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美味しそう、だけど……! ビールのCMで考える時代の変化と“エシックス(倫理)”とは?|【広告図鑑】4月24日配信「ビールのCM特集」より

街クリ 編集部


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「GOOD INNOVATION LAB」で毎週木曜日18時に配信されている動画コンテンツ『広告図鑑』。ビジネスプロデューサーの宮本安祐佳さんとコピーライターの田中泰延が、さまざまな広告を紹介しています。

その『広告図鑑』を、『街角のクリエイティブ』でも特別に記事としてチラ見せ! 配信で取り上げる数々の広告の中から、毎回ひとつをピックアップしてご紹介します。

今回は4月24日(木)配信の「ビールのCM特集」より、2018年に放映された焼肉とビールが美味しそうなCMを、2025年の視点で見ていきます。

▶︎4月24日放送「ビールのCM特集」全編の動画はこちらから

キリン一番搾り生ビール「満島ひかり 一人焼肉」篇|キリンビール

こちらは、2018年のCMです。

2018年から2025年になって気になるのは、いろいろ社会の認識が進みまして、この満島さんはそのまま食べるお箸で生肉を焼いているのが後半あるような気がして、心配です。

確かに。

出典:YouTube

最初の方、これはね、トングで焼いてるでしょ? でもね、

出典:YouTube

あ、こことか?! 確かに、まだ(焼いている途中のお肉)。ホントだ! (自分のお箸で)ひっくり返してますね。

今の時代だと、炎上するんじゃないかな。

そうですね。今、厳しくなりましたもんね。

7年も経つとね、社会の「これやっちゃいけない」とか、「これはよろしくないんじゃないか」とか、めっちゃ変わってますからね、コンプラの基準が。

いや、変なところが気になってしまった。

いやいや、でも、そうですよね。本当に、時代が変わるといろんなところに変化が出ますもんね。

例えばですけど、この見方も偏見だといわれれば偏見なんですけど、満島ひかりさん以外が全員男性。

ああ〜。

出典:YouTube

もし今だったら「ちょっと女性のお客さんも入れましょうか」とかになる気がするんですよね。

あと、これストーリーとして、(周囲のお客さんは)全員男性で、満島ひかりの食べっぷりがいいことに男が拍手している。

そう、そうなんですよ。

出典:YouTube

これはダメでしょ、今は。

私はいちCMとして見るので嫌な気持ちとかはしないんですけど、多分今だったら少なからずそういう指摘というか、SNSでコメントとかが出てきそうだなっていう点がいくつかありましたね、やっぱり。

難しいね、時代が変わると。これがね、美味しそうないいCMなことはわかるんだけど、それ以外のところが気になってしまうよね。

そうなんですよ。本当は「このビールと焼肉、めっちゃ美味しそう、最高!」でいいはずなのに、それ以外のところが気になっちゃうのが悲しいですね。

わかる。2つも。2人が一つずつ気になったことがあるっていうね。

2018年に自分が見たら、全然気にならなかったんでしょうけど。

結局のところ、コンプラじゃなくて、みんなが気になるっていうのが。

別に「今、コンプラが厳しいからこういうのダメなんだよね」っていうんじゃなくて、我々の自然な感覚として「ちょっと、良くないんじゃない?」っていう。そういう倫理観みたいなものが育ってますよね、我々に。

そうですよね。

これね、電通の橋口幸生さんが最近出した『クリエイティブ・エシックスの時代』という本がありまして。

世界のCMは「倫理観」というのが今は大事なんだと。これ、すっごく面白い本なんで、ぜひこの広告図鑑をご覧になった方も、橋口幸生さん『クリエイティブ・エシックスの時代』という本、読んでみてください。

今僕らが言っていた議論なんかも、「あぁ〜」っていうことになると思う。

読んでみます。ありがとうございます。


* * *

4月24日(木)配信の「ビールのCM特集」では、他にも……

  • ・今では用意できないセット?! 居酒屋のシズル感がすごいキリンのCM
  • ・あっちのビールにも、こっちのビールにも登場する所ジョージ
  • ・あの矢沢永吉が料理をつくる贅沢なCM

など、全部で9つの広告事例を紹介。

ぜひ、全編もチェックしてくださいね!

※『広告図鑑』の視聴には、GOOD INNOVATION LABのプレミアム会員登録が必要です。

プロフィール

宮本安祐佳(みやもと・あゆか)
CHOCOLATE Inc.所属 / ビジネスプロデューサー
フリーランスのCreative Director&PlannerとしてCMやSNS、D2C、場づくりなどを手がけている。
X(Twitter):@ayuka_miyamoto

田中泰延(たなか・ひろのぶ)
ひろのぶと株式会社 代表 / コピーライター
東京コピーライターズクラブ、大阪コピーライターズクラブの審査員も務める。著書に累計20万部の『読みたいことを、書けばいい。』『会って、話すこと。』(ダイヤモンド社)他。
X(Twitter):@hironobutnk

GOOD INNOVATIN LABとは

世界のイノベーティブなヒト、モノ、コトを紹介するコンテンツサービス。コピーライターのオンライン講座をはじめとして、広告プランニング、クリエイティブディレクションなど、大手広告会社で活躍する一流のクリエイターからクリエイティブの知識と技術が学べる講座、イベントが充実しています。

本記事で紹介した本

クリエイティブ・エシックスの時代 世界の一流ブランドは倫理で成長している
橋口幸生 | 宣伝会議

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