俺たちはずっと阿呆のままいられるのか
俺は今56歳である。
人間の年齢で56歳というのは、猫年齢でいえば10歳に相当するらしい。
つまり猫年齢でいえば56歳というのはまだ小学生みたいなものだ。
時に誰かが俺を評して「小学生のようなおっさん」と言ったりもするのだが、これからは「おっさんのような小学生」と言ってほしい。きっと脳内がバグると思う。
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2025年8月19日。
7年ほど前から年に3回の頻度で続けてきた田中泰延、前田将多とのYoutubeLive配信も19回目。
第19回 僕たちはずっと阿呆のままいたい
しかし今回、残念ながら4年に一度の尿路結石に見舞われてしまい(前回街角diary参照)、出席したいという強い意志がありながらも医師からの勧告に従い、泣く泣く欠席することになってしまい、出演者の方々やサポートしてくれている視聴者の方々には、本当にご迷惑をおかけしました。
来月の入院&手術まで引き続きスポーツドリンクが飲めない生活が続くことになり、このままではMr.不摂生と呼ばれていた男が健康になってしまうという笑えない状況になりそうで本当に不徳の致すところ。
さて。
そんなわけで、翌日の朝、まあ、俺がいなくても大勢に影響はなかっただろうとわかっていながらも、本来自分がそこにいるはずなのにそこにいることができなかった配信を見てみたわけです。
これまでも、自分たちの配信をあとで振り返って視聴することはあったのですが、今回は「そこにいるべき自分がいない配信」を見るという体験をしてみて、自分たちの配信を本当の意味で客観的に見ることができたのはそれはそれでよかったのかもしれません。
結論は自分がいてもいなくても変わらずやっぱり面白かったということ。
つい、俺だったらこう答えるかなあとか考えながら楽しんで見てしまった。
そういえば、配信の中でも触れられていたけれど、そもそも第一回の配信は「3人の雑談」のみだった。いまやこの配信に定着した「視聴者の皆さんの質問に答える」というスタイルではなかったし、ゲストもいなかった。3人でただひたすら酒と煙草をのみながら、ほんとうにくだらない与太話を繰り広げるという配信だったのだ。
誰に気兼ねするでもなく、普段3人で酒を飲んでいる場面をそのまま垂れ流しているかのように、言いたいこと話したいことを話していた(広告屋として染み付いているコンプラという名の節度はギリギリ保ちつつ)。視聴者が面白かったかどうかは別として、我々3人が素直にやってみたかったことをやっていたと思う。
そこから回を重ね19回目に至るわけなのだが、その間、時代も社会も自分たちを取り巻く環境も変わっていったし、配信のスタイルも変わっていった。そもそも第一回と今とじゃ3人の属性も違っているわけで、ね。
そんな中でも、当初からこの配信は視聴者からのサポートによって成り立っている以上、ある程度「視聴者が何を見たいのか」を意識するのは出自が広告屋の3人として当たり前だったりもするわけなのだが、とはいえ「自分たちが何を見せたいのか」という想いがその分希薄になっているとするならば、それは果たして「面白いものを見せられているのだろうか」という疑問を抱くのは当然かもしれない。
この配信をいつも楽しみに視聴してくれてサポートをしてくださる方々が、どんな理由でこの配信をサポートしてくれているのか。その理由は人によって様々だと思う。その反面、「サポートをしてくれなくなった方々」や「試聴してくれなくなった方々」もいるはずで、その理由もまた様々なのだろう。
この配信を見てくれている方々は、何が見たくて、何を聞きたくて、この配信を見てくれているのだろうか。(一番多い理由は想像がつく)
つい、仕事のような視点で捉えてしまうけれど、そのあたりは本当に聞いてみたい。
ちなみに、俺にとってこの3人での配信は、とても思い入れのあるもので、だからこそ以前に比べ視聴者数が明らかに減っているその理由については、自分なりに毎回考えていたりもするし、この配信を見ている方に会った時にはそのあたりを聞いてみたりもする。
年に3回程度の配信だけれど、この配信は俺にとって自分の大事な仕事と同じように大事な自分の居場所、誰にも邪魔されず、気兼ねなく気楽にいられる、余計なノイズのない場所としてずっと続いてほしい。
というわけで、
俺がよく見返す過去の配信の中でも珠玉の2回を貼り付けておく。
ボンクラな3人のおっさんの配信を、ヒマな時に時間潰しにでも観てくれたら嬉しく思う。
第1回 僕たちはなにを考えて仕事しているのか

第6回 僕たちはやっぱり会って話したい
上田 豪 広告・デザイン/乗り過ごし/晩酌/クリエイティブ
1969年東京生まれ フリーランスのアートディレクター/クリエイティブディレクター/ ひろのぶと株式会社 アートディレクター/中学硬式野球チーム代表/Missmystop