ないっていうことですよね。

これはもうある種の優良誤認だけど、広告って難しくてですね。

この商品が大ヒットしたら、「なんとうまいコピーだな」。って言われるし、売れなかったら「姑息だったね」って言われる。

これがまた広告の、後になっての評価の世界ですね。

これ……クライアントからブリーフィング受けた時、企画を考える方はすごい悩んだんじゃないですかね。